9月も中盤に入って、アンサンブルコンテストの時期が近づいてきましたね。
これまでレッスンに関わった多くの学校では、部内でアンサンブル大会や、コンテスト出場チームを決める校内予選があり、部員全員が何かしらチームを組んで演奏するということが多いようでした。
そういった中で「コントラバスも何か演奏して!」って言われても、悩むことって多いんですよね…
だからって、コントラバスはアンコンお休みっていうのも可哀想。
なので、この時期コントラバスを弾いている人達からは「何かオススメの曲はありますか?」と相談を受けます。
何か演奏しなきゃいけないけど、曲がなくて困ってる人へ。
今日はデュオで演奏できる不思議な曲を紹介します。
この曲は、コントラバスのデュオだけでなく、色々な楽器で演奏できるので、ぜひ皆さんもチャレンジしてみてください。
回文って知ってる?
回文は、始めから読んでも、終わりから読んでも同じ言葉になる遊びです。
例えばこんな感じ。声に出して読んでみてください!
トマト
すでにトマトに(煮)です
わたし(私)このトマトのこ(残)したわ
面白いでしょ?
このように、始めから読んでも、終わりから読んでも同じこと言葉になる回文。
なんと、これを音楽でやってしまった作曲家がいるのです。
モーツァルト/2つのヴァイオリンのための4つの鏡のカノン
始めから読んでも、終わりから読んでも同じ言葉になる回文のような曲がこちら。
作曲者はモーツァルトだと言われていますが、一説によると彼の作品目録には載っておらず、偽作という噂もあります。
一体、誰が作った曲なのでしょうか…
このブログではモーツァルト作曲としています。
2つのヴァイオリンのための4つの鏡のカノン
一枚の楽譜を二人で見て、一人は始めから、もう一人は終わりから弾いています。
演奏時間は約2〜3分。
本来は、2つのヴァイオリンのための作品となっていますが、色々な楽器で演奏しています。
ヴァイオリンとファゴット
ギターのデュオなんかでも
ヴァイオリンとは違った雰囲気も良いですね。
こうして色々な楽器で演奏できるのもこの曲の魅力。
僕もコントラバス二本で演奏したり、チェロとのデュオコンサートでも演奏しました。
この曲にまつわるエピソードをお話ししてから演奏すると、きっと楽しんでもらえると思います。
楽譜のダウンロードと著作権について
鏡のカノンの楽譜は、インターネット上にある国際楽譜ライブラリープロジェクトというサイトで無料ダウンロードができます。
正式名称よりも「IMSLP」や「ペトルリッチ」と呼ばれていることが多いです。
国際楽譜ライブラリープロジェクト
国際楽譜ライブラリープロジェクトは、無料で使用できる楽譜などのバーチャルな図書館を作成しようとする、インターネット上のプロジェクト。別名ペトルッチ楽譜ライブラリー (Petrucci Music Library)。2012年6月16日現在、楽譜と録音あわせて200,000点以上を収録している。
簡単に説明そすると、著作権の切れた楽譜が置いてあるバーチャル図書館です。
はじめて「ペトルリッチ」を使う人へ
- 鏡のカノンの楽譜はこちら!←ここクリックして「ペトルリッチ」のサイトへアクセス
- Arrangement and Transcripionsをクリック!
- 次にComplete scoreをクリックして次に出てくるページで少し待ちます。
- ダウンロードを続ける場合は、ここをクリックしてくださいの表示が出るまで待ちましょう。
- 印刷ページが出てくるのでプリントするか保存しておきましょう!
いくつか楽譜があるので、演奏しやすいものを選んでください。
コントラバスで演奏する時は、ヘ音記号のフラットが2つ付いた楽譜がオススメです。
※低くて出せない音域もありますが、オクターヴを上げたり工夫して練習してみてください。
ところで、無料ダウンロードして 本当に著作権は大丈夫なの?と思う人もいるでしょう。
ペトルリッチの著作権はこのようになっています。
著作権法について
IMSLPの主たるサーバーが2つとも物理的にカナダ国内(ひとつはモントリオールで、もうひとつはトロント)におかれているために、IMSLPはカナダの著作権法を遵守しています。この法律は、他の国の著作権法とは違っています。カナダの著作権法をとても簡単にまとめると、著作権の保護期間を作家や作曲家(などそれらすべて)の死後50年とすることを貫いているということです。
WTOまたはベルヌ条約の加盟国で最初に公表された作品のみが、カナダでは著作権の対象となります。しかし、すでに作品が元の国(すなわち、最初の公表が行われた国)でパブリックドメインとなっている場合を除き、どちらかの条約に署名していればほとんどのケースでは遡及的にこれが適用されます。
引用:パブリックドメイン
国内ではパブリックドメインではない楽譜もあるかもしれませんから、利用する際はご注意くださいね!