こんにちは、コントラバス奏者の井口信之輔です。
先日、川崎市幸区にある南加瀬こども文化センターにて、企画・制作を担当させていただいた音楽会が開催されました。
演奏会のタイトルは
『まちのちいさなおんがくかい ♯2』
〜ひろげよう!みんなでつくるおんがくのわ〜(地域交流事業 運協共催)
川崎市の地域交流事業として昨年に続き、2回目の公演となります。
地域の子どもたちが遊びに来る場所で
「楽器に触れるってさ!何か面白そうなのイベントあるからいってみよーぜ!」
そんな気持ちで来られるような音楽会にしたいと思いました。
ようこそ『まちのちいさなおんがくかい』へ!
演奏会の内容は、昨年に続き
- 楽器紹介を含めたミニコンサート
- 普段体験できないような「目と耳と手」で音楽に触れ合う時間
として、子どもたちと楽しい音楽の時間を作りたい!という思いで企画・制作を担当させていただきました。
いつもは舞台裏で済ませるチューニングも、せっかくなので皆さんの前で「弦楽器の音合わせ」のお話をしながら、チューニング。
文化センター館長さんの挨拶が終わると、子どもたちにとっても身近な楽器、ピアニカを吹きながらお姉さんたちが登場し、演奏会の幕が開けました。
前半はクラシック音楽を中心とした音楽会
ピアニカを吹きながら登場したお姉さんは、ピアニストと声楽家。
音楽会の中で、ピアノを弾いたりしたり、歌を歌ったりしてくれました。
前半は、クラシック音楽を中心に
『まさか逆さま!?とある天才作曲家が残した回文章』
と題して、初めから読んでも終わりから読んでも同じ意味になる回文章のような曲や
- ベートーヴェン/交響曲第5番「運命」より第1楽章
- チャイコフスキー/眠れる森の美女〜ワルツ
をピアノとコントラバスで演奏し、コントラバスがオーケストラの中でどんな役割をしているかを聴いてみる楽器紹介『クラシック名曲30秒ハイライト コントラバス編』
をお届け。
最後はコントラバスだってメロディが弾きたい!とサン=サーンスの動物の謝肉祭より「象」を子どもたちの前に出て演奏しました。
目の前で見るコントラバスはどうだったかな?
ベートーヴェンの「運命」を聴いた男の子からは「古代文明みたいな曲だー!」と元気な声が飛んできました。
なるほど!素敵な感性!
後半は遠い昔から現代へと舞台を移した参加型の音楽会
遠い昔のクラシック音楽から現代へ、ピアノが奏でるメロディに、クラシック音楽とはちょっと違った雰囲気でコントラバスが加わり、歌のお姉さんが登場。
耳馴染みのあるポピュラー音楽を演奏すると、一緒に歌ってくれる子たちの声が聞こえてきます。
演奏を聴く時間から一緒に音楽会を盛り上げていく時間となり、今回の目玉でもある
『歌を上手に歌うワークショップ』のコーナーへ!
歌のお姉さんのアドバイスを実践しながら、口を大きく開けたり声を出しながら、みんなで練習。
一緒に歌うに連れて、みんなの声が一つになっていきます。
音楽会の最後は子どもたちもお父さんもお母さんも、児童館の職員さんも一緒に「夢をかなえてドラえもん」を大合唱!
ただ大きな声で歌うだけでなく、歌を上手に歌うコツを覚えてキレイに響く声で歌えました。
ぜひ、学校の音楽の時間にも役立ててください♪
初めて見る楽器との出会いが楽しいものでありますように
音楽会が終わったら、実際に楽器に触れてみる時間。
楽器に直接触れること、ましてやコントラバスに触れることなんて人生初ではないか。
コントラバスの背中に触れてもらって音を出すと、手には弦楽器の振動が伝わってきます。
目を丸くして驚いたり、くすぐったい!と笑ったり、色々な反応をしてくれる子どもたち。
コントラバスに触れてみた感想はどうだったかな?
大きくなって、学校にオーケストラが演奏しに来たら
「あのときお兄さんが弾いてた楽器だ!」
って思い出してくれたら嬉しいです。
こうして、音楽会は幕を閉じました。
南加瀬こども文化センター職員の皆様、ありがとうございました。
クラシック音楽の敷居は高く、玄関口を広く
あのときお兄さんが弾いてた楽器、テレビでも見たことある。
名前はもう忘れちゃったけど、でっかいヴァイオリン!
そんな楽器たちとの出会いが楽しいものであれば、きっと音楽に興味を持ってくれるかな?
Twitterでも度々出てくる、クラシック音楽の敷居は高いか低いか論
個人的に、クラシック音楽は敷居の高いもので良いと思っています。
音楽を生業にしててもサントリーホールとか芸劇にお客として行けば非日常感にワクワクするし、ビシッとキメたオーケストラが出てきたらカッコいいし、でも敷居下がったら非日常感が薄れるからやっぱりクラシック音楽の敷居の高さは好きよ。普通車からちょっと奮発してグリーン車乗った時みたいな感じ。
— 井口 信之輔 / コントラバス (@igu_shin) November 30, 2017
だから、クラシック音楽の敷居を下げるのではなく、クラシック音楽を知るための玄関口を広く開けることが大切なんだと思う。
子ども達に向けた演奏会をやらせていただいてると、やっぱりクラシック音楽の敷居はガンガンに高くてよくて、こうした児童館や地域の方々が気軽に立ち寄れる演奏会とかを通してその玄関口を広げていけばいいんじゃないかなって思う。
— 井口 信之輔 / コントラバス (@igu_shin) February 23, 2018
あっと驚く仕掛けを用意したり、子どもたちの「へぇ〜!」を引き出して、高級感あって格式高く華やかな反面、品の良い冗談や作曲家のユーモアがあふれたクラシック音楽の玄関口を広く開けて待っていたいと思います。
楽しい音楽の世界へようこそ!