【課題曲Ⅰ古き森の戦記】パートは自分だけ、周りにコントラバスを教えてくれる人がいない!そんな環境で練習に励むあなたに届けたい「ワンポイント・アドバイス」

こんにちは!コントラバス奏者の井口信之輔です。

去年、TwitterのDMで吹奏楽コンクール課題曲に関する相談を多数受けたことから、他にも同じようなことで悩んでいる人がいるんじゃないかな?と思って書いた課題曲ワンポイント・アドバイス。

今年も、少しづつ相談や質問が増えてきたので書いてみようと思います。

あなたの学校では、もう楽譜が配られて練習をしていますか?

パートは自分ひとりだけ、周りにコントラバスを教えてくれる人がいないという環境で練習に励む人がいたら、ぜひお役立てください。

課題曲Ⅰ古き森の戦記

この物語の舞台は、どこまでも深い古(いにしえ)の森。

昔々のそのまた昔、この森の奥では、とある戦いが繰り広げられていたと言われています。

この曲を初めて聞いたとき、こんなお話が頭の中に浮かんできました。

冒頭〜Aの前まで

ティンパニの3連符によって古の森での戦いの幕が開け、物語がはじまります。

ffで入った小節の途中からデクレッシェンドがかかりpになる部分は、ひと弓で弾いても良いですし、編成によって少し音量を残しておいたほうが良いかな?と感じたら、音の切れ目がわからないように途中でアップにするなど工夫してみても良いでしょう。

5小節目からのPizzは関係性のある動きをしている仲間がいます。

どんな音を出せば良いかな?

弦を弾(はじ)く右手のくスピード、音色、弾く場所を工夫・研究してみてください。

古の森で繰り広げられていたのはどのような戦いだったのでしょうか。

ここからベースラインに乗ってこの曲のテーマが登場し、戦いの場面へと突入していきます。

  1. コントラバスと同じベースラインを担当しているグループをチェックしておく
  2. グループの中で音形や音色を揃えていく

この2つは押さえておきたいポイントだと思っています。

そして、音形や音色を揃えていく方法のひとつとしてスピッカートという奏法を使うことが考えられます。

  • スピッカート(跳ね弓・飛ばし弓)

弓を弦の上で跳ねさせることで、短い音、しかも軽くはっきりとした音を出すことができる奏法。右手に力が入っているとうまくコントロールできないので、余計な力を抜くことも大切。

※奏法に関しては言葉だけで説明できないため、簡単な解説を書いています。


B(18〜25)

Bの先、22小節目からはいくつかのボウイングパターンが考えられるでしょう。

僕は二分音符をダウンで弾いて、次の四分音符をアップ→アップと弾いていましたが、改めて練習してみると、はじめの二分音符をアップから始めても良いかな?と思うようになりました。

よく質問を受けることですが、ボウイングに正解はないのでいろいろと試してみてください。


C(26〜35)

付点のリズムを弾くポイントは、大雑把ですが

  • 弓を置く場所(元なのか、真ん中なのか、先なのか)
  • 弓を使う量(たくさん使うのか、少なく使うのか)
  • 弓のスピード

を考えてみると良いかなと思います。

そして、楽器のどの辺りを弾けばイメージしている音が出せるかを工夫すると良いでしょう。

30〜31小節目には同じ音を早く細かく刻むトレモロという奏法が登場します。

32小節目の弾きはじめを上手くコントロールできるように、そのあとは移弦が難しい場所なので、勢いで弾いてしまわないよう、メトロノームと合わせてゆっくり練習していくと良いでしょう。

DからGの前まで

Dの1小節前からメロディックな音形があります。

  • 音程の取り方(フィンガリング)
  • ボウイング

に関してはいくつかのパターンが考えられます。

36小節目のGを開放弦で弾く場合は、前の音色に対して開放弦の音が大きくなってしまったりしないように意識をしてみてください。

36小節目のGをD線で取る場合は4で押さえると、次のオクターヴ下のGが1で取れます。

ボウイングとフィンガリングは早めに決めておいてとりあえず楽譜に書いておくと良いでしょう。

arcoからすぐにpizzに持ち替えるのも難しいポイント!

  1. 37小節目1拍目を弾いた状態で一時停止!
  2. arcoからpizzaに持ち替える
  3. Gの音を押さえ、指を弦の上に置く

この流れをゆっくりメトロノームと合わせて練習していくと良いかと思います。


E(42〜49)、F(50〜60)も、人によっていろいろなボウイングが考えられるでしょう。

ボウイングを決めるということは、慣れるまで大変かもしれません。

でも、大切なのはとにかく今自分が弾いているボウイングを楽譜に書き込むこと。

わからないから書かないという状態になってしまうと毎回違うボウイングで弾いているのにも気付かなかったりするので、上手くいかない原因が発見できなかったり、上達をも妨げてしまう原因となってしまいます。

楽譜にボウイングを書き込むことは習慣化していけると良いでしょう。

Gからラスト

冒頭部分と同じように、コントラバスのpizzと関係性のある動きをしている仲間の存在を頭に入れておきましょう。

pと書かれていますが「p=弱く・小さく」とならず、音形や音色をイメージしてどのくらいの音量で弾けば良いかな?と考えてみても良いでしょう。

69小節目も弾きやすいボウイングを考えてみよう!


H(73〜89)

5小節休んだあとのトレモロはカッコよく決めたいところですね。

80小節目からタイで結ばれている長い音は、途中で弓が足りなくなってしまうことが考えられるので、途中で弓を返してもOKです。

  • B♭の音をダウンから弾き始めて途中でアップへ
  • 84小節目の3連符、2つめの音がダウンになり、二分音符で弓元から弓先へ
  • 85小節目の3連符、2つめの音をアップで弾き、今度は二分音符で弓先から弓元へ

そして、86小節目からの音形を弓元に近い場所で弾けるようにコントロールする。

ここは初心者で始めた人が悩むポイントだと思うので、こうした方法を提案してみます。


I(90〜102)からL(121〜ラスト)

Iの6小節目からJにかけてのボウイングも、Hと同じように工夫してみましょう。

続くJからは

  • ベースラインを刻み
  • テーマを弾き
  • Kに向かって音楽を進めていく

と頭の切り替えをしっかりしていきます。

106小節目のボウイングは、きっと好みが分かれるかもしれませんね。

Lで再び顔を出すにテーマはもカッコよく決めよう!

さいごに

課題曲Ⅰは曲の中でいろいろな弾き方が求められる曲です。

  • スピッカート(可能であれば)
  • 付点のリズム
  • トレモロ
  • arcoからpizzaの持ち替え
  • タイで結ばれた音の中でのボウイングの工夫

まるでファンタジーの世界に飛び込んだような音楽。

全体を通して熱く燃える曲ですが、勢いで弾いてしまわないように、場面ごとに頭のチャンネル(どうやって弾くか)を切り替えて演奏できると良いかなと思います。

各セクションを、丁寧に練習してみてください。

古き森の戦記、この物語の結末はいかに……

 

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次回の課題曲ワンポイント・アドバイスは躍動感あふれる「マーチ・ワンダフル・ヴォヤージュ」です。

お楽しみに!

ABOUTこの記事をかいた人

1987年、千葉県生まれ。 船橋市立葛飾中学校管弦楽部にてコントラバスと出会う。 千葉県立市川西高等学校を経て洗足学園音楽大学へ入学。 在学中より「吹奏楽部におけるコントラバスの現状」に着目し多くの講習会に講師として参加。大学卒業後はフリーランスのコントラバス奏者としてオーケストラ、吹奏楽、室内楽をはじめ楽器製作ワークショップやレコーディングなど多方面での演奏活動をする傍ら、吹奏楽指導者・アマチュアオーケストラのトレーナーとしても活動しており、中でも吹奏楽におけるコントラバスの指導に力を入れている。 これまでにコントラバスを寺田和正、菅野明彦、黒木岩寿各氏に師事、指揮法を川本統脩氏に師事。現在、昭和音楽大学合奏研究員、ブラス・エクシード・トウキョウ メンバー。また、日本アロマ環境協会 アロマテラピーアドバイザーの資格を持つ。