【課題曲Ⅱマーチ・ワンダフル・ヴォヤージュ】パートは自分だけ、周りにコントラバスを教えてくれる人がいない!そんな環境で練習に励むあなたに届けたい「ワンポイント・アドバイス」

パートは自分だけ、周りにコントラバスを教えてくれる人がいないといった環境で練習しているあなたに届けたい、吹奏楽コンクール課題曲2018ワンポイント・アドバイス。

ワンポイント・アドバイスと書きながらも3.000文字近くになるためワンポイントでなくなっているのですが、練習の参考としてお役に立てたら嬉しく思っています。

今回取り上げる曲は、課題曲Ⅱマーチ・ワンダフル・ヴォヤージュ。

僕は、この曲を聴いたとき、人々で賑わう街の様子が思い浮かびました。

あなたはこの曲を聴いてどんな世界が思い浮かびますか?

何かイメージを持って練習すること、大切かもしれませんね。

今回も、一緒に課題曲の研究をしていきましょう。

それでは!躍動感あふれるマーチ・ワンダフル・ヴォヤージュの世界へ出発です!

課題曲Ⅱマーチ・ワンダフル・ヴォヤージュ

遠く離れた国のとある街でのひとときと、音楽に合わせて登場するパレード

直感でそんなイメージを持った曲。

5〜6小節目にかけての部分、パレードのお兄さんやお姉さんが手を振ってくれそうじゃないですか?ドラゴンクエスト11をプレイした人はシルビアのパレードのような感じです←勝手なメージ

冒頭〜Bまで

解説にあるように歯切れ良さが大切な部分だと思っています。

マーチの伴奏はその伴奏で歩けるかがポイント。

冒頭のシンコペーションのリズムから、ボウイングをどう付けるか迷うところですね。

  • オーソドックスにダウンから弾きはじめることもできる
  • でもダウンの弾きはじめが弓元すぎてしまうと、次のアップで弓が足りなくなる
  • アップから弾くこともできる

こうなると、弾き始めの弓の位置がキーポイントになるかもしれませんね。

いろいろなことを考えて、ボウイングをつけていくと良いでしょう。

4小節目はダウンから弾きたい音形です。

上行する形は2-1-4-1-4というフィンガリングで取ると、ムダのない動きになるかと思います。


A(7〜14)

Aから第1マーチのはじまりです。

練習を投げ出して今すぐにでも外に遊びに行きたくなりますが、今日はさらいましょう。

八分音符で書かれたマーチの歩みは、イタリアの日常会話で使われるAllegroのような気持ちで演奏できると、歯切れ良さが出てくると思います。

活き活きと、その伴奏で歩けるように演奏することを心がけてみてください。

実際に、演奏に合わせて友達に足踏みをしてもらって感想を聞いてもよいでしょう。

マーチの頭打ちに合わせて歩いてみるという練習は、3月に開催した中高生のためのコントラバス・ワークショップでも取り上げました。

マーチの中でよく出てくるパターンですが、14小節目はどこからがアウフタクトになるかを考えてみてください。


B(15〜22)

20小節目でオーケストラが全員集合!いろいろなボウイングが考えられるところですが、弓順でも演奏できます。

22小節目の3拍目で歩みを止め、そこに見えるのは第2マーチ!

C〜Dまで

最初に歯切れ良さがポイントと書きましたが、バスパートがテーマを演奏する第2マーチは、躍動感がプラスされます。

Cは、付点のリズムをどう弾くかが悩みのポイントになるでしょう。

  • 第2マーチのはじまり(22小節4拍目)をダウン→アップと弾き直してもよし
  • あえてアップ→アップにもできる

躍動感のある付点のリズムを出すことが大切なので、付点のボウイングは必ず揃えなければならないということはないと考えています。

※22と24小節目の4拍目はダウン→アップ、24と26小節目のフレーズの中の付点はダウン→ダウンなどでも良いのかな?


D(31〜40)

Dのアウフタクトにあたる、30小節目3拍目からの音形は、転びやすいので注意。

37〜38小節目はボウイングを工夫する必要がありそうですね。

手元にある楽譜には

  • 37小節目をアップから(一つ前の八分音符もアップ)
  • 38小節目の4拍目もアップで弾き、Trioの頭をダウン
  • Trioの頭は弓を多く使って(毛が弦に触れる時間、弾く量は少なく)
  • 2拍目からの二分音符は弓先または真ん中あたりからアップで弾く

というように書き込みをしていましたが、改めて見ると36小節目からそのまま弓順でも良いんじゃない?とも思うようになりました。


おまけ『ボウイングはべき論で考えない方がいいんじゃない?』って話

ここで何を伝えたいかというと、ボウイングは弾いているうちに変わってくるということです。よく、ここのボウイングはどうするべきですか?と聞かれることがありますが『〜すべき』とべき論で考えず、この方が弾きやすいかな?と柔軟性を持って考えていくことをおすすめします。

今まで思いつかなかったボウイングパターンが浮かんだということは、一歩成長した証拠かもしれませんよね。

Trio〜EからFまで

Trioからは、スコアを見てグループ形成をチェックしておくとよいでしょう。

  • 木管低音に近い音色で、響きを大切に弾くことがヒントかも

拍の取り方も、4つではなく大きく2つで感じると伸びやかさが出てくるかもしれません。

パート練習で、どのような弾き方をすれば他のセクションに歩み寄れるかを研究してみましょう。

前半のポイントが歯切れ良さだとしたら、Trioは伸びやかさがポイントかもしれませんね。

街の人々やパーレドの行進を描いた部分とは対照的に、カメラのアングルが変わり街全体の風景を映し出しているようなイメージでしょうか。


F(49〜58)

スコアを見てみると、メロディの音価も長くなっているので、大きなカウントの中でもシンコペーションの動きで音楽を進めていきましょう。

Gの前でまた集合!カウントも4つに戻り、それぞれも持ち場へ戻っていきます。

G〜ラストまで

Gからは、再びマーチの歩みを作っていきます。

80小節目は、音形に慣れれば大丈夫ですが、上手く音がハマらないと感じたら十六分休符で弓を置くということを意識してみてください。

Lも、同じように休符で弓を弦の上に置いて弾くと、2拍目からの音の入りが合うでしょう。

力を入れてしまうとガリッと雑音がなってしまうので気をつけて下さい。

最後は、ダウン、ダウン→アップ→ダウンで締めるのが良いかなと思います。

さいごに

とっても楽しい課題曲Ⅱ、解説にもあるように歯切れ良さと伸びやかさの対比を出すことが練習のポイントだと思います。そして、マーチの歩みはその伴奏で歩けるか。

バスパートがテーマを演奏する第2マーチは、そこに躍動感がプラスされますね。

演奏上のワンポイント・アドバイスは以上ですが、この曲の冒頭に書かれているAllegro con brioという言葉の意味を調べることも忘れないでくださいね。

音楽用語辞典で意味を調べるだけでなく、イタリアの日常会話の中で使われている意味を知ると、より表情豊かに演奏できるヒントが見つけられると思います。

今回のワンポイント・アドバイスはここまで。

それではまた!

 

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次回の課題曲ワンポイント・アドバイスは美しく、幅広い表現力を求められる「吹奏楽のためのワルツ」です。

お楽しみに!

ABOUTこの記事をかいた人

1987年、千葉県生まれ。 船橋市立葛飾中学校管弦楽部にてコントラバスと出会う。 千葉県立市川西高等学校を経て洗足学園音楽大学へ入学。 在学中より「吹奏楽部におけるコントラバスの現状」に着目し多くの講習会に講師として参加。大学卒業後はフリーランスのコントラバス奏者としてオーケストラ、吹奏楽、室内楽をはじめ楽器製作ワークショップやレコーディングなど多方面での演奏活動をする傍ら、吹奏楽指導者・アマチュアオーケストラのトレーナーとしても活動しており、中でも吹奏楽におけるコントラバスの指導に力を入れている。 これまでにコントラバスを寺田和正、菅野明彦、黒木岩寿各氏に師事、指揮法を川本統脩氏に師事。現在、昭和音楽大学合奏研究員、ブラス・エクシード・トウキョウ メンバー。また、日本アロマ環境協会 アロマテラピーアドバイザーの資格を持つ。