明日のためのレッスンノート

レッスンで感じた「楽器の上達が早い人に共通する3つのこと」限られた時間で効率良く練習していくために、明日からトライしてみよう!

明日のためのレッスンノート(vol.25)

吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って毎週更新している「明日のためのレッスンノート」今週は、限られた部活の時間で効率よく練習するためのヒントをお話ししていきます。

この時期は定期演奏会に向けたレッスンの依頼を多くいただきます。

1年間の集大成、節目となる演奏会に向けて練習に励んでいることと思います。

さて、演奏会といえばたくさんの楽譜が配られますね。

楽器を演奏するだけでなく、劇やステージドリルをやったりポップスステージでパフォーマンスの練習をしている学校もたくさんあると思います。

こうなると、思ったより時間がない。

「じゃぁ、どうする?」

限られた時間で、演奏会に向けてどう練習をしていけば良いかを今日は一緒に考えていきたいと思います。

今日のテーマは「練習を効率化せよ!」

一緒に練習について考えていきましょう。

練習を「効率化」せよ!

限られた時間でたくさんの曲を練習するためには「練習の効率化」がキーポイントとなると考えます。

僕はレッスンをしている学校で

  • ボウイングを書く
  • 難しい場所はフィンガリングを書く
  • 迷ったら基礎に戻る

この三つを伝えています。

そして「上達が早いな」と感じる人は、この三つをしっかりと押さえています。

楽譜が配られたら書いておきたい「ボウイング」こと

新しい楽譜が配られて、まず僕は音を出しながらボウイングを考えることを勧めています。

ボウイングを決める時に大切なのは「とりあえず◯◯」

吹奏楽作品は拍子の変化も多くボウイングが決めにくいので、練習していくうちにどんどんボウイングが変わっていくことが経験上多いです。

なので「とりあえず、今はこんな感じ」と楽譜にボウイングを記入してみてください。

 

そして、ボウイングは濃い鉛筆またはシャーペンでしっかりと書くこと。

たまに薄い字でヒョロヒョロと書いたような楽譜を見かけますが多くの場合「書いただけで情報としてキャッチできてない」パターンが多い傾向にあります。

ボウイングを間違えるのは誰にでもありますが、本人が気づかず何度も同じミスをしている人がいるのを、とてももったいなく思ってしまいます。

 

僕は、まず初心者は楽譜のすべての音(同じ音形除く)にボウイングを書き、慣れてきたら少しづつ書き込みを減らすように伝えています。

課題曲のマーチで例えてみると?

課題曲のマーチを例に出してみると、初心者の頃はボウイングをすべて記入して慣れてきたら「必要のない情報は消していく」と伝えています。

  • 冒頭部分のボウイングを記入、ダウン→ダウンなど工夫する必要があれば書いておく
  • 第1マーチは頭打ちの伴奏であることが多いので「頭打ちはダウンからはじまることが多い」などマーチの伴奏パターンを理解できたら何も書かない
  • 第2マーチは低音セクションがテーマを持つのでボウイングを書いておく

このようにして書かなくても理解できた部分はどんどん消し、必要な情報のみを残していくようにします。

楽譜が配られたら書いておきたい「フィンガリング」こと

もう一つは左手の運指、指使いを記入すること。

これも、頭でわかっている部分は書く必要ありません。

  • 速弾きするところ
  • 音程が合わないところ
  • 音が跳躍するところ

などは、音符の上に「0.1.2.4(3)」とフィンガリングを記入しておくことを勧めています。

課題曲のマーチで例えてみると?

課題曲のマーチを例に出してみると、指を早く動かしたりテーマを持つなど難しい部分はフィンガリングを書いておきます。

何度かトライして上手くいかない部分は「音は追えていても、自分がどの指で弾いているか理解できていない」ことが多いので、積極的にフィンガリングを記入することを勧めています。

低音セクションであればテーマを持つ第2マーチで左手が難しい、音の跳躍をするようなところ。

頭でどうやって弾くかを考えられていないと弾けないと考えてみると、難しい部分にフィンガリングを記入することはとても大切だと考えています。

何度かトライして上手く弾けなかったら「基礎」に戻ろう

G線のDやEs(初心者から相談を受ける高い音)のポジションに来ると、上手く音が合わないということがよくあります。

その音だけを弾けば合うけど、前から弾くと音程を外したり合わなくなる。

そういった、心当たりはありませんか?

こうしたときは、一度「コントラバスの運指表に基づいた12のポジション」に戻ってみます。

ポジションすべてを練習するのではなく「その音が含まれるポジション」のみ取り上げます。

  1. チューナーを使って音程を確認して
  2. ポジションの音列と指の間隔を覚えていく

コントラバスのポジションは、音が高くなるにつれて指の間隔が狭くなっていきます。

なので、音程を確認して、問題のポジションの音列や指の間隔を覚えたら前からゆっくりと練習します。

おわりに

「明日のためのレッスンノート」今週は練習の効率化について考えてきました。

これは、実際に吹奏楽部のレッスンや講習会でよく話しをしていることです。

 

そして、楽譜にこうした情報をマメに書いている人は、やはり上達がとても早いです。

それはきっと、必要な情報をしっかりと頭でキャッチして日々練習しているからだと思います。

 

定期演奏会をはじめ年度の締めくくりのイベントに向けての練習で忙しくなる時期ですが、新入部員がやってくる前、学年が上がる前に「練習の効率化」について、考えてみるのも良いかと思います。

よかったら、日々の練習の参考にしてくださいね。


部活動やサークル、個人レッスン、コントラバス講習会や出張レッスンの企画は随時承っております。詳しくは、ブログ内にあるレッスンメニューをご覧ください。

コントラバスに関する質問や相談は、僕のLINE@『BASS ROOM』で受け付けております。

登録者数100人まであと少し、たくさんのお友達登録ありがとうございます。

お友達登録はこちらからどうぞ!

https://twitter.com/igu_shin/status/951474773929861120

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

イグチシンノスケ

千葉県出身。 船橋市立葛飾中学校管弦楽部にてコントラバスと出会う。 千葉県立市川西高等学校吹奏楽部を経て洗足学園音楽大学へ入学。 2022年春学期東京音楽大学指揮研修講座修了。 在学中より「吹奏楽部におけるコントラバスの現状」に着目し、多くの講習会に講師として参加。大学卒業後はフリーランスのコントラバス奏者としてオーケストラ、吹奏楽、室内楽をはじめ楽器製作ワークショップやレコーディングなど多方面での演奏活動をする傍ら、吹奏楽指導者・アマチュアオーケストラのトレーナーとしても活動しており、中でも吹奏楽におけるコントラバスの指導に力を入れている。 これまでにコントラバスを寺田和正、菅野明彦、黒木岩寿各氏に師事。指揮法を川本統脩、三河正典各氏に師事。よこはま月曜吹奏楽団指揮者。初心者と子どものためのオーケストラpìccolo音楽監督。板橋区演奏家協会理事。取手聖徳女子高等学校音楽科非常勤講師。

-明日のためのレッスンノート