明日のためのレッスンノート(vol.6)
こんにちは。コントラバス奏者の井口信之輔です。
吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って毎週更新している『明日のためのレッスンノート』
先週は、コントラバスの基礎練習が楽しくなる!リズム遊びのはなし
というテーマでレッスンノートを書いてきました。
今週は『初心者講習会で必ず伝える!ここで差がつくコントラバスの左手の基礎』というテーマでレッスンを進めていきたいと思います。
さて、どうしてここで差がつくか?
コントラバスを弾くのに左手で弦を押さえますが、大きく分けて2つの押さえ方に分かれます。
- 弦をギュッと握って押さえる人
弦をギュッと握って押さえる人は、音が変わるたびに手を動かして押さえ直す必要があります。
- 左手の正しい形を覚えて弦を押さえる人
左手の正しい形を覚えて弦を押さえることができたら、1つのポジションで12通りの音を出すことができます(1つのポジションで出せる音3つ×4本の弦)
四分音符が続くマーチや、ゆったりとした曲であれば、弦を握っても弾くことができますが、速いテンポの曲や音の数が多い曲などになってくると弦を握って押さえただけでは、対応できなくなってしまいます。
まず、この2つを覚えて今日の本題へと入っていきましょう!
コントラバスを弾く上で乗り越えていくひとつの壁のようなところでもありますが、この壁を乗り越えた先には、もっとコントラバスが楽しくなる力が身についていると思います。
それでは、今日よりもちょっと良い明日に向けて、レッスンノートを開いていきましょう。
目次
コントラバスを弾くときの左手の形を覚えよう!
コントラバスには、ギターのようにフレットがないので、自分の左手でフレットを作ります。
今回押さえておきたいポイントは2つ
- 左手の正しい形
- 左手の指番号
まずは、左手の正しい形を覚えていきましょう。
コントラバスの教則本に書かれている、指番号を覚えよう!
人間の指には、その大きさや使い方を由来に名前がついたと言われています。
そして、コントラバスを演奏するときにも、弦を押さえる指を示した「指番号」がつけられます。
一般的にコントラバスの教則本では下記のように記載されています
- 人差し指…1番
- 中指…2番
- 薬指…3番(ローポジションでは小指の補助)
- 小指…4番
指番号は〜番、または〜の指と呼ばれます。
※薬指(3)は小指の補助となり4と書かれていたら薬指も一緒に押さえます。
そして、ソロを弾くような高い音域のポジション(ハイポジション)になると、弦を押さえる手の形が変わり、3の指として薬指が使用されます。
知らなかった!という人は覚えておきましょう。
そして、もう知ってるよ!という人は、自分の口で説明できるように復習しておきましょう。
初心者におすすめしたい、コントラバスの指番号の覚え方
コントラバスを始めた頃は、指番号を頭で理解していても、指が押さえていたはずの浮いてしまったり思い通りに動かないこともあるでしょう。
弦を押さえるときは、基本的に教則本の書かれている指番号の覚え方にプラスして
- 人差し指(1の指)は1本で押さえるから1
- 中指(2の指)は2本で押さえるから2
- 小指(4の指)は4本で押さえるから4
と覚えておくと良いでしょう。
弦を押さえることが辛い人へ
コントラバスを始めた頃は、弦を押さえるために必要な力がついておらず、正確な音程がとれなかったり、弦を押さえると指が痛くなってしまうといった経験があるかもしれません。
今、弾いている楽器の状態に問題がなければ
- 左手の正しい形
- 指番号
この2つを覚えて練習を積み重ねていけば、弦を押さえる力がついてきます。
しかし、部活動の備品として学校にあるコントラバスは、駒が反ってしまっていたり、弦高が高すぎてまともに弦を押さえることができない、といった状態の楽器があるのも事実です。
こうした状態の楽器では、正確な音程を取ることも難しく、速いテンポの曲を弾くことも不可能に近いです。
そして、無理に弾いていると、手を痛めてしまいます。
練習量や根性で解決する問題ではないので、楽器に問題があると思ったら顧問の先生や講師の先生に相談してみると良いでしょう。
すぐにできる!楽器の状態チェック
もし、楽器の状態に問題があるかもしれないと感じた人は、下記の部分をチェックしてみよう!
- 駒の状態
駒は、弦の張力によって支えられ立っているだけなので、楽器をぶつけてしまったりすると動いてしまいます。楽器運搬の際には注意しましょう。
- 弦高は適切か(弦と指板の間)
弦高が高すぎると、まともに弦を押さえられません。
目安はG線10mm、D線12mm、A線14mm、E線15mm前後です。
こうした問題が、部活動でコントラバスを弾いている人が、弦をギュッと握って押さえてしまったり、押さえやすい指だけを使って弦を押さえてしまう原因のひとつだと考えています。
吹奏楽部をはじめとした、音楽系部活動の顧問の先生方へ
本来、楽器を演奏するために必要な力、筋肉は楽器の練習を通して身につけていくものだと考えていますが、駒や弦高の状態に問題のある楽器で演奏を続けていると、怪我をしてしまう可能性があります。もし楽器の状態に問題があれば駒の調整や修理をおすすめします。
さいごに
『明日のためのレッスンノート』今週は、初心者講習会で必ず伝える!ここで差がつくコントラバスの左手の基礎をお伝えしてきました。
この左手の基礎を身につけられるかどうかが今後、大きく差がつくポイントであり、コントラバスを始めた人たちが乗り越えるひとつの壁でもあります。
吹奏楽の楽器講習会で必ず受講生達に伝える内容であり、僕たちコントラバス奏者も自分の先生達から教わってきた、大切なポイントです。
これまで、弦を握って押さえてしまっていた人も、遅くありません!
ぜひ、左手の正しいフォームと指番号を覚えて、いつもの練習に役立ててください。
パートの基礎練習、基礎合奏の時間に意識する習慣をつけていけば、大きな変化があると思います。
次回!『明日のためのレッスンノート』は、左手を徹底的に鍛えるトレーニングを紹介します。
次のレッスンまでに、左手の正しい形と指番号を覚えておいてくださいね。