千葉県に住むハタチ+9歳の音楽家。ブログやTwitterの持つ力ってすごいと感じたコントラバス奏者の井口信之輔です。
さて、今日ははじめて自分で企画した子ども向けコンサートの本番でした。ドキドキ!
はじまりはSNS
今回の件は、ブログやTwitterを見てくださっていていた吹奏楽部の保護者の方からのご依頼を受けたことがはじまりでした。生徒を通じて相談を受け「ならば!」と即決しその後、児童館に行き打合せ。その児童館ではしばらく音楽行事は開催されていなかったようで、僕も自分の手札をいろいろ持って行き何がベストかお話を聞きながら考えていました。
そして、楽器紹介を含めたミニコンサートと普段体験できないような「目と耳と手」で音楽に触れ合うワークショップに決まり、今回はいつも各地の児童館を回って公演している仲間でもあるチェロ奏者・加藤菜生さんに声をかけ、児童館の方々の協力のもと運営協議会共催事業としてチェロとコントラバスのデュオコンサートを開催することとなりました。
ちいさなまちのおんがくかい
今回のタイトルは、ちいさなまちのおんがくかい。
神奈川県のある街の、みんなが集まる場所で開かれる小さなコンサート。
「楽器に触れるってさ!何か面白そうなのあるからいってみよーぜ!」そんな気持ちで来られるようなコンサートにしたいと思いました。
一緒に歌ったり、恋ダンスを踊ったり。実際に楽器に触って音を出したり。児童館の先生方の協力で約30人を超えるたくさんの子供達が聴きに来てくれました。
館長さんをはじめ、児童館の方々、本当にたくさんのお力を貸していただきありがとうございました。
知らなかった楽器の名前を知る、そして触れてみる
「この楽器知ってる人ーーーーーー!」
子供達に呼びかけてみると出てくる言葉は様々。そう、わからなくていいんです!
わかって答えてくれたら嬉しいけど、知らないからこそ知ってみると面白いし、子供達の中にある「へぇー!」をたくさん引き出せるとコンサートも盛り上がります。
チェロとコントラバスのお話をして楽器の名前を覚えてもらう。楽器の名前を覚えたら音を聴いて、音が出ている時に楽器はどうなっているのか触れて感じてみる。
元気いっぱいの男の子に代表でコントラバスに触れてもらいます。
コントラバスの背中から男の子に伝わる振動にビックリ!目で見て耳で聴いて、そして手で触れてみるともっと音楽が楽しくなります。
絵本を読んでいるような気持ちで聴いてみよう!
大人も子供も知っていて、コントラバスにお似合いの曲は大きな古時計。
今回は歌詞を音で表現してみようというコーナーにしました。
大きなのっぽの古時計、おじいさんの時計
1番の歌詞は現代。絵本を読み聞かせているようなイメージ。
昔々、あるところにね。大きな大きな、それは古〜い時計があったんだって。
2番の歌詞は過去のお話。時計の針がチクタクと進むと時代は過去へと戻ります。
綺麗な花嫁やってきた、その日も動いてた
おじいさんが、きっと一番幸せだった頃かな?チェロの明るい音が加わります。
そしてチクタクと時は流れ3番の歌詞は悲しいお話。
お別れの時が来たのを、皆に教えたのさ
おじいさんが天国に行ってしまうお話。チェロは弦を指で弾く(はじく)ピッチカートという奏法でしんみりとした伴奏に変わり、お別れの時が知らされます。
と、弾く方は難しいですが。笑 色々な演奏方法を知ってもらうのに面白いかなとストーリー仕立てにしてみました。
初めて見る楽器たちとの出会いが楽しいものでありますように
なんとなくテレビで見た楽器。名前は知らないけれど、でっかいヴァイオリン!そんな楽器たちとの出会いが楽しいものであれば、きっと音楽に興味を持ってくれるかな?
Twitterでも度々出てくる「クラシックの敷居は高いか論」
個人的には「クラシック音楽は敷居の高いもの」で良いと思っています。
確かに知らなければとっつきにくいし、眠くなる。長いし退屈かもしれません。堅苦しいかもしれないし。でもその壁を超えるきっかけがあって、その魅力を知ればその先には長い歴史の中で多くの音楽家によって演奏され続けていた素晴らしい作品がたくさんあります。
高いと思ってた壁を越えられたからこそ感じる喜びってあると思うんです。
だから、クラシック音楽の敷居を下げるのではなくて玄関口を広く開けることが大切なのでは?と感じています。だから、児童館のコンサートは面白い。
「目で見て、耳で聴いて、手で触れて」何かを感じてお家に帰ってくれたら嬉しいです。
だからこそ、クラシック音楽の玄関口を広く開けて待っていたいと思います。
楽しい音楽の世界へようこそ!って感じで。