明日のためのレッスンノート(vol.10)
吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って更新している『明日のためのレッスンノート』先週は、コントラバスの運指表に基づいた、12のポジションの解説をテーマに話を進めてきました。
今週からは、コントラバスの運指表に基づいた12のポジションをより詳しく見ていきましょう。
これから春に向けて毎週ポジションを1つずつクリアしていくことを目標とし、12通りあるポジションをマスターしていきます。
さあ、伝える練習をはじめよう!
各ポジションをマスターする基準は「誰かに伝えられること」
- このポジションは◯◯というポジションで、音の並びはこう
- ポイントは◯◯で、このポジションを覚えたら◯調のスケールが弾けるよ!
こんな感じで、未来の後輩や友達を相手に「伝える練習」をしてみてください。
パートに自分しかいないあなたは、自分が自分にレッスンをするようなイメージです。
はじめは難しいかもしれませんが、常に誰かに伝えることを想定して練習に取り組むことで、突然パート練習の仕切りを頼まれたり、セクション練習をまとめることになったときにも役に立ちます。
この機会に「伝える習慣」をつけていってくださいね。
コントラバスの12のポジションより「ハーフポジション」
コントラバスの運指表に基づいた12のポジション。
まずはすべての基本となるハーフポジションを覚えていきましょう。
ハーフポジションとは
コントラバスの教則本で、開放弦の音を覚えたら、まず最初に覚えるポジションとして解説されていることが多く、これからポジションを覚えていくにあたりすべての基礎となるポジションとも言われています。
各弦の音の並びは
- G線(ソ)…ソ♯(ラ♭)→ラ→シ♭(ラ♯)
- D線(レ)…ミ♭(レ♯)→ミ→ファ
- A線(ラ)…シ♭(ラ♯)→シ→ド
- E線(ミ)…ファ→ファ♯(ソ♭)→ソ
となるので、開放弦の音から階段をひとつ登ったイメージです。
ハーフポジションメトロノームは少し遅めの44〜に設定してあります。
左手の形を崩さず、弓と弦が直角になっているかを確認して弾いてみましょう!
- まずは元気よく音を出す
- 次は弓を全部使って弾いてみる
- 今度は二分音符は半弓(1/2)全音符は全弓
いろいろと工夫して弾いてみよう。
ハーフポジションのここが難しい!
開放弦の音を覚えたら、最初に覚えるポジションとして扱われていますが、12のポジションの中で音と音の間隔が一番広く、指をしっかりと開いて弦を押さえる必要があるため、はじめは左手の形をキープするのが大変なポジションでもあります。
初心者あるある「指の形が崩れちゃう」
ハーフポジションをしばらく押さえていると、指が疲れてきて各指の間隔が狭くなったり、2と3の指が開いてしまったりすることがあります。
音程が揺らぐ原因となるので、慣れるまでは大変ですが左手の形をキープすることを目標に練習していきましょう。
ハーフポジションで弾けるスケール
ハーフポジションを覚えたら、全調スケールの楽譜を使って
- B-dur(変ロ長調)
- F-dur(ヘ長調)
を弾くことができます。
以前に、ポジションは知識と身体で覚えると書きました。
すでに2つの調を練習しているあなたも、ハーフポジションの音の並びを知識として覚えた上で、もう一度練習してみましょう。
おわりに
『明日のためのレッスンノート』今週は、コントラバスの運指表に基づいた12のポジションより「ハーフポジション」をテーマに進めてきました。
12通りもあるポジションも、毎週1つずつ覚えていけば確実に身についていくと思います。
普段の合奏曲ではたくさんの音がでてきますが、ポジションが進んでいくと「この音はこっちの弦でとったほうが弾きやすいな」という発見があったり「ここの音はこの指のほうが押さえやすいな、弾きやすいな」とひらめくことがあります。
こうしたときは、あなたが成長した証拠。
おめでとう!
こうした小さな成功体験があなたを成長させてくれます。
さて、次回『明日のためのレッスンノート』は、ハーフポジションからひとつ進んだ第1ポジション(ファーストポジション)を覚えることを目標として進んでいきます。
各ポジションを知識と身体で覚え、ポジションの縦の関係と横の関係を理解し、ステップアップしていきましょう。
それでは、また!
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