明日のためのレッスンノート(vol.25)
こんにちは!コントラバス奏者の井口信之輔です。
吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って毎週更新している『明日のためのレッスンノート』
コントラバスの運指表に基づいた12のポジションは今週が最後となりました。
前回のレッスンノートで覚えた左手の形で一つポジションが進み、これでオーケストラや吹奏楽でコントラバスを弾くために知っておきたい運指を全てマスターしたことになります。
高い音域の押さえ方(1-2-3)には慣れてきましたか?
慣れるまの時間には個人差がありますが、左手の基礎を学んだ頃を思い出し、練習を重ねていってください。
まず、先週覚えた第6と第7の中間ポジションを復習したい人はこちら↓
明日のためのレッスンノートでは、毎週ポジションを1つずつクリアしていくことを目標とし、全部で12のポジションをマスターしていきます。
今週は、また音の階段をひとつ登って新しいポジション『第7ポジション』へと進みます。
ここまでよく頑張ってきました。
最後のポジションを順しっかりと覚え、知識として頭に入れ、練習を重ねて、より良いバスを弾けるようになってくださいね。
第25回明日のためのレッスンノート、今週も今日よりもちょっと良い明日に向けて、レッスンノートを開いていきましょう!
コントラバスの12のポジション〜第7ポジションとは?
コントラバスの運指表に基づいた12のポジション。
今回マスターするポジションは第7ポジション
コントラバスの運指表に基づいた12のポジション、最後のポジションです。
まずは、第7ポジションの音列を覚えていきましょう。
- まめ知識
親指は楽器の側面、手のひらは楽器の肩へ。肘は少し上げておくと安定して押さえられます。
ポジションの形を鏡で確認しながら練習するとGood!
前回に続き、吹奏楽作品で主に使用するのはG線(たまにD線)で、A線とE線はほとんど使用することはありません。
- G線(ソ)…→ソ(ソ)→ラ♭(ソ♯)→ラ(ラ)
- D線(レ)…レ(レ)→ミ♭(レ♯)→ミ(ミ)
- A線(ラ)…ラ(ラ)→シ♭(ラ♯)→シ(シ)
手のひらは楽器の肩側へ
第7ポジションの押さえているとき、手のひらは楽器の肩側へ位置します。
各指は指の先が潰れてしまうことなく押さえ、肘の位置が下がらないように気をつけると良いでしょう。
復習しておこう!新しいポジションを押さえる3つのコツ
第6ポジションから弦の押さえ方が変わり、今まで小指(4)の補助として使われていた3の指(薬指)が登場しました。
慣れるまの時間には個人差がありますが、ここでもう一度、弦の押さえ方を復習しましょう。
親指の位置を理解する
第6ポジション、第6と第7の中間ポジションを押さえる親指の位置は、手の大きさによってネックの付け根、または楽器(ネック)側面に位置するようになりました。
第7ポジションでは、もう親指は楽器(ネック)の側面に位置することになります。
前回のポジションより音域も半音上がり、押さえる位置は半音下に下がるので、親指の位置と1の指の距離はより広くなります。
この、指を開いたときの幅を覚えておくことが、良い音程を取るために大切なポイントです。
慣れないうちはポジションマークを鉛筆で付ける
左手の形(1-2-3)に慣れるまでは、各音の位置をチューナーで確認し、濃い鉛筆でポジションマークを付けてると、どこを押さえたら良いかわかりやすくなります。
第6ポジションから第7ポジション全ての音をマークしてしまうと、逆にわかりにくくなってしまうので、慣れないうちはG線であればファ、ソ、ラにマーキング。
鉛筆で描いたマークは弾いていると自然と消えるので、ポジションマークが消えてきたら今度はソ(G)の音のみマーキングし練習してみると良いででしょう。
最終的には、マークした場所を頼りに音程を取るのではなく、ポジション感覚と耳でとっていきましょう。
僕は目安として今もG線のソ(G)の音の場所にマーキングをしています。
自分の楽器を知ること
この音域になると、1-2-3の形で押さえるポジションの
- 親指の位置
- 各指の間隔、幅
は演奏している楽器によって大きく違いがあります。
高音域のポジションに慣れていくと同時に、自分の楽器の大きさ、肩の張り具合をしっかりと理解していけるとよりポジションの習得は早くなります。
前回もお話したことですが、頭に入れておきたい大切なポイントです。
ソロ曲に挑戦しよう!
全ての基礎となるハーフポジションから始まり、毎週コツコツと練習を重ね第7ポジションまで進んできたあなたは、コントラバスの運指表に基づいた12のポジションを全てマスターすることができました。
さて、この音域まで弾けるようになってくると、ワンランク上のソロの曲にも挑戦できます。
全国のソロコンテストでコントラバス奏者が演奏してきた曲はたくさんありますが、この音域まで頑張って練習をしてきてくれたあなたにおすすめしたい曲が2つあります。
- A.カプッツィ/コントラバス協奏曲 ニ長調
- B.マルチェロ/コントラバスとピアノのための6つのソナタ
どちらもコントラバスの深い音の魅力をたっぷりと味わえる曲。
カプッツィの協奏曲は、さらに音が上がったシ(H)の音が最後に出てきますが、ここまでポジションをマスターしたあなたなら、きっと弾けるはず。
また、少し弦の押さえ方が変わりますがこのブログでも今後紹介していく予定です。
ぜひ、チャレンジしてみてください。
https://chigu-i.blue/?p=1839
ポジションを覚える流れはこれまでと同じ!
ポジションの覚え方はこれまでと同じです。
各弦での音の並びを確実に覚えていき、全長スケールの楽譜を使ってあなたが弾けるポジションのスケールを見つけて積極的に取り組んでいってください。
おわりに
明日のためのレッスンノート、今週はコントラバスの運指表に基づいた12のポジションより『第7ポジション』の解説をしてきました。
これで、コントラバスの運指表に基づいた12のポジションの解説は全て終了となります。
ここまで一緒に頑張ってきてくれて、ありがとうございました。
この音域まで弾けるようになれば、オーケストラや吹奏楽に出てくる曲のほとんどを弾くことができます。
試しに、2017年度の課題曲やコンクールの自由曲で音が高くて難しいと思ったところを弾いてみてください。
どうですか?
きっと、以前より高いポジションに指を運びやすくなり、演奏しやすくなっているかと思います。
もし、そう感じることができたらあなたが成長した何よりの証拠です。
コントラバスを弾くために知っておきたいポジションの基礎を知識と体で覚え、4月になったら新しく入ってきた後輩に自信を持って教えてあげてください。
良い音程、良い音楽は徹底された基礎練習の元にあると思います。
ポジションを全てマスターするまで地道な練習が続きましたが、良い基礎を、良いコントラバスパートの伝統として次の世代に伝えていってください。
さて、次回の『明日のためのレッスンノート』は新入部員が入ってくる前に、やっておきたい楽器の状態チェックのお話です。
楽器の状態チェックリストを使って、新しく入ってくる仲間の楽器の状態をチェックしましょう。
コントラバスの運指表に基づいた12のポジション。
よく頑張りました!
https://twitter.com/igu_shin/status/951474773929861120
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