千葉県に住むハタチ+9歳の音楽家、満席だった特急のデッキに立って誰もいないからミラーで変顔をして遊んでいたら車内検札とバッタリ!コントラバス奏者の井口信之輔です。
今日は年に何度かに行く学校でレッスンをしていました。様々な学校のお話を聞くとこの時期は定期演奏会に向けた練習、新年度に向けた準備。早い学校ではコンクールの選曲をしたりしているようです。
僕が定期的にお付き合いさせていただいている学校には「吹奏楽部でコントラバスを弾くために知っておきたい、いくつかのこと」という自作の教則本を渡しているのですが、その中にある楽器の状態チェックリストを使った楽器点検のすすめをお話したいと思います。
楽器状態をチェックしよう!
部活動における楽器の保管状況は各校様々です。また環境も住んでいる地域や学校で大きく違うので気候によっても楽器の状態は変化するでしょう。特に弦楽器は乾燥や湿度にとても敏感です。
この時期は乾燥による楽器の「割れ」が発生します。僕も保湿剤であるダンピットを使用しています。
また、湿度が高くなる季節は楽器の接合部分に発生する「剥がれ」にも注意が必要です。
その他にも、エンドピンのゴムはあるか、穴が空いていないかチューニングペグはちゃんと回るか。
駒や弦の状態も確認しておきたいことろです。特にしばらく演奏されていなかったコントラバスを演奏する時に、古びた弦にささくれができていたら手を切ってしまう恐れがあります。
4月に新しい仲間を迎える前に、楽器の状態をチェックしてみてはいかがでしょうか。
車の定期点検から得たヒント
このチェックリストを作ったのは今から3〜4年前だと記憶しています。使い方も試行錯誤していましたが最近は、定期的に生徒と一緒に状態を目視&解説を加えながらチェックをするように心がけるようにしています。
車検の見積もりを出していて気づいたこと
このように「目視&解説」という時間のかかる作業をレッスンの中に取り入れたきっかけは車検でした。僕は2年前に車を購入し昨年の夏にはじめて 車検 がありました。「車検は高い」というイメージがあったので初心者の僕はディーラーや近所の整備工場、車検専門業者など様々なところへ出かけ見積もりを出していました。
嬉しかった初心者目線の解説
何店かで見積もりを出すと、この車のどこに改善すべき点があってどのパーツはまだ大丈夫かがわかってきました。時には交換したばかりのバッテリーを「要交換です」と言われたりしましたが、最終的に車検をお願いした整備工場の整備士さんが初心者相手にとてもわかりやすく、問題点を指摘してくれました。
「現状・説明・対策」を一つ一つ、一緒にライトを照らして車のいろいろな部分を丁寧に説明してくれました。車に慣れている人なら「当たり前」のようなことも何も知らない僕はとても安心し、予算より少しオーバーしてしまいましたがこの人がいるならとそこで車検を依頼することにしました。
点検項目にワンポイントアドバイス、今後の改善策が書かれたリストを見て
これ、レッスンに活かせるぞと思い今まで使っていた楽器の状態チェックリストの使い方を変えてみました。
生徒と一緒に楽器の状態を確認してみる
僕は楽器の状態チェックリストを使用し、一つ一つ解説を加えながら生徒と一緒にチェックしています。具体的なやり方はレッスンの時間と各校で異なりますが整備士さんから学んだ「目視&解説」は必須としています。
僕らにとって当たり前な話も、当たり前じゃないことがよくあると思いなるべくわかりやすく解説するようにしています。もちろん、僕自身もまだまだ抜けていることもたくさんあるでしょう。つい専門的な言葉を使ってしまわないように心がけています。
時間はかかりますが、レッスン回数の少ない学校は生徒自身が楽器の状態をチェックできるようになれば気候や環境によって起きたものなのか、事故で起きてしまったものなのかの判断材料にもあると思います。
とくに、割れや剥がれは「楽器が壊れてしまった」と相談を受けることもあるので「怒られたらどうしよう…」ということから報告しにくいといった例もありました。大切なのは今後の改善策を考えることなので、この時期はこうなりやすいといった「知識」は生徒、先生の間でなんとなくでも持っておけたら良いかなと考えています。
そして何より、こうした知識は無駄にならないと思うのでよりよい演奏をするためにも自分の楽器の状態をチェックする、新しく入ってくる仲間を迎えるにあたってなるべくよい状態で楽器を渡せるように、こういう時間があっても良いんじゃないかと思いました。そして、修理を出してより専門亭なアドバイスをもらった時は、ぜひその新しい知識を自分の中に上書き保存していけたら良いのではないでしょうか。