明日のためのレッスンノート(vol.12)
吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って更新している『明日のためのレッスンノート』先週は、コントラバスの運指表に基づいた12のポジションより、第1ポジション(ファーストポジション)の解説をテーマに話を進めてきました。
第1ポジションをマスターすると全調スケールの楽譜を使って弾ける調も増えてきましたね。
各ポジションの音の並びを知識として覚え、いろいろなスケールを練習してポジション感覚を身体で覚え、毎週新しいポジションをマスターしていきましょう。
今週は、また音の階段をひとつ登って第2ポジションへと進みます。
そして、第2ポジションの練習をしているとひとつ「発見」があると思います。
一体なんのことでしょう?
今わからないと思った人も、今週のレッスンノートを読み終えた頃には「なるほど!」
と知識がひとつ増えていることでしょう。
音楽を表現する幅も、広がるかもしれませんね。
コントラバスの12のポジション〜第2ポジションとは?
コントラバスの運指表に基づいた12のポジション。
今週は第1ポジションから、音の階段をまたひとつ登って第2ポジションです。
まずは、ポジションの音列を覚えていきましょう。
- G線(ソ)…→シ♭(ラ♯)→シ→ド
- D線(レ)…ファ→ファ♯(ソ♭)→ソ
- A線(ラ)…ド→ド♯(レ♭)→レ
- E線(ミ)…ソ→ソ♯(ラ♭)→ラ
※楽譜の表記と違いますが、出る音は同じです。
第2ポジションこの記号はなに?「ダブルシャープ」を覚えよう
各弦で第2ポジションの音を出してみると、これまで登場してこなかった記号が出てくるのに気がつきましたか?
この記号は「ダブルシャープ」と呼ばれるものです。
楽譜には「×」のような記号で書かれ「#︎で半音上げた音をさらに半音上げる」という役割があります。
たとえば「ファ」の音にシャープ(♯)が付けば半音上がり「ファ♯」となり、ダブルシャープ(×)がつけば、さらに半音上がり「ソ」と同じ音になります。
吹奏楽作品の中にも使われることがある記号です。
また、フラットを2つ書き半音下げた音をさらに半音下げる「ダブルフラット(♭♭)」という記号もあるので、一緒に覚えておいてくださいね。
各弦に隠された開放弦と同じ音
第2ポジションを弾いて、何か気がついたことがありませんか?
G線を除いた各弦に、開放弦で出せる音が含まれているのがわかると思います。
- G線の開放弦の音(ソ)→D線の第2ポジションのソ
- D線の開放弦の音(レ)→A線の第2ポジションのレ
- A線の開放弦の音(ラ)→E線の第2ポジションのラ
それぞれ4の指で押さえる音です。
この開放弦と同じ音が出せるというのは、第2ポジションをマスターするときに必ず覚えておきたい知識です。
次は、音のキャラクターの違いを見てみましょう。
音色の違いを聞き分けよう!
第2ポジションまで覚えると、開放弦の音と同じ音が弦を押さえても出せます。
では、この音に違いはあるのでしょうか?
開放弦と、押さえた音の特徴をまとめていきましょう。
- 開放弦
開放弦は弦の指で押さえない状態なため、指で弦を押さえた状態とは音色が異なります。
弦を押さえている状態よりも音が大きくなり目立つので、僕は「音が開く、開放的になる」という表現をしています。
意図的に使用する場合もあれば、その音色を避けることもあります。
- 指で押さえた弦
開放弦よりも、柔らかい、太い音がします。
弦が太くなるにつれ、音がこもることもありますが、極端に言えば、開放弦とは対照的なキャラクターと考えて良いかもしれません。
ひとつのフレーズがあって、途中で開放弦を使用するとその音だけ目立ってしまうことがあります。そういう場面では開放弦の音を使わず、弦を押さえて音を出します。
そうすることによって、フレージングが滑らかになり音色も統一されます。
将来、ヴィヴラートをかけて演奏するためにも知っておきたい知識なので、しっかりと身につけて音楽表現の幅を広げていってください。
おわりに
『明日のためのレッスンノート』今週は、コントラバスの運指表に基づいた12のポジションより「第2ポジション」の解説をしてきました。
ここまで読んで、冒頭でお話しした「発見」が何だったかわかりましたか?
「各弦に隠された開放弦と同じ音」の意味を理解して、ノートを閉じていただけたら嬉しいです。
早速、開放弦と押さえた弦の音色の違いを日々の練習で試してみてください。
次回『明日のためのレッスンノート』は第2と第3の中間ポジションへと進んでいきます。
寒い日が続きますので、身体に気をつけて練習頑張ってくださいね。
それでは、また。
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