明日のためのレッスンノート(vol.23)
吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って毎週更新『明日のためのレッスンノート』
コントラバスの運指表に基づいた12のポジションは今週が最後となりました。
前回のレッスンノートで覚えた左手の形で一つポジションが進み、これでオーケストラや吹奏楽でコントラバスを弾くために知っておきたい運指を全てマスターしたことになります。
ここまでよく頑張ってきました。
高い音域の押さえ方(1-2-3)には慣れてきましたか?
慣れるまの時間には個人差がありますが、左手の基礎を学んだ頃を思い出し、練習を重ねていってくださいね。
最後のポジションも音の並びを知識として頭に入れ、練習を重ねて、より良いバスを弾けるようになってください。
目次
コントラバスの12のポジション〜第7ポジションとは?
コントラバスの運指表に基づいた12のポジション。
今回マスターするポジションは「第7ポジション」
コントラバスの運指表に基づいた12のポジション、最後のポジションです。
まずは、第7ポジションの音列を覚えていきましょう。
- まめ知識
親指は楽器の側面、手のひらは楽器の肩へ。肘は少し上げておくと安定して押さえられます。
ポジションの形を鏡で確認しながら練習するとGood!
前回に続き、吹奏楽作品で主に使用するのはG線(たまにD線)で、A線とE線はほとんど使用することはありません。
- G線(ソ)…→ソ(ソ)→ラ♭(ソ♯)→ラ(ラ)
- D線(レ)…レ(レ)→ミ♭(レ♯)→ミ(ミ)
- A線(ラ)…ラ(ラ)→シ♭(ラ♯)→シ(シ)
手のひらは楽器の肩側へ
第7ポジションの押さえるとき、手のひらは楽器の肩側へ。
各指は指の先が潰れてしまうことなく押さえ、肘の位置が下がらないように気をつけると良いでしょう。
復習しておこう!新しいポジションを押さえる3つのコツ
第6ポジションから弦の押さえ方が変わり、今まで小指(4)の補助として使われていた3の指(薬指)が登場しました。
慣れるまの時間には個人差がありますが、ここでもう一度、弦の押さえ方を復習しましょう。
親指の位置を理解する
第6ポジション、第6と第7の中間ポジションを押さえる親指の位置は「手の大きさによってネックの付け根、または楽器(ネック)側面に位置する」ようになりました。
第7ポジションでは、もう親指は楽器(ネック)の側面に位置することになります。
前回のポジションより音域も半音上がり、押さえる位置は半音下に下がるので、親指の位置と1の指の距離はより広くなります。
この「指を開いたときの幅を覚えておく」ことが、良い音程を取るために大切なポイントです。
慣れないうちはポジションマークを鉛筆で付ける
左手の形(1-2-3)に慣れるまでは、各音の位置をチューナーで確認し、濃い鉛筆でポジションマークを付けてると、どこを押さえたら良いかわかりやすくなります。
第6ポジションから第7ポジション全ての音をマークしてしまうと、逆にわかりにくくなってしまうので、慣れないうちはG線であれば「ファ、ソ、ラ」にマーキング。
鉛筆で描いたマークは弾いていると自然と消えるので、ポジションマークが消えてきたら今度はソ(G)の音のみマーキングし練習してみると良いででしょう。
最終的には、マークした場所を頼りに音程を取るのではなく、ポジション感覚と耳でとっていきましょう。
僕は目安として今もG線のソ(G)の音の場所にマーキングをしています。
自分の楽器を知ること
この音域になると、1-2-3の形で押さえるポジションの
- 親指の位置
- 各指の間隔、幅
は演奏している楽器によって大きく違いがあります。
高音域のポジションに慣れていくと同時に、自分の楽器の大きさ、肩の張り具合をしっかりと理解していけるとよりポジションの習得は早くなります。
前回もお話したことですが、頭に入れておきたい大切なポイントです。
ソロ曲に挑戦しよう!
全ての基礎となるハーフポジションから始まり、毎週コツコツと練習を重ね第7ポジションまで進んできたあなたは、コントラバスの運指表に基づいた12のポジションを全てマスターすることができました。
さて、この音域まで弾けるようになってくると、演奏できるソロ曲の数も増えてくるでしょう。
全国のソロコンテストでコントラバス奏者が演奏してきた曲はたくさんありますが、この音域まで頑張って練習をしてきてくれたキミにおすすめしたい曲は2つ。
- A.カプッツィ/コントラバス協奏曲 ニ長調
- B.マルチェロ/コントラバスとピアノのための6つのソナタ
どちらもコントラバスの深い音の魅力をたっぷりと味わえる曲。
カプッツィの協奏曲は、さらに音が上がったシ(H)の音が最後に出てきますが、ここまでポジションをマスターしたあなたなら、きっと弾けるはず。
また、少し弦の押さえ方が変わりますがこのブログでも今後紹介していく予定です。
ぜひ、チャレンジしてみてください。
ポジションを覚える流れはこれまでと同じ!
ポジションの覚え方はこれまでと同じです。
各弦での音の並びを確実に覚えていき、全長スケールの楽譜を使って自分が弾けるポジションのスケールを見つけて積極的に取り組んでいってください。
おわりに
明日のためのレッスンノート、今週はコントラバスの運指表に基づいた12のポジションより「第7ポジション」の解説をしてきました。
これで、コントラバスの運指表に基づいた12のポジションの解説は全て終了となります。
ここまで一緒に頑張ってきてくれて、ありがとうございました。
「第7ポジション」の音域まで弾けるようになれば、オーケストラや吹奏楽に出てくる曲のほとんどを弾くことができます。
試しに、これまで練習してきた曲で「音が高くて難しいと思ったところ」を弾いてみてください。
どうですか?
きっと、以前より高いポジションに指を運びやすくなり、演奏しやすくなっているかと思います。
もし、そう感じることができたらこの半年間で成長した何よりの証拠です。
コントラバスを弾くために知っておきたいポジションの基礎を知識と体で覚え、4月になったら新しく入ってきた後輩に自信を持って教えてあげてください。
良い音程、良い音楽は徹底された基礎練習の元にあると思います。
ポジションを全てマスターするまで地道な練習が続きましたが、良い基礎を、良いコントラバスパートの伝統として次の世代に伝えていってくださいね。
僕は、パートは自分一人だけ、遠方に住んでいて周りにコントラバスを教えてくれる人がいないという環境でコントラバスを弾いている人たちを、応援しています。
さて、次回の『明日のためのレッスンノート』は部活動ガイドラインと「練習の効率化」をテーマにお話をしていく予定です。
コントラバスの運指表に基づいた12のポジション。
よく頑張りました!
「レッスンを、もっと身近に。」
をテーマにコントラバスのオンラインレッスンを始めました。
インターネットを使ったビデオ通話で行う30〜45分ほどのレッスンで、一つの課題をクリアしていくことを目標としています。
今後は、昨年好評だった「中高生のためのコントラバス・ワークショップ」で開催した座学「新入部員がやってくる!でもその前に」でお話しした内容をオンラインで伝えられるような、楽器がなくてもその場で学べるオンライン・ワークショップも企画しています。
興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。
遠方に住んでいて周りにコントラバスを習う環境がない、一度レッスンを受けてみたいという方に向けて、インターネットを使ったコントラバスのオンラインレッスンをはじめました!
詳しくはブログにて!お気軽にお問い合わせください✉️ pic.twitter.com/ln2RRQ6gt1
— 井口 信之輔 / コントラバス (@igu_shin) February 1, 2019