新入生歓迎演奏があったり、仮入部が始まったと思えば各地で課題曲クリニックが開催されたり、コンクールの選曲に入った学校もあったりとアツい夏に向けての準備が始まりつつありますね。
TwitterでもDMで課題曲の練習方法などの相談を受けたりすることが多くなり、中にはコントラバスを弾き始めて数ヶ月ですが、パートに自分しかいない、周りに教えてくれる人がいないという人もいました。
さて、DMで課題曲の相談をしてきてくる人がいるということは、他にも悩んでいる人がいるんじゃね?と思ったので相談を受けた内容をベースに各曲のちょっとしたポイントを解説してみようかと思います。
マーチ・シャイニング・ロード(冒頭〜Cまで)
冒頭
頭から2小節間は(ダウン ダウン〜アップ アップ)で弾くと楽譜に書かれたニュアンスが出しやすいですが、難しい場合は弓順でもOK!
3小節は(ダウン ダウン)と続き2拍目裏のくさび型アクセントを強調して、もう一度ダウン で四分音符を弾いて最後はアップという感じ。
4小節目は弓順または(ダウン ダウン)←この場合は次の八分音符2つをアップ アップ〜弓順で。
Aからしばらくはそのまま弓順で進めるでしょう。13小節目からはアクセントの音符をダウンで弾けると良し。そのために12小節目は4拍目を(ダウン アップ)で弾けるように前を調節してみましょう。
C〜Trioまで
第二マーチの始まり(Cのアウフタクト22小節4拍目)を(ダウン アップ)で弾きなおしテーマをカッコよく決めよう!24小節目の4拍目は(ダウン アップ)と弾きなおすか(アップ アップ)で弾いてみます。付点のリズムはベタ弾きにならないように!弾み(はず)がつくと良し。
その後はこれまでを参考に弾いてみよう!
Trio〜Iまで
弓順で進んでEでもう一度(ダウン)
その後は
- 弓順で進むパターン
- 四分音符を(アップ アップ)と弾くパターン
2パターンに分かれると思います。
どちらでも良いと思いますがTrio全般を通してGの音を開放弦で弾いてしまうと、その音だけ鳴ってしまったり音色の差が目立ってしまうことがあるので、可能であればD線でGを押さえたほうが良いかもしれません。
開放弦は意図的に利用したり、前後の音色を考えて回避できると良し。
長い音価を持つときにもカウントを忘れずに、Trioはシンコペーションの動きを持っているチームとうまくアンサンブルができるとカッコよく決まると思います。
また、豊かな響きで周りを包み込むピッチカート(pizz)は弦楽器ならではの奏法です。少し大きめの音量で弾いてみても良いと思います。シチューの隠し味のようなイメージです。
48小節目(Fの1小節前)は(ダウン ダウン〜弓順でラソファ)
Gの1小節前(56小節)は2拍目をアップで弾き、パートに2人以上いる場合は56小節を最後まで、またはGの頭の音までをarcoで弾く人、pizzから入る人と分けても良いと思います。
Iの前も同じ。吹奏楽の楽譜によく出てきますが、arcoとpizzの持ち替えが間に合わない場合はパートでどちらかが最後まで弾き、もう一人がpizzから入ります。
一人しかいない場合は72小節1拍目までをpizz弾き、音を2つ休んでarcoから入るなど工夫してみましょう。
I~Lまで
長い音符は一弓で弾くと持たなくなってしまうので途中で弓を返すと良いでしょう。
どこかで(アップ)にして、八分音符をもう一度(アップ)から元気よく弾きます。
78〜79小節は(ダウン ダウン)と始められますが弓順でもスムーズに弾けるでしょう。
J〜は自分が足踏みをして行進をしているようなイメージで、これまでのボウイングを参考に音楽を進めていきます。音域もそこまで高くないので左手の形に注意して弾いてみましょう。
L〜ラスト
96小節〜L〜98小節は弓順でも弾けますが、一つの考え方として
96小節(ダウン ダウン アップ〜)
97小節(ダウン アップ 八分休符を挟んでもう一度アップ)
などと工夫してみても良いでしょう。他にもいくつかパターンがあると思うので周りの吹き方に合わせて工夫してみましょう。音の跳躍がるときは音と音の間に音がいくつあるかを考えて練習してみよう!
同じく100小節目を(ダウン ダウン)として101小節目からを弓順にしてみると意外と弾きやすかったりします。この辺りは悩む人も多いかもしれません。
冒頭の4小節目と合わせて考えても良いですし、弓順で弾いてMから2小節を(ダウン ダウン アップ〜)としても良いでしょう。103小節目も弓順で進む、またはいくつかボウイングが考えられます。
このMから2小節間はこの曲の中で一番音が飛ぶ箇所です。
はじめのミ♭はD線、その後の[シ♭ ミ♭ レ♭]はシ♭をD線、後ろの二つはG線で押さえると楽でしょう。フィンガリングは4-4-1、全て同じポジションです。102小節も同じです。
マーチ・シャイニング・ロードまとめ
M前後を除いて音域的にはそこまで高くないと思います。日々の基礎練習や基礎合奏で取り組んでいる曲を色々なフィンガリングで練習しておくと良いかもしれません。
例えばB-durのスケールは、ハーフポジションで押さえられるフィンガリングの他にもD線で上行していくパターンもあります。Mの部分の音程が定まらないという人はポジションの「タテの関係」の他に「ヨコの関係」を覚えておくことが上達への近道かもしれません。
上記の内容をこんな考え方もあるんだなという感じに参考にしていただけたら嬉しいです。
きっと、これから課題曲を扱った特集が雑誌やインターネットで出てくると思いますし、もっと素晴らしい解説がたくさん出てくると思います。僕も楽しみにしています。
色々と目を通して見て、自分が「いいね!」と思ったものを取り入れてみてください。