明日のためのレッスンノート(vol.26)
こんにちは!コントラバス奏者の井口信之輔です。
吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って毎週更新している
『明日のためのレッスンノート』
今週は、4月から先輩になるあなたが「新しい仲間を迎える前に準備しておきたい2つのこと」
をお話しします。
これまでレッスンノートで一緒に学んできたことを復習し、今週は新しい仲間を迎える前に取り組んでおきたい準備をして、4月から胸を張って立派な先輩になってください。
それでは、今週も今日よりちょっと良い明日に向けて、レッスンノートを開いていきましょう。
新しい仲間を迎える前に取り組んでおきたいこと
3月になり、僕の活動拠点となっている千葉県は中高ともに定期演奏会シーズンとなりました。
毎日、どこかで色々な学校が1年間の集大成となる演奏会を開催しており、僕も可能な限りたくさんの学校の演奏会へ足を運びたいと思っています。
そんな、演奏会の準備で忙しい時期ですが、4月になったら新しい仲間がやってきます。
どこかで時間を見つけて、新しい仲間を迎える準備をしてみませんか?
楽器の状態をチェックしよう!
新しく入ってくる後輩が使う予定の楽器、どのような状態ですか?
引退した先輩が使っていた楽器を使う、音楽準備室に眠っている楽器を久しぶりに出すなど、学校によって様々だと思いますが、楽器の状態は1時間もあればチェックできます。
弦楽器は修理に多額の費用がかかる可能性もあるため、楽器の状態に問題があれば最低限の足回り(弦・駒・エンドピン)だけでも修理できるとかなり弾きやすさが違うと思います。
まずは、僕が講習会で使っている楽器の状態チェックリストを使って点検してみましょう。
今回は、各部分でチェックしておきたい場所を抜粋して紹介します。
楽器の状態についてチェックしておきたい項目は3つ
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楽器に「割れ」や「剥がれ」はないか?
弦楽器は木でできているため、湿度による影響を大きく受けるが楽器です。楽器の板が割れていないか、側面が剥がれていないかを一度チェックすると良いでしょう。特に、湿度の高い廊下や空調設備のない準備室などに保管してある楽器に起こるトラブルは接合部運の剥がれが多かったです。
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エンドピンは調整可能か?
コントラバスを構えるとき、楽器の高さは奏者の身長に合わせて調節します。
エンドピンのネジが破損して調整できない楽器、ピンが曲がってしまっている状態、またネジが固くなって調整できない場合は修理が必要です。
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エンドゴムはついているか?
以前に「エンドピンのゴムは外した方が良いですか?」という質問を受けたことがあります。
コントラバスのエンドピンは大きく分けて2種類のタイプがあり、ゴムを外して演奏できるのは先端が尖っていて床に直接刺して演奏できるタイプのみです。
先が丸くなっているエンドピンに滑り止めとして付いているゴムを外すと演奏中に楽器が滑ってしまい危険です。もし、エンドピンのゴムに穴が空いていたり、付いていない場合は近くの楽器店に売っていることもあるので探してみてください。
▽エンドピンについて詳しく知りたいあなたはこちら!
https://chigu-i.blue/?p=720
その弦いつ張り替えた?最低限チェックしておきたポイントはここ!
コントラバスの弦は高価ですが消耗品です。
吹奏楽部でよく耳にするのは「弦は切れたら張り替える」ということ。
コントラバスの弦は高価なのでお気持ちはよーくわかりますが、1〜2年で張り替えるのが理想と言われています。
弦の状態によっては怪我をしてしまうこともあるので、最低限チェックしておきたいポイントを紹介します。
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ささくれや地金が見えていないか
弦を押さえる部分がこのような状態になっていないか、ここだけでもチェックしておきましょう!
指板に手を添えて、上から下へと弦を撫でるように触ってみてください。
何か手に引っかかる部分はありませんか?
もし、このような状態であれば弦を交換した方が良いかもしれません。
実際に見てみないと具体的なアドバイスはできないので、顧問の先生やパート講師の先生に相談してみると良いでしょう。
駒の状態チェックも忘れずに!
最後は駒の状態をチェック。
弦を押さえるのが大変、音程が定まらない、こうした悩みの原因が楽器にある場合、駒の状態に問題あることが多いと感じました。
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弦高は高すぎないか
弦高とは、指板と弦の隙間のこと。弦高は◯◯でなければならないという決まりはありませんが、弦高の高さは楽器の弾きやすさに大きく影響します。
多くの教則本に書かれている目安は
- G線10mm、D線12mm、A線14mm、E線15mm前後
指板の切れ目に定規を当て、各弦までの間を測ってみてください。
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駒に反りがないか、また駒の足は隙間はまくまっすぐ立っているか
駒が上向きに反ってしまったり、駒の足がまっすぐ立っているかもチェックしたいポイント。
弦の張力によって支えられ立っているだけなので、楽器をぶつけてしまい、まっすぐ立っていた駒が左右に動いてしまうことも多くありました。
駒が松ヤニの粉で汚れてしまっているのはよくない例です。俺みたいになるな!笑
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気をつけよう!駒の扱いには十分注意
先ほど書いたように、駒は弦の張力によって支えられています。
なので、駒がズレていると思って弦を緩めて元に戻そうとすると、楽器の中にある魂柱が倒れてしまう危険性があります。
もし、駒がズレていたりした場合は、顧問の先生を通し楽器屋さんに診てもらうことをおすすめします。僕も、レッスンに行った際に多少のズレを直すことはありますが、駒に問題があると感じたら、顧問の先生へ報告し修理または調整をお願いするようにしています。
以上が、新しい仲間を迎える前にチェックしておきた部分です。
こちらは実際にレッスンや講習会で使っている楽器の状態チェックリスト
吹奏楽部用チェックリストもっと詳しく知りたい方は、こちらをプリントしてお使いください!
おわりに
明日のためのレッスンノート、今週は
春になって僕たちが、新しい仲間を迎えるに及んで「今すぐできる、楽器の状態チェックリストを使った楽器の点検」
をお話ししました。
良きコントラバスパートの伝統を作るには、良い下準備からです。
新しい仲間を迎える前に、ぜひ楽器の状態をチェックしてみてください。
さて、吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って10月から書き続けてきた『明日のためのレッスンノート』は来週が最終回となります。
来週のレッスンノートは、これま多くの中高吹奏楽部のコントラバスパートのレッスンに力を入れてきて、秋からレッスンノートを書き続けてきた僕が最後に伝えたいメッセージを書き残し、お別れとしたいと思います。
僕自身がまだまだ未熟なコントラバス奏者であるがゆえに至らぬところも多くありますが、あと1週間、どうぞお付き合いください。
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