日記

毎年「夏」に新しいことを一つやる。吹奏楽指導に熱狂した夏を振り返って。

今年も吹奏楽コンクールに熱狂した夏がひと段落した。

指導校の中には東京都の代表選考会や東関東大会など、これから次の大会を控えている学校もあるからコンクールが終わったわけではない。

だけど、指導者としての僕の仕事はひと段落したのでここで筆をとることにした。

 

毎年「夏」に新しいことを一つやる

ここ数年の夏を振り返ってみると、2015年から毎年夏に新しいことを一つやってきた。

きっかけが何だったかは覚えてないけど、そんな深い意味はなく、思いついたものを行動に移してみただけだろう。

でも、一つだけ覚えてることがある。

「コンクールの時期だけのレッスンじゃできることに限界がある」ってその頃よく耳にしてた言葉、これ何とかならないのかなって思ったからだ。

こうして、この時期から夏を一つの軸として、何かしら思いついたことをやるようにしてきた。


2015年「コンクール終わってから来年度までの課題を作ってみる」

2015年はまだ学校現場の事情も知らず「コンクール前にだけレッスンが集中する」ことに疑問を感じ、何か解決策はないのかと模索していた自分がいた。

その疑問の解決策として、指導校分のクリアファイルを買ってコントラバスの生徒たちに学年が上がるまでに取り組んでいてほしいページをコピーしファイリングして解説だけ自分で書いて最後のレッスンで顧問の先生に夏にお世話になったお礼をしてファイルを渡すというアイディアを思いつき実行した。

楽譜が書けなかったし、教則本も自分で作れなかったからこれが限界だった。


2016年「オリジナルの教則本を作る」

2016年は、楽譜制作ソフトを使えるようにして完全オリジナルの教則本を作った。

「吹奏楽部でコントラバスを弾くために知っておきたい、いくつかのこと」というタイトルをつけ、いつの日か出版することを夢見ていた。

レッスンではこの教材を使うようにして、使いながら手を加えていくと指導校全校に配った。


2017年「教則本の公開」

この頃から吹奏楽部の中高生からコントラバスに関する質問や相談が届くようになった。

こうした質問、というか大半が悩みだったので届いたメッセージ一つ一つに耳を傾けてみると多くはパートが自分一人だけだったり、周りにコントラバスを教えてくれる人がいないという声だった。

この悩みを解決する方法はないかと思いついたのが教則本の公開。

出版を夢見てた教則本の不足部分を書き足して「明日のためのレッスンノート」というタイトルで毎週1記事ずつブログで公開することにした。

夏にアイディアを思いつき、実行に移したのは秋。

7ヶ月間毎週更新して3月に完結。

「ここまでやれば、4月から胸張って先輩になれるぞ!」と言いたかった。


2018年「去年のノートを今の視点で書き直す」

教則本も全部公開しちゃったし、何をやるか迷ってたときに思いついたのがリライト。

公開したレッスンノートを1年経った今の視点で書き直す。

これで書き直せなかったらダメだと思い筆をとってみたらアイキャッチ画像から全然違うものが生まれた。

2017年版は自分の記録として残したいし、きっと今読み直すとまた手を加えたくなる2018年版もこのまま自分の記録として残しておく。

これも夏に思いつき秋から8ヶ月間連続更新の旅に出た。

やっぱり「ここまでやれば、4月から胸張って先輩になれるぞ!」と言いたかった。

2019年「思いついたことをやる」

ここまで毎年いろいろなことにチャレンジしてきて今年は何をしようか迷っていた。

環境が変わり働き方も変わり、そうした中で描く未来への導線を確実に歩くためには何をするか。

考えたら考えるだけドツボにはまり何をすれば良いかわからなくなったので、思いついたことをやるだけやることにした。

  • 学生の頃のネタ帳を復活させメモを活用
  • レッスンごとに記録をとっていろいろな手段でフィードバック
    (写真にコメント、動画、メッセージ、Twitter)
  • 自作の教則本から既存の教則本に原点回帰
  • LINE@とTwitterで質問募集、届いた質問は本気で返す
  • できる限り合奏に顔を出す、一緒に弾く

毎年、夏はアウトプットの季節だったけど今年はとにかくインプットだった。

他の講師の先生の一言、顧問の先生の言葉、ふとした生徒の一言、メモを活用していろいろなことを書いた。

明確な目的があった去年まで、思いついたことをやるといった今年。

ここまで来て、一つだけ思うことがあった。

もっと一つ一つの解像度を上げなきゃダメだ。

指導者として次のステージへ

4年間くらいずっと千葉県の学校を中心に多くの指導経験を積む機会を与えていただき、アウトプットをし続けてきたこれまでの夏。

多くのことをインプットした今年の夏。

とくに同世代の指導者からの学びが非常に多かった夏。

ここで感じたのは、もっと演奏家としての経験を積めということ。

で、演奏家としての経験をまた指導の現場で、今よりもっと高い質アウトプットしろということ。

そして、指導者として次のステージヘ進めということ。

次のステージというのは、自分の地位やポジションが上がるわけではなく、物事の解像度をより高く見ることができる指導者になれっていうこと。

きっと次に目指すべきところはここで間違いない。

行くぜ、神奈川!

千葉で腕を上げて次へ。

次はどこか。

神奈川県だ。

いろいろな人とのご縁が架け橋となってくれて、やっと神奈川県で活動軸を立てることができた。

2015年の春、自分が初めて指揮者を務めた西湘地区にある小さな吹奏楽部とお別れすることになったとき、お別れ会を開いてくれた生徒たちの前で最後にこんな一言を残した。

「何年かかるかわからないけど、千葉で腕を上げて必ず神奈川に帰ってくる」

行くぜ神奈川、もうすぐだ。

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イグチシンノスケ

千葉県出身。 船橋市立葛飾中学校管弦楽部にてコントラバスと出会う。 千葉県立市川西高等学校吹奏楽部を経て洗足学園音楽大学へ入学。 2022年春学期東京音楽大学指揮研修講座修了。 在学中より「吹奏楽部におけるコントラバスの現状」に着目し、多くの講習会に講師として参加。大学卒業後はフリーランスのコントラバス奏者としてオーケストラ、吹奏楽、室内楽をはじめ楽器製作ワークショップやレコーディングなど多方面での演奏活動をする傍ら、吹奏楽指導者・アマチュアオーケストラのトレーナーとしても活動しており、中でも吹奏楽におけるコントラバスの指導に力を入れている。 これまでにコントラバスを寺田和正、菅野明彦、黒木岩寿各氏に師事。指揮法を川本統脩、三河正典各氏に師事。よこはま月曜吹奏楽団指揮者。初心者と子どものためのオーケストラpìccolo音楽監督。板橋区演奏家協会理事。取手聖徳女子高等学校音楽科非常勤講師。

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