親しみやすいメロディ、分かりやすい楽曲構成が印象的なスウェアリンジェンの作品は1980年から90年代にかけて日本の吹奏楽シーンに大きな影響を与えた。
吹奏楽をはじめて一番最初の演奏した曲がスウェアリンジェンの作品だったという人はどれくらいいるだろうか。
僕は初めて聴いた吹奏楽作品がスウェアリンジェンだったように記憶している。中学校のオーケストラ部でコントラバスを弾いていて、小学校のブラスバンド部に所属していた友達の口から「インヴィクタ」という言葉が出て、その「インヴィクタ」という曲がとてもかっこいいと言うから図書館でCDを借りて聴いてみた。
これが吹奏楽との初めての出会いだったようの記憶している。
オーケストラの作品とは違った作風に金管楽器のベルトーン(多分これはセンチュリア)が新鮮で、こうして振り返ってみると吹奏楽に興味を持つきっかけになったのもスウェアリンジェンの作品がきっかけかもしれない。
美しきメロディは世代を超えて
1982年に作曲された「ロマネスク」は賛美歌を思わせるような美しさ、そしてどこか懐かしさを感じさせてくれるメロディが多くの吹奏楽ファンに愛されていることだろう。
「ロマネスク」という言葉で検索をかけてみると、建築・彫刻・絵画・装飾、文学の様式の一つであるということも書かれている。
音楽的にもスウェアリンジェンの作品に多い「A-B-A(急-緩-急)」とは違った雰囲気で格調高いコラールで幕を開け、冒頭で提示されたメロディがどんどん他の楽器へと受け継がれていくのが特徴的だ。
卒業アルバム、そして懐かしい写真が詰まった思い出のアルバムを一枚、そしてまた一枚とめくるような音楽。
1982年、あなたはどこで何をしていましたか?