先日、アマチュアオーケストラのレッスンへ行った際に、とある一言をかけたら音がガラリと変わったという体験をしました。
何か特別なことをしたわけでもなく
「ビビディ・バビディ・ブー!」
と魔法をかけたわけでもありません。
少し不安そうに、遠慮ぎみに弾いている人たちに
「自信がない時こそ大きく弾いてみてください!」
とだけ伝えました。
すると、音程も良くなり音形も揃ってまったく別の楽団のように音が変わりました。
みんな、すごい。
今より少し勇気を持って音を出すということで、サウンドがガラリと変わるということを教えてもらった、レッスンでの体験談です。
指揮台から見える景色から感じること
合奏を指導する時は指揮台に上がりますよね。
そうするとオーケストラ全体を見渡すことができるわけです。
全体を見渡していると、中には遠慮ぎみに弾いている人や、申し訳なさそうに縮こまって弾いている人がいるのも見えます。
練習が間に合っていなければ練習すればよし。
練習してきたけどあんまり上手に弾けないから、自信がないから控えめにと思ってしまっているのでしょうか。
自信がないと思っている人はいつ自信がつくのでしょう?
そういう人たちには、もっと思いっきり弾いて大丈夫ですよ!
と伝えたい。
自信がない人ほど大きく弾く。これを意識するだけで本当に良くなる。大切なのは間違えないで演奏しなきゃじゃなくて勇気を持って演奏することだと思うんだよ。アマチュアオーケストラのレッスンしてて改めて感じた。
— 井口 信之輔 / コントラバス (@igu_shin) September 2, 2017
思いっきり弾いてみたら自分が思っているより弾けたと感じると思いますし、指導者側の視点から見ると、みなさんには自分が思っている以上の実力があるのを知っています。
自信がなさそうに演奏してしまう人にこそ持ってもらいたい勇気
だからこそ、自信がなさそうに演奏している人には勇気を持って演奏して欲しいと思っています。
「勇気を持って!」
という言葉だけを上げればとても抽象的な言い方ですが、勇気を持つことで何が変わるか、僕はアマチュアオーケストラの弦楽器パートをレッスンを通してこんなことを感じました。
- 縮こまって演奏している時より音程が良くなる
弦楽器であれば、縮こまって演奏しているとギターのフレットのような役目をしている左手の形が崩れてしまう傾向にあり、音程が定まりにくくなってしまいます。
僕は左手の形が緩むという言葉を使っていますが、いつもはしっかりと作れている左手の形が緩んでしまい、このようになっているのを見ます。
コントラバスの基礎となる左手の形
いろいろな教則本でも必ず載っている左手の形ですね。
しかし、これが縮こまって演奏していると形が緩んでしまい、このようになっているのを見かけます。心当たりありませんか?
指と指の感覚が狭くなっているのに気がつくと思います。
写真を見るとわかりますが、演奏していると中々気がつかないこともありますが、これでは指の感覚が狭くなり音程も悪くなってしまいます。
- 自信がなさそうに弾いている時に限って弓をコントロールできてない
これは初心者の方にも多いのですが、自信がない時に限ってコソコソと弾いているのが右手に現れてしまっていて、非常にもったいないです。
コソコソと弾いていると、ダウンとアップの長さがバラバラになってしまったり、弓がバタバタとしてしまい、コントロールを失ってしまっています。
弦楽器の弓使いは視覚的にも捉えることができるので、上手い人の弓の使い方を参考にして思い切って弾いてみてください。
もし、自信がないなと思っている人は上記のことを意識してみてください。
少し意識するだけで本当に変わります。
これはアマチュアオーケストラでのレッスンを通して感じたことですが、他の団体でも同じことが言えると思いますし、メンバーは初心者から経験者まで様々な人たちがいて、中にはあまり練習時間が取れないという人がいるもの指導者としては理解しています。
仕事や学業の合間にこうして楽器を持って音楽家として過ごしている時間。
せっかくなら思いっきりやってみませんか?
きっと、今までよりできるようになったという体験が待っているはずです。