茨城県吹奏楽連盟中央地区の初心者講習会でコントラバスの講師を務めてきました。
今回は、さまざまな学校から集まった11人の受講生と合同レッスン。
初心者を対象とした講習会とのことで、いつもの教則本は使わずに講習会のテーマを4つに絞って午前、午後と2コマずつに講習をしてきました。
僕はレッスンの後、フィードバックを送るのですが今回は複数の学校の合同のレッスンだったため、受講していた生徒たちが見ているかどうかはわかりませんが、レッスンでもブログの話をしたので、フィードバックをブログにまとめます。
「右手の基礎練習〜ボウイング」
午前の部1コマ目は「右手のボウイング練習」の話をしました。
開放弦を使ったボウイング練習をやったことがないという人が多かったのですが、この練習はみんなの音をつくるためにとても大切な練習です。
- 弓の持ち方
- 弦と弓の角度の話
- 一定のスピードで弓を全部使う
- 弓の配分を考えて、二分音符や四分音符で練習
講習会で話した内容を思い出しながら、取り組んでください。
一番最初に説明した、弦楽器の音作りを図を思い出してくださいね。
【初心者講習会in茨城】今日の講習会に参加してくれたみんな。11人合同での講習だったのでテーマを絞ってやりましたが、何か参考になれば嬉しいです。誰かしら見てるかな、誰も見てないかもしれませんが今回のフィードバックはブログでやります。でもその前に板書の写真載せるので必要あればどうぞ! pic.twitter.com/5elvLWmPsP
— 井口 信之輔 / コントラバス (@igu_shin) June 9, 2019
また、簡単な楽譜は黒板に書きましたが今日話した内容、楽譜はブログから無料でダウンロードできるようになっています。
コントラバスの教則本を持っていない人は、ぜひ役に立ててください。
「左手の基礎練習〜コントラバスの弦を押さえる手の形」
午前の部2コマ目にお話ししたのは、コントラバスの弦を押さえる左手の形。
太くて押さえるのが大変な弦を、ギュッと握ってしまえば初心者でもすぐに正しい音程を出せるかもしれませんが、この押さえ方だと音が変わるたびに手を動かさなくてはならないので、ある程度の音数、速さになった時に追いつかなくなってしまいます。
そのため、コントラバスを弾くために知っておきたいのが、弦を押さえる左手の形。
コントラバスはギターのようにフレットがないので自分の左手でフレットを作る必要があります。
この弦を押さえる形を作れたら、一つのポジションで(1-2-4の指と各弦)で12個の音を出すことができます。
B-durのスケールも、左手を上下させずに弾くことができます。
慣れるまでが一番大変ですが、頑張ってここを乗り越えてくださいね。
初心者がコントラバスを弾くために覚えたい左手の基礎は2つ
- コントラバスの弦を押さえる左手の形
- 各指の番号
です。
また、左手が痛くなったら絶対に無理をしないでください。
詳しくは、この記事に写真付きで書いてあります。
目で見て確認!楽器の状態チェック
午後の部1コマ目は「楽器の状態チェックリスト」を使って、それぞれが弾いている楽器の状態をチェックしてもらいました。
https://twitter.com/igu_shin/status/1137566459184406528
講習会で渡したチェックリストを僕が一つずつ解説をして、その部分を目で見てチェック。
- OK!問題のないところは◯
- ちょっと気になる部分は△
- 修理・調整・交換が必要な部分は×
を付けてもらい、×の部分には僕からのコメントを載せて受講生経由で顧問の先生にリストを渡してもらうようお伝えしました。
特に気になったのが弓の毛の状態と古くて痛んだ弦の2つ。
弦は、表面がザラザラとしてきたり、ささくれが出てくると怪我をしてしまう可能性があるので早急に交換する必要があると考えています。
弦は決して安くないですが、怪我をしてからでは遅いので痛みが目に見えてきたら交換をお願いしたいところです。
チェックリストの内容、復習をしたい人はこの記事へ。
講習会で話した内容がまとめられています。
コントラバス二重奏に挑戦!
午後の部2コマ目は再び演奏の時間へ。
初心者講習会ということで、左手の練習を始めたチームとこれから始めるチームに分かれてコントラバスニ重奏をやりました。
初見演奏は大変だったと思いますが、コントラバス同士が生み出す響きを少しでも経験してもらえたら嬉しいです。
パート内で音を合わせる時には、音程だけではなく音色や弓の使い方も合わせていく必要があるということを感じてもらえたら嬉しいです。
渡した楽譜は、先輩や他パートのお友達と練習したり役に立ててください。
質問編:ここの音はどこにある?
最後は質問にあった音の探し方についてです。
「いろいろな高さの音があって、楽譜に書かれた音符の音がどこの弦にあるかわからない」
という質問がありました。
とても良い質問ですね、確かに4本の弦のどこを押さえたら楽譜に書かれた高さの音が出るのか、僕もコントラバスを始めた頃はわかりませんでした。
運指表を見て音を探しているということだったので、それにプラスして運指表に基づいたポジションを覚えていくことをおすすめします。
コントラバスには12通りのポジションがあるので、運指表に書かれたポジションと音名をセットで覚えてみてください。
まとめ
今回は計4時間の講習を4つのコマに分けて進めてきました。
途中に取り入れたポジション移動の話は難しかったかもしれないけど、なんとなくの知識として覚えておいてください。
まずは、コントラバスの基礎を身につけていくこと。
右手のボウイング練習、ポジションの習得、スケール練習の3つが軸となります。
他にも、ポジション移動、ボウイングの記号の意味など吹奏楽部でコントラバスを弾くために知っておきたいことはたくさんありますが、今回は基礎基本に絞って伝えてきました。
一気にたくさんのことをお話ししたので、理解できなかった部分もあるかと思いますが、なんとなくでも覚えておいてくれたらOKです。
練習を重ねていけば「先生の言ってたことはこうだったんだ」と、わかる日が来るのでその日を楽しみにしていてください。
コントラバスは深く温かい音色が魅力の楽器です。
吹奏楽では豊かな響きでバンドを包み込むのがコントラバスの役割です。
そのためには、右手の基礎、そして音程を作る左手の基礎が重要なポイントです。
今日の講習会で学んだことを、それぞれのペースで身につけてコントラバスが好きになってくれたら嬉しいです。
それでは!今日はありがとうございました。