明日のためのレッスンノート 最終回(vol.27)
こんにちは!
コントラバス奏者の井口信之輔です。
吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って9月から書き続けてきた『明日のためのレッスンノート』も今回で最後となりました。
「パートは自分一人だけ、周りにコントラバスを教えてくれる人がいないと悩んでいるコントラバス奏者の元へと届いたら嬉しい」という思いで、これまでレッスンに関わってきた学校に渡していたオリジナルの教則本の中身を見直すとともに全て公開しようと決めて書き始めました。
このノートがどれだけの人に役に立って、どれだけの人が読んでくれたか、僕にはわかりません。
でも、この7ヶ月間レッスンノートの発信を始めてから多くのコントラバス奏者の声を聞く機会があり、たくさんの出会いがありました。
なので、少しは誰かの役に立てたかな?と思っています。
吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って書き続けてきた
『明日のためのレッスンノート』
最後は、春から先輩になる、そして卒業し新しい道へと旅立つにあなたへプレゼントしたい音楽を添えてお届けします。
そして、秋からレッスンノートを読み続けてきたすべての人に伝えたいメッセージを、最後のページに書き残し、レッスンノートを閉じたいと思います。
心を込めて、書かせていただきました。
それでは!今週も今日よりちょっと良い明日へ向けて、レッスンノートを開いていきましょう。
目次
4月から先輩になるあなたへ
今日までノートを読んできてくれてありがとうございました。
レッスンノートは役に立ちましたか?
僕はノートの中で、3月31日に伝えたいことがあると何度か書きました。
それは
「パートに自分一人しかいなくても、周りにコントラバスを教えてくれる人がいなくても、これまで書いてきたことを一緒に取り組んできてくれたあなたは、4月から自信を持って先輩になれるよ!」
ということです。
まだまだ至らぬところはたくさんありますが、吹奏楽部でコントラバスを弾くために知っておきたいこと、そして講習会で伝えてきたことを、すべて書いてきたつもりです。
画面越しの言葉では伝えきれないことがあるのも承知の上。
生の音を聞いて、生きた言葉を交わせる時間こそがレッスンの魅力。
そうはわかっていても、吹奏楽部でコントラバスが置かれている環境は本当に様々。
だからこそ、悩んだり道に迷ったときに、地図を開くようなイメージで読んでくれたら嬉しいという思いで筆をとりました。
4月から胸を張って先輩になってください。
そして、新しく入ってきた後輩に、コントラバスの楽しさを伝えてください。
吹奏楽におけるコントラバスの可能性を広げていくのは、あなたです。
卒業し、新しい道へと旅立つあなたへ
卒業、卒部おめでとうございます。
部活動での3年間は楽しかったですか?
部活の数だけドラマがあります。
それぞれの胸に刻まれているドラマを大切に、新たな道へと旅立ってください。
この時期によく言われることですが「音楽を続けないのはもったいない!」なんてことはありません。
一生懸命やっていれば、身体は覚えているものです。
やりたくなったら、またやればいい。
忘れてた感覚は、練習して思い出せばいい。
市民楽団やサークルは、楽器がある団体も多いです。
コントラバスを弾き続けたいなと思ったら、自分にあった楽団を探してみてください。
もしかしたら、弓だけは持っておくと良いかもしれません。
今日までノートを読んできてくれてありがとうございました。
コントラバスを弾いていた自分をいつまでも好きでいてください。
はじめて後輩を教えるときに迷ったら
人に何かを伝えるのは、とっても難しいものです。
はじめて後輩を教えるときに迷ったら、初心者の気持ちになってみてください。
左手で弓を持って楽器を右に構える
これだけです。
どうですか?
100%ではありませんが、弓を上手く持てず、楽器を安定して構えられない状態は、はじめてコントラバスを手にしたときに感覚に近いものがあると思います。
そして、その状態の自分に、自分でアドバイスをする。
もしかしたら、こうしたところにヒントが隠されているのかもしれません。
良き伝統は良き習慣から
後輩指導のコツは、言葉で伝えるだけでなく実演すること。
自分が!?と思わずに、思い切って実演です。
実演し、自分の言葉で伝え、トライしてもらう。
まとめましょう!
- やってみせる(あなたがお手本を見せます)
- なぜこうなのか?言って聞かせる(自分の口から説明する)
- トライさせてみる(じゃぁ、弾いみて!)
- できたら褒める(褒められたら嬉しいよね)
これが、後輩指導のコツだと思っています。
自分より上手い後輩が入ってきたら
大丈夫!
その部活での経験はあなたの方が上です。
こうした状況は、僕も経験しました。
いろいろな感情が入り混じるかもしれませんが、自分ができることを精一杯やってみよう。
本当に上手い人は、他人をどうこう言いません。
大切なのは、音楽に向き合う姿勢。
吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って
明日のためのレッスンノート 最終回(vol.27)
最後は、今日まで『明日のためのレッスンノート』を読み続けてきてくれた、すべての人に伝えたいにメッセージを書いています。
自分が中高生だった頃を思うと、部活動に外部講師が入る機会が増え、コントラバスの演奏レベルも大きく変わってきました。
これも、あなたが頑張って練習してきた成果。
そして、各学校で指導されている顧問の先生、パート講師の先生方のサポートがあってこそだと思います。
これまで身につけてきた知識や練習方法を、あなたの部活のコントラバスパートの良き伝統として残し、次の世代に伝えて行ってください。
お届けしている音楽は、ドラゴンクエスト2のエンディングテーマ
「この道わが旅」
演奏は、吹奏楽の枠を超えた多彩な演奏スタイルを誇る吹奏楽団 ブラス・エクシード・トウキョウ
卒部、引退。
進学、就職、そして進級。
一つのドラマが幕を閉じ、新たな旅が始まる季節にぴったりなナンバーです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
あと少しだけ、音楽をお楽しみください。
オーボエの奏でるメロディが、ノートを閉じる合図。
ノートを閉じる、その前に。
良き伝統は良い音を作り、その音は次の世代に引き継がれていくことでしょう
音楽をやっている間は、どこかで繋がっていると思います
明日のためのレッスンノートはこれでおしまい
音楽の楽しさを知り
コントラバスが大好きになってくださいね
7ヶ月間、ありがとうございました
吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って
一般社団法人ブラス・エクシード・トウキョウ
コントラバス奏者
井口信之輔 著
明日のためのレッスンノート
完