コントラバスの音づくり。豊かな響きを作るために知っておきたい大切なこと。

吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って毎週更新『明日のためのレッスンノート』

今年もこれまでと変わらずパートは自分一人だけ、周りにコントラバスを教えてくれる人がいないという環境で練習に励む人たちへ向け「胸を張って先輩になる」ことを目標に書いていきます。

吹奏楽という言葉が多く出てきますが、オーケストラ部や弦楽合奏、ギターマンドリンなどコントラバスが編成に入っている音楽系部活動の人に向けても伝えていきたいというのが僕の思い。

アンサンブルを楽しむ中でコントラバスを弾くために知っておきたい最低限の基礎・基本を書いていくので、良かったら一緒に勉強していきましょう。

今日のお話は「コントラバスの音づくり」

はじめて教えに行く学校、各地の講習会で必ず最初に話すことを書いていきます。

教則本の5〜6ページを開いてください。

コントラバスの音づくり

コントラバスの音づくりは開放弦を使ったボウイング練習からはじまります。

  • 開放弦

指で押さえていない状態の弦のこと

何も押さえていない状態の弦を弓で擦ることから音づくりははじまり、弓を使うという動作、ボウイング(運弓法)は弦楽器を弾く上で最も重要なテクニックです。

まずは開放弦を使ったボウイング練習のお話し。

右手の練習をする際のチェックポイント

今回はメトロノームを60にセットして練習していきます。

初心者のレッスンでは、毎回練習をする前に以下の3つをチェックすることを話しています。

  • 弓の持ち方は大丈夫か
  • 弓と弦は垂直になっているか
  • 弓先が下がっていないか

音を出す前のセッティングでチェックする習慣をつけます。

右手の構え、動きは視界に入らないことが多いので窓や鏡に映る自分の演奏している姿を見ながらチェックすることも効果的。

確認をして「大丈夫だ!」と思ったら音を出してみましょう。

弓の元から先まで使ってまずは元気よく弾くこと。

これが良い音を作るはじめの一歩です。

次は、教則本の楽譜を使って音を出していきましょう。

開放弦を弾いてみよう!

テンポを60に設定したメトロノームと合わせてまずはD線(2番線)から弾いてみます。

4拍で弓を全部使って弓の元から先へと運びます。

そしたら次は弓の先から元へと運び、これを繰り返す。

  • 弓元から弓先へ運ぶのをダウン
  • 弓先から弓元へ運ぶのをアップ

と言い、楽譜には記号で書いていくので覚えておきます。


開放弦の練習のチェックポイント

弓元から弓先までのスピードは均一になっていますか?

途中で弓のスピードが変わると音程が変わってしまうので、弓の真ん中に付箋を貼って練習するものおすすめです。

また、チューナーの針を大きく動かさないようにゲーム感覚で取り組むのも良い練習です。

耳を済ませて音を聴き、音が凸凹していないか、途中で弱くなったりしていないかを考えていきましょう。

D線を弾いたら次は他の弦、4本の弦それぞれで練習してください。

合奏でも役に立つ!右手の練習応用編

まずは全音符を弾く練習をしてきました。

次は二分音符、四分音符での練習へと進みます。

テンポは60、慣れてきたら80でも良いでしょう。

  • 全て弓を全部(全弓)使って弾く
  • 二分音符は半分(1/2)四分音符は1/4の量で弾く

この2パターンを練習していきます。

この練習では弓を使いきれない、また弓を使い過ぎてしまうなど上手いかない部分が出てきたら、右手の練習をするために大切な三要素を学んでいきます。


音色と音量を決めるために大切な三要素

さまざまな長さの音で弾くにあたり、次のことを知識として覚えていきます。

  1. 弓は弦のどこを弾くか(指板寄り〜駒寄り)
  2. 弓にどのくらいの圧力をかけるか
  3. 弓はどのくらいの量を使うか(弓のスピード)

この3つの要素を組み合わせ、さまざまな音色、音量で弾けるように練習します。

こうして右手の使い方を学び、合奏では楽譜に書かれている音をダウンで弾くのかアップで弾くのかを奏者が考え、音づくりをしていきます。

◯◯は弾いちゃダメ?

数年前、とある地域の講習会へ講師として参加した際「指板の上は弾いちゃダメと言われました」という声がありました。

こうした声をたまに聞くことがありますが、ダメということはありません。

指板の上を弾くと出てくる音色や響きは、いつも弾いている場所では出せませんし、柔らかく響きのある音が欲しいときは弓をたくさん使い指板の上を弾いていきます。

指板の上、また駒寄りなど弾く位置によって出てくる音が違うので、その場に応じた音が出せるようにしていくのが大切です。

僕は講習会やレッスンで以下のような図を書いて解説します。


講習会で書いている「弦楽器の音作り」

指板寄り、駒寄りを弾いた際の音色と弓の使いやすさは?

  • 指板寄り:柔らかい音色、響き、弓はたくさん使える
  • 駒寄り:固い音色、芯のある音、弓は少ない方が弾きやすい

これを頭に入れておくのがとっても大切。

続いて移弦の練習へと進みますが、右手の部分はとても大切なところなので今週はここまで。

1週間練習した上で次に進んでいきましょう。

今週のまとめ

第二回は「コントラバスの音づくり」を解説してきました。

まずはD線から全音符で、次に二分音符や四分音符で練習し、知識として「音色と音量を決めるために大切な三要素」と「弦楽器の音作り」を頭に入れておきます。

チューニングをしたら、まずこの練習からはじめてください。

次週詳しく解説しますが「ロングトーンの練習」と言ったら今回のレッスンノートで解説した右手の練習です。

もし開放弦の練習をしたことがなくロングトーンという練習でB-dur(変ロ長調)のスケールを弾いたり、シ♭(B)の音を伸ばしている人がいたら、開放弦を使った練習(ロングトーン)を日々の練習に取り入れてみてください。

おわりに

『明日のためのレッスンノート』今週は「コントラバスの音づくり」をテーマに書いてきました。

明日のためのレッスンノートはコントラバスという楽器を手にしたけれど、パートは自分一人だけ、周りにコントラバスを教えてくれる人がいないという環境で練習に励んでいる人たちに向けて書いています。

教則本も全ページ公開しているので、ぜひお役立てください。

次回「明日のためのレッスンノート」は吹奏楽部で見かけるロングトーンに思うこと、右手の練習応用編第二弾、そして左手を鍛えるトレーニングの導入を書いていきます。

コントラバスに関する質問、相談はお気軽に。

それでは、また!


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ABOUTこの記事をかいた人

1987年、千葉県生まれ。 船橋市立葛飾中学校管弦楽部にてコントラバスと出会う。 千葉県立市川西高等学校を経て洗足学園音楽大学へ入学。 在学中より「吹奏楽部におけるコントラバスの現状」に着目し多くの講習会に講師として参加。大学卒業後はフリーランスのコントラバス奏者としてオーケストラ、吹奏楽、室内楽をはじめ楽器製作ワークショップやレコーディングなど多方面での演奏活動をする傍ら、吹奏楽指導者・アマチュアオーケストラのトレーナーとしても活動しており、中でも吹奏楽におけるコントラバスの指導に力を入れている。 これまでにコントラバスを寺田和正、菅野明彦、黒木岩寿各氏に師事、指揮法を川本統脩氏に師事。現在、昭和音楽大学合奏研究員、ブラス・エクシード・トウキョウ メンバー。また、日本アロマ環境協会 アロマテラピーアドバイザーの資格を持つ。