先週、今週と二週にわたり、ご縁あって千葉県にある八千代松陰中学・高等学校で開催されている土曜講座にお声がけいただき、音楽とキャリアの話をテーマにした講座の講師を務めてきました。
土曜講座は、語学講座、日本の文化を学ぶ講座、アスリート講座、これからの社会を生きていくためのスキルを学ぶ講座など科目学習にとどまらない学びや体験ができる場所。
僕はクラシック音楽の世界で仕事をする音楽家として、音楽とキャリアの話をお話ししてきました。
今回の土曜講座は僕にとっても初めての挑戦。
とても良い経験をすることができました。
そんな土曜講座をブログで振り返ってみたいと思います。
テーマは「音楽家が語る夢の叶え方」
ご縁をいただき、自分が伝えられることは何かを考えてたどり着いたのは音楽とキャリアの話。
大学を卒業し、社会人としての歩みをスタートさせたのは、毎年多くの人が音楽大学を卒業し音楽の道を志す中で食べていけるのは一握りと言われるクラシック音楽の世界。
この10年間、社会もビジネスも何も知らないただ音楽が好きという気持ちでやってきた自分が、音楽を学ぶだけでなく、社会を知り、人と人との繋がりの上に仕事が生まれることを知り、好きなことを仕事にしていくために何をすれば良いかを考え、実行し、形にしてきた体験談をベースにした講座を作る準備をはじめました。
講座のテーマは
音楽が語る夢の叶え方〜食べていけるのは一握りと言われる音楽の世界で生きてきたサバイバル論~
- 第1回「好きを仕事にするために」
- 第2回「信念と情熱を持って自分軸の人生を生きる」
各回90分の講座に最後はコントラバスのソロ演奏を添えました。
この講座で伝えたことが、これからの未来に羽ばたく受講生が将来を考える上での参考になれば嬉しいです。
第1回「好きを仕事にするために」
先週開催された第1回目の講座のテーマは好きを仕事にするために。
「好きを仕事に」とか「好きなことで生きていく」とい言葉が身近になった今、本当に好きなことを仕事にするためには何をすれば良いのかを、大好きな音楽を仕事にしている自分の実体験を元に講座を進めていきました。
好きなことで生きていくという言葉を眺めると、キラキラとした世界や何か特別な才能を持った人たちが思い浮かんだり、つい自分には無理だと思ってしまうこともあるけれど本当にそうかな?というところ。
好きを仕事にするというのはあくまで数ある考えの一つ。
もし、それを形にしたかったら何をすれば良いかを考えていきました。
ちょこっと復習「好きを仕事にするために」
好きを仕事にするっていっても、好きなことってどうやって見つけるの?という人もいるかもしれないし、やりたことがわからないって人もいるかもしれない。
講座のテーマである「好きを仕事にするために」をベースに考えていくと考えるのは3つのステップ
いろいろなものに触れる
食べたものが自分の体を作るように、見たもの、触れたもの、感じたものが自分を作る。
日々の生活を送る中で感じた体験の中から興味が生まれ、好きという感情や夢中になれるものに出会うきっかけに繋がる。
知らないものに蓋をしない
人は知らないものを否定してしまう癖がある。物事を否定すること自体は悪いことではないけれど、知らないものに蓋をする、知る前に否定してしまうのはもったいない。
新しいものはいつだって誰も知らないところから生まれるということを考えると、否定の仕方によっては自分の可能性を狭めてしまうから気をつけたいところ。
得意を見つける
才能という言葉を見るとハードルが高く感じてしまうかもしれないけど、実は誰ににだって才能はあって多くの場合はそれに気がついていないだけ。
自分はあまり意識してなくてもできてしまうことだったり、誰かに褒められることで気がつくことが多いけど、しっかり謙虚に受け止めて、これが自分の良いところだと受け入れることが大切。
好きを仕事にするために
好きを仕事にするということを考えたとき、好きという感情だけ走っていくと限界が来ることがあり、これが諦めてしまう原因や、そんなの無理だと言われてしまうことに繋がる。
なので、好きという気持ちに自分の得意分野を掛け合わせて、好きと得意が交わるところに生まれたものを仕事にするのが、僕なりの好きを仕事にするという考えということをお話しました。
第2回「信念と情熱を持って自分軸の人生を生きる」
続く第2回のテーマは、信念と情熱を持って自分軸の人生を生きるということ。
音楽大学を卒業した2010年から現在に至るまでの手帳を全て読み返し、記憶に残る出来事やターニングポイントを書き出した資料を元に、実体験を話していきました。
学生時代から付けていたメモ帳、レッスンノート、感銘を受けた書籍の紹介を交えながら講座を展開し、最後はメモ帳やレッスンノートの中身を公開したら熱心にメモを取ってる受講生たちの姿が印象的でした。
ちょこっと復習「信念と情熱を持って自分軸の人生を生きる」
大切なのは、自分を生かせる場所で誰よりも努力すること。
仕事で稼ぐのはお金だけじゃないということを知ること。
仕事は人と人とのつながりの上にある信用の先にあるということ。
2010年から2012年
音楽大学を卒業し、音楽の世界で生きていくと決めたけど音楽の仕事なんてほとんどないのが現状。アルバイトを掛け持ち、夢を追いかけ、いつか音楽でと思う日々。
何者でもない自分が音楽を仕事にするためには好きという気持ちだけではダメ。
自分のスペックを知り、夢を叶えるためにやるべきことを知る。
そんな中で、自分にお金を使うということを知り、自己投資で学ぶ機会を得て、仕事としての線引きが曖昧なこの世界でよくある頼まれごとで経験値を稼ぎ、まずは実績を作る。
2013年から2017年
いろいろなことに触れ経験する中で自分は教えることが得意がと気がつく。
時には納得いかないことが起きたりすることもある。
悔しさ、やるせなさ、自分の力ではどうにもできない体験から生まれる原動力。
描いてる未来への導線を設計し、音楽でお金を稼ぎ、時に金額の大小に関わらず仕事を通して未来を稼ぐ大切さを知る。
やりたいことは口にする、その仕事はお金・経験・未来と何を稼ぐのかを考える。
2018年から2019年
時代の流れで生まれたSNSを駆使し、これまでの学びをアウトプットすることで広がった音楽の輪。
仕事をしながら自身の活動をSNSで発信することでより多くの人に認知されるきっかけを作り、質問や相談に全力で答え、そこからヒントを得て発信を続けることで信頼が生まれ仕事に繋がる。
認知されるための仕組みは何か、自分の好きと得意を掛け合わせることで希少価値のあるポジションを作り、自分をブランド化させることの大切さを学んだ時期。
2020年から2021年
好きを仕事にする、音楽家になるという夢を叶えた先に襲ってきた新型コロナウイルス。
イベントは中止、延期となり失った仕事と活動の場。
まるで大学卒業一年目に戻ってしまったような感じだけど、これまで積み重ねてきた経験があるから大丈夫。ピンチは人を成長させてくれる。信念と情熱を持って、自分軸の人生を進んで行こう!
信念と情熱を持って
夢の叶え方と捉えると何か大きなことをするように感じるかもしれないけど、夢というのは小さな成功体験の集合体。今描いてるイメージを確実に形にすることの積み重ね。
好きなことへの情熱と、冷静に自分の得意不得意向き不向きを見極めること。
そして、ブレない軸を作る。
土曜講座を終えて思うこと
先週、今週と登壇してきた土曜講座を終えて、まずはこのようなご縁をいただいた八千代松陰中学・高等学校の皆様に心から感謝を申し上げます。
ほんとうに良い経験をさせていただきました。
自分の話を少しすると、幼少の頃から吃音があり日常会話は気にならないものの高校生の頃くらいまでは改まった場所で言葉に詰まる、名前を呼ばれて「はい」と返事ができないというようなことに悩まされてきました。
そうした経験から人前で話す機会を避けてきた自分が巡り巡って過去の体験談を話す機会に恵まれたことはとても嬉しいことでした。
過程を物語として発信する
努力は人に見せるものではないとも言いますが、今回のご縁を一つの物語として捉えてみると、お話をいただいた時に、まず喋る練習から始めようと音声配信アプリstand.fmを使って毎日ラジオ配信をはじめ、気づけば140日という時間が経ちました。
講座では、めちゃくちゃやるということを繰り返し言ってきたので、本番を迎えるまでの過程も発信してみようと「人前で喋る仕事がある」という話題を交えながらラジオで喋ったことなんかも、好きなことを仕事にするためにやってきたことの一つとして記録に残しておくと、少しは説得力があるんじゃないかなと思いました。
これだけ喋ったので、講座を受講してくれたみんなに恥ずかしくない生き方をしていきたいと思うし、100年に一度のウイルスに襲われた今、信念と情熱を持って描いてる未来に向けて駆け抜けていきます。
ありがとうございました!
讀賣新聞オンラインでも八千代松陰中学・高等学校の土曜講座が紹介されました!
八千代松陰中学校・高等学校(千葉県八千代市)は4月から、「探求」「グローバル」「表現」をテーマに、新たなスキルや思考力を磨く「土曜講座」を開講した。外部講師らの協力を得て、英語によるコミュニケーションなど四つの講座を希望者対象にスタート。現在、新型コロナ感染への対応でオンラインによって実施されているが、将来的には教室での対面式も併用し、趣味や語学の講座なども加えて保護者とともに学ぶ場としていくという。
毎日配信!音声ラジオ stand.fm その日に思ったことを喋っています