明日のためのレッスンノート

高い音域を弾くために知っておきたい左手の基礎基本。コントラバスの運指表に基づいた12のポジションより「第6ポジション」

吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って毎週更新『明日のためのレッスンノート』

2021年もこれまでと変わらず

  • パートは自分一人だけ
  • 周りにコントラバスを教えてくれる人がいない

という環境で練習に励む人たちへ向け、胸を張って先輩になることを目標に書いていきます。

吹奏楽という言葉が多く出てきますが、オーケストラ部や弦楽合奏、ギターマンドリンなどコントラバスが編成に入っている音楽系部活動の人に向けても伝えていきたいというのが僕の思い。

アンサンブルを楽しむ中でコントラバスを弾くために知っておきたい基礎・基本を書いていくので、一緒に勉強していきましょう。

今回紹介するポジションは第6ポジション。

これまで弦を押さえる左手の指番号は「1-2-4」と学んできましたが、第6ポジションからは小指ではなく中指を使うようになり指番号は「1-2-3」へと変わっていきます。

この違いを理解すること、そして新しい左手の形を覚えていくことが、より多くの楽曲に対応できる力となります。

コントラバスの12のポジション〜第6ポジションとは?

今回勉強していくポジションは第6ポジションと呼ばれています。

まずは、第6ポジションの音列を覚えていきましょう。

まめ知識

D、A、E各線の音列はG、D、A各線の第3ポジションと同じ

吹奏楽作品で主に使用するのはG線(たまにD線)で、A線とE線を使用すること機会は少なめ。

  • G線(ソ)…→ファ(ミ♯)→ソ♭(ファ♯)→ソ(ファx)
  • D線(レ)…ド(シ♯)→レ♭(ド♯)→レ(ドx)
  • A線(ラ)…ソ(ファx)→ラ♭(ソ♯)→ラ(ソx)
  • E線(ミ)…レ(ドx)→ミ♭(レ♯)→ミ(レx)

※ xはダブルシャープとしています。

はじめて登場!小指の補助として使われた中指

これまでコントラバスの弦を押さえるためには、人差し指(1)中指(2)小指(4)の指を使い、3は小指の補助」として使われてきました。

これまでの復習「ハーフポジション〜第5と第6の中間ポジション」

  • 1の指(人差し指)は1本で押さえるから1
  • 2の指(中指)は2本で押さえるから2
  • 4の指(小指)は4本で押さえるから4(3の指は小指の補助として使う)

ポジションを学びはじめた頃

キツネの手遊びをイメージしたように、親指は(1)の指と(2)の指の間にくるようにセットし、ギターのフレットを左手で作ることが大切でした。

ポジションを学んでいく中で気づいたこと

ポジションが進むにつれ、隣り合った音の幅が狭くなり「第5ポジション〜第5と第6の中間ポジション」辺りになると、親指の向かいには(1)の指が来るようになり、弦を押さえる指はほとんど密着するようになりました。

まとめ

すべての基礎となるハーフポジションから追ってみると、隣り合った音の幅が狭くなり少しづつ弦を押さえる左手の形が少しづつ変化していることに気がつくことでしょう。

そして、ここまでの音域は一般的に「ローポジション」と呼ばれています

これからの左手の形(第6ポジション〜)

これから解説しするのが、この先のポジションを押さえる左手の形。

やってみよう!

これまでの左手の形で第6ポジションの音を弾いてみると、少し押さえにくいことに気がつくと思います。特に小指でG線のソ(G)を押さえるのは大変ではないでしょうか?

そのため第6ポジションからは親指の位置もこれまでとは違い、ネックの付け根、または側面に位置するようになり、これまで小指の補助としていた「薬指(3の指)」を使っていきます。

写真でポジションの形つを解説!手の形を真似してみよう

手が小さい人は、親指がネックの側面に位置しても大丈夫です。

楽器の大きさ、肩(楽器の側面)の張り具合によっても親指の位置は多少変わるので、どの辺りにセットすると押さえやすいかを研究してみよう!

知っておきたいポジション習得のための知識

弦に対して横に押さえてきた左手は斜めに押さえることになり、これまで離れないように注意していた中指(2)と薬指(3)はここで離れることになります。

はじめは、この(2)と(3)の指がなかなか離れませんが、練習を重ねて各指が独立できるようにしましょう。

これからの音域で(3)の指を使う左手の形は一般的に「ハイポジション」と呼ばれています。

※G線のオクターヴ上のG(ソ)の音より上をハイポジションと称することもあります。

慣れるまでが大変だけど、指先を寝かさないよに気をつけよう!

1-2-3の指の形を作り始めた頃は、うまく押さえられず指の先が寝てしまうことがあります。

左手の形を覚え始めたとき、少しづつ弦を押さえる力がついてきたように、1-2-3の形も少しづつ指先が固くなり押さえられるようになってきます。

また、爪が長すぎると弦が押さえられないので、適度な長さに切っておくと良いでしょう。

爪が割れてしまうこともあるので注意が必要です。

写真の指は深爪になってしまっています。

爪を切りすぎると、指先に力が入りにくくなるとネイルを専門としてる方にアドバイスを受け、それ以降、深爪には注意し少し爪を伸ばすようになりました。

確かに、弦が押さえやすくなった傾向にあります。

爪の切りすぎには注意しよう!

ポジションを覚える流れはこれまでと同じ!

ポジションの覚え方はこれまでと同じです。

各弦での音の並びを確実に覚えていき、全長スケールの楽譜を使って自分が弾けるポジションのスケールを見つけ、積極的に取り組んでいってください。

おわりに

明日のためのレッスンノート、今週はコントラバスの運指表に基づいた12のポジションより第6ポジションの解説をしてきました。

今、全国の吹奏楽部がどのように活動できているかはわかりませんが、今できることをできる場所で学ぶ機会を作ってみてください。

次回『明日のためのレッスンノート』は第6と第7の中間ポジションへと進んでいきます。

これまでとは違う指の形に少し戸惑うこともありますが、すべては日々の積み重ねです。

無理をせず、自分のペースでコツコツと取り組んでいってください。

また、来週も一緒に頑張っていきましょう!


明日のためのレッスンノートはコントラバスという楽器を手にしたけれど、パートは自分一人だけ、周りにコントラバスを教えてくれる人がいないという環境で練習に励んでいる人たちに向けて書いています。

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イグチシンノスケ

千葉県出身。 船橋市立葛飾中学校管弦楽部にてコントラバスと出会う。 千葉県立市川西高等学校吹奏楽部を経て洗足学園音楽大学へ入学。 2022年春学期東京音楽大学指揮研修講座修了。 在学中より「吹奏楽部におけるコントラバスの現状」に着目し、多くの講習会に講師として参加。大学卒業後はフリーランスのコントラバス奏者としてオーケストラ、吹奏楽、室内楽をはじめ楽器製作ワークショップやレコーディングなど多方面での演奏活動をする傍ら、吹奏楽指導者・アマチュアオーケストラのトレーナーとしても活動しており、中でも吹奏楽におけるコントラバスの指導に力を入れている。 これまでにコントラバスを寺田和正、菅野明彦、黒木岩寿各氏に師事。指揮法を川本統脩、三河正典各氏に師事。よこはま月曜吹奏楽団指揮者。初心者と子どものためのオーケストラpìccolo音楽監督。板橋区演奏家協会理事。取手聖徳女子高等学校音楽科非常勤講師。

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