明日のためのレッスンノート

コントラバスとエレキベースは別の楽器?吹奏楽指導者も知っておきたい現場の声と奏者視点で思うこと。

吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って毎週更新『明日のためのレッスンノート』

2021年もこれまでと変わらず

  • パートは自分一人だけ
  • 周りにコントラバスを教えてくれる人がいない

という環境で練習に励む人たちへ向け、胸を張って先輩になることを目標に書いていきます。

秋から毎週レッスンノートを更新してきたコントラバスの運指表に基づいた12のポジションの解説を終え、演奏技術を磨きつつも知識量も増やしていきたいところ。

今日は吹奏楽でコントラバスを弾く上で知っておきたいエレキベースの話について書いていきます。

吹奏楽部ではコントラバス奏者がエレキベースを弾くというスタイルが多くの学校で定着していますが、実はこのスタンスに悩むコントラバス弾きがいて、僕もその一人でした。

経験者として全国の吹奏楽指導者に伝えたい。

コントラバス奏者はエレキベースも弾けるのか?という話。

それでは、レッスンノートを開いていきましょう。

「コントラバス」と「エレキベース」は別の楽器

まず、結論から話をするとコントラバスとエレキベースは全く別の楽器。

ざっくりと違いを書いてみると

  • 楽器の構え方
  • 奏法の違い
  • 弦の押さえ方の違い

でしょうか。

なので「コントラバスが弾けたらエレキベースも弾けるの?」と聞かれたら、僕はONと答えます。

だけど、コントラバスとエレキベースには共通点もあるため、そうした部分を生かしてコントラバス奏者がエレキベースも弾けるようになることはとても良いことだと考えています。

実際、僕はエレキベースが大の苦手でしたが、やっぱりベースは弾けた方が良いと思い練習し、今は吹奏楽の仕事でベースを弾いています。

コントラバスとエレキベースの共通点

コントラバスとエレキベースは別の楽器だけど共通点もある

開放弦と音の並びが同じ

低い音から(ミ-ラ-レ-ソ)と弦が張られて音の並びも同じです

チューニングが同じ

開放弦が同じ音なので、チューニングの方法も同じです

弾き方も一緒じゃないの?

ここ良く聞かれることなんですが、奏法は全く違います。

右手の指の動かし方も、左手の弦の押さえ方も違います。

音の並びは同じだけど、コントラバスは縦に手を動かしエレキベースは横に手を動かす。

一見、縦に動く動作が横になっただけのように思いますが、実際はこれだけで身体の使い方も変わってくるので、慣れるまでは本当に手が動かないんです。

器用な人は割とすぐにできるようになるかもしれませんが、僕はここで苦労しました。

ここが違うよ!コントラバスとエレキベースの右手の話

コントラバスは弦を弓の毛で擦り音を出す奏法(arco)と弦を指で弾くピッチカート(pizz)という奏法があります。

まずコントラバスとエレキベースの共通点が指で弾いて音を出すということですが、指で弾く奏法を分けて考えてみるとこのように分かれます。

吹奏楽やクラシックを弾くとき

吹奏楽やクラシックを弾くときのpizzは弓を持って弾くことが多く、右手で音の方向性を描くように弾いた後は弦から手を離すことが多い傾向にあります。

コントラバスでポップスの曲のベースラインを弾くとき

コントラバスでポップスの曲を弾くときは、弓は持たず(椅子に置く、譜面台に掛けておく)弦を弾いた後に隣の弦に指を当てて止めます。

必ずこうするといった答えはありませんが、僕はこのように弾き分けています。

そうした上でエレキベースの基本的な奏法の話をすると、弾き方はコントラバスでポップスの曲のベースラインを弾くときに近く、人差し指と中指を交互に使うツーフィンガー(2フィンガー)という奏法で音を出していきます。

吹奏楽やクラシックを弾いていると使う機会がほとんどないので、慣れていく必要があります。

ツーフィンガー奏法に慣れると得られるメリット

人差し指と中指を交互に動かすツーフィンガー奏法は慣れるまで指が思うように動かず苦労する面もありますが、慣れておくとコントラバスを弾く上でも大きなメリットがあります。

人差し指だけでコントラバスの弦を弾いていて水膨れができたり、速い動きに追いつけなくなってしまうという問題の改善、人差し指と中指2本で弾くことによって音量、響きの違いが生まれたり、交互に動かすことで速い動きに対応できるようになってきます。

吹奏楽作品を例に出すと、デイヴィット・ホルジンガー/スクーティン・オン・ハードロックに泣かされた吹奏楽部のコントラバス弾きは、ぜひツーフィンガーを覚えておくと良し。

ここが違うよ!コントラバスとエレキベースの左手の話

弦の押さえ方に関しては

コントラバス

人差し指(1)中指(2)小指(4)※薬指(3)は小指の補助

2の指(中指)と3の指(薬指)はくっつけて離れないように

エレキベース

人差し指(1)中指(2)薬指(3)小指(4)

2の指と3の指は離して各フレットを押さえる

左手の大きな違いは、コントラバスは2の指(中指)と3の指(薬指)はくっつけて離れないようにと教わることに対し、エレキベースは2の指と3の指は離して各フレットを押さえること。

この違いを比べてみると真逆のことをやっているのがわかると思います。

コントラバスの運指に慣れてるとエレキベースの運指は少し辛いことがあるため、そうした場合にはコントラバスと同じ運指(1-2-4)でベースを弾くように指導しています。

一つの手の形で押さえられる音の数は減るけれど、これでもOK。

ここが知りたい!エレキベースの楽譜をコントラバスで弾くときは?

逆にエレキベースの楽譜をコントラバスで弾くときはどうすれば良いか。

これは多くの吹奏楽部で耳にする質問で、僕の考えは基本的には弓(arco)で弾く。

エレキベースの楽譜をコントラバスで弾く場合、ピッチカートで弾いたところで音が消されてしまって聴こえないことが多いので、弱奏部分などにピッチカートを工夫して入れつつ、基本的にアルコ(弓で)で弾くことを提案しています。

オクターヴで動く8分音符は音を下げるなど工夫して弾くか、あえてチューバ譜を弾くなんて方法もあるので経験に合わせてこの辺りを工夫すると良いかと考えています。

例えば、宝島なんかはチューバの楽譜の方がコントラバスで弾くには演奏しやすいです。

エレキベースは1日10分のトレーニングで慣れる

これは僕の体験談です。

とある本番でエレキベースを弾くことになり(いわゆるベースデビュー)猛練習をしました。

このときの経験があって、今仕事でベースを弾くことがあるのですがこの時に何をやっていたかというと1日10分の基礎トレーニング×1ヶ月です。

他に曲の練習もしていましたが、毎日欠かさずやっていたのが1日10分のトレーニング。

最初は指が動かないので10分も持つことなく数分でバテてしまいます。

もしバテたらしっかり休む。無理をして怪我をしてしまっては練習ができないので、手を休ませつつ10分間の間に休憩を何度も挟んで同じ練習を繰り返していました。

この方法でエレキベースの弦を押さえるフォームに慣れてくると少しずつ弾けるようになってきて、最後は休まず10分通して弾けるようになりました。

1日10分のベーストレーニング

毎日欠かさずやっていたエレキベースの練習、いわゆる指のトレーニングです。

コントラバスの運指で練習できるパターン

コントラバスの運指表に基づいた1-2-4の形で練習していく楽譜

エレキベースの指使いで練習できるパターン

各指を開き1-2-3-4の形で練習していく楽譜

エレキベースの指使いで練習できるパターン

各指を開き1-2-3-4の形で練習していく楽譜

両方の指遣いで練習できるように楽譜を作りました。

どちらか弾きやすい方からはじめ、別の運指にもトライしてみてください。

コントラバスの運指で練習する人は、これまでレッスンノートで解説してきた音が高くなるにつれフレットの間隔が狭くなるという感覚がより分かりやすくなるかと思います。

また指弾き(ツーフィンガー奏法)で弾きますがコントラバス奏者の視点から

  • 人差し指=ダウン
  • 中指=アップ

と考え交互に動かしてみると弾きやすいかもしれません。

ツーフィンガーの奏法に関しては、いろいろなベーシストたちがyoutubeにレッスン動画を上げているのでそちらを参考にしてください。

この楽譜の使い方

楽譜は自由に使ってください(ダウンロードもプリントもOK!)

メトロノームのテンポを60に設定する(八分音符=120でもOK!)

スマホのタイマーを10分10秒からスタート、準備と弾く前のカウントを忘れずに一つ一つ丁寧に弾く。かなり遅いので左手でしっかり弦をとらえるイメージを忘れずに。

エレキベースの特訓をする前に押さえておきたいこと

疲れたら無理をしないで休む

また休まったら途中から弾き始める

翌日はメトロノームのテンポを5または1メモリ上げるあげる

これを1ヶ月毎日練習する

この練習は開放弦を使わず全て弦を押さえて音を出します。

コントラバスの運指表の指使いで練習する楽譜は「◯フレット」ではなく、コントラバスの運指表に基づいたポジションで書いているので、ベースを練習しながらあまり弾くことのないポジションの音の並びも覚えていくとコントラバスの演奏に役立ちます。

おわりに

吹奏楽部のレッスンへ行き、コントラバスパートだからとエレキベースの楽譜を渡され、構えも奏法も全く違う楽器の弾き方を教わる機会もそうなく練習している中高生からの悩み、相談を聞くたびにコントラバスとエレキベースは全く別の楽器だということを知ってもらいたく声を上げてきました。

でも、エレキベースを習得することはコントラバスを弾く上でメリットだらけ。

だからこそ、今度は自分がベースを練習してそこで得たことをどんどん発信していきます。

ベースかっこいいよね。

弾けたらマジでかっこいいから頑張ろうぜ!

実際に使用しているエレキベース関連のグッズを紹介します

新・ベーシストのための全知識

吹奏楽部でエレキベースを弾く人、そして最近ベースを始めたよって人におすすめの本。


明日のためのレッスンノートはコントラバスという楽器を手にしたけれど、パートは自分一人だけ、周りにコントラバスを教えてくれる人がいないという環境で練習に励んでいる人たちに向けて書いています。

教則本は全ページ公開しているので、ぜひお役立てください。

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イグチシンノスケ

1987年、千葉県生まれ。 船橋市立葛飾中学校管弦楽部にてコントラバスと出会う。 千葉県立市川西高等学校を経て洗足学園音楽大学へ入学。 在学中より「吹奏楽部におけるコントラバスの現状」に着目し多くの講習会に講師として参加。大学卒業後はフリーランスのコントラバス奏者としてオーケストラ、吹奏楽、室内楽をはじめ楽器製作ワークショップやレコーディングなど多方面での演奏活動をする傍ら、吹奏楽指導者・アマチュアオーケストラのトレーナーとしても活動しており、中でも吹奏楽におけるコントラバスの指導に力を入れている。 これまでにコントラバスを寺田和正、菅野明彦、黒木岩寿各氏に師事。よこはま月曜吹奏楽団指揮者。板橋区演奏家協会理事。ルロット・オーケストラ、ブラスエクシードトウキョウメンバー。

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