吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って毎週更新、明日のためのレッスンノート。
2021年度全日本吹奏楽コンクール課題曲の徹底分析シリーズはいかがでしたか?
秋から毎週更新を続けてきたレッスンノートも今日が最終回。
最後はこれまで一緒にレッスンノートで勉強してくてくれたキミにメッセージを添え、ノートを閉じたいと思います。
今日よりも良い明日に向けて
明日のためのレッスンノートという名前を付けて、レッスン記事を配信しはじめてからずっと掲げていることは、今日よりもちょっと知識の増えた明日を迎え続けたらコントラバスを弾くのがもっと楽しくなるということ。
TwitterのDMでコントラバスの奏法に関する質問が届くようになってから、周りに誰も教えてくれる人がいなくて悩んでいる人がたくさんいることに気がつきました。
そして、レッスンを受けられる環境がある学校でも、夏のコンクール前のレッスンだけでは僕が伝えたいことを全て伝えられないと感じていました。
でも、伝えたいことがたくさんあるのに夏だけのレッスンでは限界があるよね。
と言って終わらせたくない。
パートは自分一人だけ、周りにコントラバスを教えてくれる人がいないと悩んでいるDMで質問をしてきてくれるコントラバス奏者がたくさんいる
夏のコンクール前だけのレッスンで伝えられることには限界がある
だったら、これまでレッスンに関わってきた学校に渡していたオリジナルの教則本の中身を全て公開しようと決めて書き始め、毎年今の視点で書き直すという企画を立てました。
このノートがどれだけの人に役に立ち、どれだけの人が読んでくれたか僕にはわかりません。
だけど、これまで僕のもとに届いたたくさんのメッセージを読んだり、全ページ公開をした教則本のダウンロード数が1,000を超えたことを見ると、少しは誰かの役に立てたかな?と思っています。
吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って書き続けてきた明日のためのレッスンノート。
最後は、春から先輩になる、そして卒業し新しい道へと旅立つになる人へ。
そして、秋からレッスンノートを読み続けてくれたすべての人に伝えたいメッセージを残し、ノートを閉じたいと思います。
7ヶ月連続更新の旅も今日でおしまい。
あと少しだけ、お付き合いください。
4月から先輩になる人へ
今日までノートを読んでくれてありがとうございました。
レッスンノートは役に立ちましたか?
僕はノートを閉じる前に伝えたいことが一つあります。
それは
パートに自分一人しかいなくても、周りにコントラバスを教えてくれる人がいなくても、これまで書いてきたことを参考に取り組んできてくれたら、4月から自信を持って先輩になれるよ!
ということ。
僕もまだまだ勉強中。
だけど吹奏楽部でコントラバスを弾くために知っておきたいこと、今の僕が伝えられることをすべて書いてきたつもりです。
画面越しの言葉では伝えきれないことがあるのも承知の上。
生の音を聞いて、生きた言葉を交わせる時間こそがレッスンの魅力。
そうはわかっていても、吹奏楽部でコントラバスが置かれている環境は本当に様々。
だからこそ、悩んだり道に迷ったときに、地図を開くようなイメージで読んでくれたら嬉しいという思いで筆をとりました。
4月から胸を張って先輩になってください。
そして、新しく入ってきた後輩にコントラバスの楽しさを伝えてください。
吹奏楽におけるコントラバスの可能性を広げていくのは、このノートを読んでくれているあなたです。
卒業し、新しい「道」へと旅立つ人へ
卒業、卒部おめでとう!
部活動は楽しかったですか?
2020年は新型コロナウイルスの影響で演奏会やコンクールが中止となり、思うように活動ができなかった人もたくさんいると思います。
本当に大変でしたね。
僕は限られた時間、今ある環境下の中で、今できることをやろうと取り組んでいる吹奏楽部の姿を見て背中を押されました。
できなかったこと、やりたかったことたくさんあると思います。
でも、必ずできる時がくると思ってます。
ぶっちゃけ、大人の世界はとっても楽しいです。
あの時できなかったこと、思いっきりできる日がきたら全力で打ち込んでください。
僕も今、高校時代にやり残したことを吹奏楽指導者という仕事を通してやっている最中です。
いろいろなことがあったけど、それぞれの胸に刻まれているドラマを大切に、新たな道へと旅立ってください。
音楽を続けないのはもったいないの?
この時期によく耳にしますが、音楽を続けないのはもったいない!なんてことはありません。
一生懸命やっていれば、身体は覚えているものです。
やりたくなったら、またやればいい。
忘れてた感覚は、練習して思い出せばいい。
市民楽団やサークルは、楽器がある団体も多いです。
コントラバスを弾き続けたいなと思ったら、自分にあった楽団を探してみてください。
今日までノートを読んでくれて、ありがとうございました。
コントラバスを弾いていた自分自身を、いつまでも好きでいてください。
はじめて後輩を教えるときに迷ったら
人に何かを伝えるのは難しいよね。
はじめて後輩を教えるときに、もし迷ったら、初心者の気持ちになってみてください。
左手で弓を持って楽器を右に構える
これだけです。
どう?
100%ではないけれど、弓を上手く持てず、楽器を安定して構えられない状態は、はじめてコントラバスを手にしたときに感覚に近いものがあると思います。
そして、その状態の自分に自分でアドバイスをする。
もしかしたら、こうしたところにヒントが隠されているのかもしれないね。
良き伝統は良き習慣から
後輩指導のコツは、言葉で伝えるだけでなく実演すること。
「自分が!?」と思わずに、思い切って実演です。
実演し、自分の言葉で伝え、トライしてもらう。
まとめるとこんな感じ。
- やってみせる(あなたがお手本を見せます)
- なぜこうなのか?言って聞かせる(自分の口から説明する)
- トライさせてみる(じゃぁ、弾いみて!)
- できたら褒める(褒められたら嬉しいよね)
これが、後輩指導のコツだと思ってます。
自分より上手い後輩が入ってきたら
大丈夫。
その部活での経験はキミの方が上だよね。
こうした状況は、僕も経験しました。
いろいろな感情が入り混じるかもしれませんが、自分ができることを精一杯やってみればいい。
本当に上手い人は、他人をどうこう言いません。
大切なのは、音楽に向き合う姿勢。
誰かの足りない部分は自分が補うスペースなはず。
これができたら良いセクションが生まれると僕は考えます。
吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って
最終回となる今日は、今までレッスンノートを読み続けてきてくれたすべての人に伝えたいにメッセージを書いています。
自分が中高生だった頃を思うと、コントラバスの演奏レベルも上がってきたなと感じていました。
僕自身が教えている生徒を見ても、中学・高校時代の自分より弾けるなと思う人がたくさんいます。
だけど、そうした中でまだまだ誰も教えてくれる人がいない環境で右も左もわからずコントラバスを弾いている人もいます。
僕はこれからも、そうした人たちに向けた発信を続けていきます。
今日までレッスンノートを読んできてくれた人たちは、これまで身につけてきた知識や練習方法を、部活のコントラバスパートの良き伝統として残し、次の世代に伝えて行ってください。
そして、心のどこかでレッスンノートはもういいかなと思ってくれたら嬉しいです。
それは、次のステージへと進む準備が整ったからだと思います。
で、わからないことがあればノートを読んでみたらいい。
幅広い演奏技術を習得できる教則本やソロ曲にチャレンジし、新しい景色を見に行ってください。
ノートを閉じるその前に
卒部、引退。
進学、就職、そして進級。
一つのドラマが幕を閉じ、新たな旅が始まる季節にレッスンノートも終わりにします。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
人は一代、名は末代。
良き伝統を次の世代へ。
僕らの代が卒部しても、その功績は後の世代まで残ります。
人は一代、名は末代。
良き伝統を次の世代へ伝え、新たな世界へと羽ばたいてください。
コントラバスを弾く楽しさを知り
吹奏楽部でコントラバスを弾いていた頃の自分を
いつまでも好きでいてもらえたら嬉しい
そんな思いを込めて、ノートを書いてきました
明日のためのレッスンノートはこれでおしまい
7ヶ月間、ありがとうございました
吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って
コントラバス奏者・吹奏楽指導者
井口信之輔(著)
明日のためのレッスンノート
完