日記

チャレンジしやすい環境に感謝

コントラバス奏者、吹奏楽指導者、指揮者の井口信之輔です。

クラシック音楽を中心にコントラバス奏者として活動するほか、中学高校の吹奏楽部やオーケストラ部、大学サークルでコントラバスの講師を務めたり、さまざまなコンセプトを掲げて活動している各地のアマチュアオーケストラや吹奏楽団とタッグを組んで、指揮者というポジションから地域の音楽文化発展に力を入れています。

また、茨城県にある聖徳大学附属取手聖徳女子高校の音楽科でコントラバスの講師を務めています。

SNSやブログではフリーランスの音楽家のキャリアの作り方、また活動の幅の広げ方などの発信し、noteではもう少し踏み込んだキャリアの話などを書いたりしています。

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チャレンジしやすい環境に感謝

ここ数年、オーケストラや吹奏楽の合奏指導で新しい試みを取り入れています。

新しい試みを提案するといろいろな声上がることも多いですが、そんな中で「いいね!」とか「やってみよう!」と言ってくれる人や環境の存在ってとてもありがたいなと感じました。

これらは今、自分が指導者として関わっている団体で取り組んでいる試みで、周りの方々の共感や理解、応援あって続けさせていただいていることです。

少しずつ効果も見えてきて今後が楽しみな試みです。

基礎合奏の導入

吹奏楽では基礎合奏という全員で基礎練習をする機会を設けて、リズムやハーモニーなど音楽の基礎的な部分のトレーニングをするのに、なぜオーケストラではやらないのか?

そんな疑問が生まれ、アマチュアーオケストラでも基礎合奏を取り入れてみたら効果があるはずだと思い、2年ほど前から音楽監督を務めるアマチュアオーケストラで基礎合奏を取り入れました。

やってみたところ、初見力がつき譜読みが早くなりました。

また、周りを聞く耳が育ちサウンドもとても澄んだものになりました。


今後やっていきたいこと

基礎合奏にしようしているトレジャリー・オブ・スケールという教則本は長調・短調すべての調が4曲ずつ、合計96の練習曲があります。

これは既に取り組んでいるものですが、基礎合奏をしながら長調や短調の違い、調にまつわる関係性の話、例え話を日常生活に繋げてわかりやすく楽典の知識を伝えていきたいと考えています。

楽典を学ぶ!ではなく、お話を聞いてたら楽典の知識が身に付いていたというのが理想だと思っているので、僕もよりわかりやすく的確に伝えるために勉強です。

宇宙一わかりやすい!楽典講座をはじめたのもきっかけの一つです。

オーケストラでフレキシブルの楽譜の導入

オーケストラでポップスや映画音楽、ディズニーやジブリをやりたい!と言った声が上がったときに楽譜がない、難しいという問題に直面します。

楽譜が出ているものもありますが初心者には難しい難易度だったりする中、吹奏楽の世界で最近よく見かけるようになったフレキシブル(フレックス)の楽譜を導入してみました。

フレキシブルの楽譜は5つのパートと打楽器に分かれており、各パートに金管、木管楽器が振り分けられています。

そして、最近は弦楽器パートも追加されているのでとても重宝しています。

楽譜もやさしく書かれており、吹奏楽やオーケストラの楽器が5つのパートに分けられているのでどんな編成でもパズルのようにハマるのが魅力です。

実際に音を出してみるとオーケストラの場合はバランスを取るのに少し工夫が必要ですが、初心者でも演奏できるアレンジでポピュラー音楽を楽しむことができ、実際にコンサートでも取り入れたところ、初心者の方々からフレキシブルのがあるのはありがたいという声をいただくことができました。


今後やっていきたいこと

フレキシブル(フレックス)の楽譜はもっとアマチュアオーケストラや中高管弦楽部、弦楽部などに広まるといいなと思っています。また、フレキシブルの楽譜を使えば2〜3人から様々な組み合わせもデュオ、トリオの演奏も可能なので誰かとアンサンブルを組むような機会にも活用できます。

音楽教室の発表会、講師演奏、野外での演奏や高校音楽科のアンサンブルの授業などいろんな場面でも役に立ちそうだと考えています。

自分が取り組んでいるのは、オーケストラにおけるフレキシブル(フレックス)の楽譜の導入なので、実際にオーケストラで活用していることを発信していきたいと思います。

合奏入門講座

講師を務めている中高のオーケストラで今年から基礎合奏や合奏入門講座という機会を設けて取り組んでいます。

元は年度始めのミーティングで生まれた議題に対して、基礎合奏を提案したことがはじまりで弦楽器セクションの基礎合奏、そして先日はこれから合奏に参加する新入生に対して合奏入門講座をやってみました。

オーケストラや吹奏楽の世界では当たり前とされてるけど教わる機会がない

  • 楽譜の書き込み方
  • なぜ濃い鉛筆を使うのか?
  • 譜めくりのコツ
  • プルトって何?
  • 楽譜の書き込みに使う記号

などなど、知ってる人は良いですが知らない人は一度覚えておくとずっと役に立つと思っているので、これらを伝える機会を設けてみようという試みです。

今度は音楽教室のセミナーとして合奏入門の講座をやるので、主宰の先生と内容を打ち合わせ中です。参加してくださった方々に良かったと思っていただけるような時間にしていきます。


今後やっていきたいこと

合奏入門講座は内容をその場に合わせながら過去にも何度か試していて、仮説・検証を繰り返しているところですが確実に手応えを感じているので、どんなことを伝えたら合奏の時間がより充実したものになるか自分自身も研究を重ねていきたいと考えています。

新しい試みは応援していきたい

新しい試みを提案するときの付きものとして、現状維持勢からの声や否定的な意見というものがありますが、これらはあって当たり前なのでそういうものだと思っておくと同時に、やったことないことを感情で否定しないということだけは大事にしていきたいと思います。

それと同時に、自分も保守的なとこがあったりするので誰かが新しい試みを提案したときは「やってみよう!」と声を上げられる柔軟性は持っておきたいなと思うところです。

同時に結果が上手く出なかったり、あまり効果を感じられなかったときはしっかり認めて「上手くいきませんでした!」と言えるようにしていきたいなと思います。

いろいろな試みをやらせてくれる、今の環境や仕事仲間には感謝だなと感じることが多いので、帰り道に考えていたことを言葉にしてみました。

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イグチシンノスケ

千葉県出身。 船橋市立葛飾中学校管弦楽部にてコントラバスと出会う。 千葉県立市川西高等学校吹奏楽部を経て洗足学園音楽大学へ入学。 2022年春学期東京音楽大学指揮研修講座修了。 在学中より「吹奏楽部におけるコントラバスの現状」に着目し、多くの講習会に講師として参加。大学卒業後はフリーランスのコントラバス奏者としてオーケストラ、吹奏楽、室内楽をはじめ楽器製作ワークショップやレコーディングなど多方面での演奏活動をする傍ら、吹奏楽指導者・アマチュアオーケストラのトレーナーとしても活動しており、中でも吹奏楽におけるコントラバスの指導に力を入れている。 これまでにコントラバスを寺田和正、菅野明彦、黒木岩寿各氏に師事。指揮法を川本統脩、三河正典各氏に師事。よこはま月曜吹奏楽団指揮者。初心者と子どものためのオーケストラpìccolo音楽監督。板橋区演奏家協会理事。取手聖徳女子高等学校音楽科非常勤講師。

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