先日、『今、自分が音大卒業を控えた学年だったら音楽を仕事にするために残りの3ヶ月で何をするか』というタイトルでブログを書いたらとてつもない量となり、文字数が2万文字を超えてしまったのですが、そのまま投稿したら読むのがとても大変だったので、何回かに分けてみようと思いました。
元に記事はこちら。
前回の記事では『噂や世間の批判的な声を分析してみる』をテーマにもし、この春に音大を卒業する過去の自分とサシ飲みする機会があったら伝えたいことを書いていきました。
今回は『音楽家とSNSに思うこと』をテーマに、もし過去の自分と(洗足の4年生で卒業試験を控えた頃)サシ飲みをする機会があったらこんな話をするんじゃないかなということを書いてみようと思います。
自分もSNSがきっかけで仕事の依頼をいただいたり、活動の幅が広がっていきましたが、その過程で見えた流れ、そして今のSNSに思うこと、自分が今SNSをやるならどうするかを綴ってみます。
目次
音楽家とSNSに思うこと
今、多くの音楽家が発信をして活動の幅を広げたり創作活動をしている。
ほんとうにたくさんの才能があって、特に今の20代の音楽家やクリエイターの多才さには驚くばかり。その一方、これだけSNSが浸透した世界に生きづらさを感じている人もいると思う。
テレビをつけたらYouTubeの再生回数、インターネットにつなぐとSNS戦略、バズる方法、フォロワーの増やし方、インフルエンサーになるためのノウハウに溢れてる。
特にコロナ禍はこれを加速させたように思う。
最後は、自分が思うSNSの使い方を書いてみようと思う。
発信という文化が根付くまでの5年間
音楽家がこれだけSNSで発信するようになる世界を誰が想像しただろうか。
今から5年前はアメブロで活動日記を書く人がいたり、Twitterも「◯◯なう」とか「ラーメンうまい」とかそんなつぶやきが多かった気がする。
話が脱線するけど僕はいまだに「wwww」の使い方がわからないので誰か教えてください、プロフィールに「wwwwの使い方を◯◯氏に師事」って書きます。
とにかく、ほのぼのとした雰囲気がまだ残ってた気がする。
楽器の奏法やノウハウをSNSやブログで発信する人たち
で、そんな中でちょっと変わった使い方をする人たちが出てきて、僕ものその一人。
いわゆる、楽器の奏法やノウハウ系の発信する人たちの登場だ。
これが目新しいことで、多くの人が批判されたりしたわけだ。
Twitterはもちろん、ブログも少しお金をかけて相手が読みやすいような形にして記事を書くのでブロガーなんて笑われたり、そんなことに時間使うなら練習した方がマシとかいろんな声があったよね。
でも、教則本や音楽系の雑誌に書かれているワンポイントレッスンに近いものがあって何が違うかというと有名な人かあまり名が知られていないの違い、若手だかとかそういった点。
だから怪しかったんだと思う。
でも、そうした発信が自分の活動の幅を広げ仕事に繋がることもあるってことが少しずつ認知された、多くの人がブログやSNSで楽器の奏法やノウハウを発信するよになった。
演奏動画をアップする人たち
その後、2018年くらいになると演奏動画をアップする人が出てきた。
YouTubeだったり、SNSだったりとくに僕らと同年代や少し下の世代が多かった印象だけど、これもやっぱり多くの批判があった。
中には若手が自分の演奏をネットに公開するなんてというような声もあったけど、そんなこと言ってたらクラシック音楽の文化はいつか滅びる。
ちょうどYouTuberという人たちが出てきた頃で、音楽家がこれをやるとYouTuberとか笑われるような感じ、あったよね。でもYouTubeや演奏動画のアップを始めた人たちって、きっといろんな理由があると思って、そこまで伝わらずにいろんなことを言われてしまっていた気がする。
でも、そうした挑戦が自分の活動の幅を広げ仕事に繋がることもあるってことが少しずつ認知された、そしてコロナ禍になって多くの人たちが演奏動画をアップするようになった。
新しいことが世間に浸透するまでの差は約2年
この5年間で大きく印象に残ってるのはこの二つで、新しいことを誰かがはじめて批判的な声が上がって世間に認知されるまでの差っていうのが大体2年だと感じてる。
で、安心・安全が確立されてから多くの人がはじめる。
もし、SNSやインターネットを活用して自分の活動の幅を広げていきたいと思ったら、過去5年間の流れは頭に入れておいた方がいいと思う。
もちろん批判的な声がダメなわけではないけれど、知らないことを否定してしまったり、感情的な批判は数年後に自分を苦しめることもあるから気をつけておきたいところ。
自分が過去にブログやYouTubeを批判してしまった手前、動きにくい人もいるんじゃないかな。
世間が左を向いたら右を、右を向いたら左を眺める
これは音楽に限らず、世間が見ている逆の方向を眺めてみるといろんなチャンスやヒントがあることが多い。例えば最近で言うと年賀状廃止ってワードがトレンド入りしたことで、これどう思う?
年賀状廃止に思うこと
去年、Twitterで年賀状廃止というワードがトレンド入りしていたのを見かけた。
ペーパーレスや環境問題への意識の高まりでそうした方向に向かっていることは一度置いておき、中には「もう年賀状なんて古い!」とか「いちいち送るのがめんどくさい」と言った声もある。
でも、世間一般的な声でなく、個として生きるフリーランスとして考えてみるとどうだ?
ほとんどの情報が親指に集まり、コロナ禍もあって人に会えなくなり、オフィスいらない出勤しなくても自宅勤務でOK、何でもかんでも無駄は廃止!みたいなことになると、人と人との繋がりが一気に薄れる。確かにその方が良い点もあるけれど、けっこう寂しい世の中になるよね。
ってことは、人と人との繋げてくれる暖かさの価値がグンと上がる。
そういえば、西武ゆうえんちが昭和レトロにリニューアルオープンしたよね。
時計の針を昭和30年代までグッと戻してリアルな昭和を演出した世界観が大人気らしい。
当時がどんな時代だったかわからないけど、古き良き、暖かさ(昭和を表現するとき夕日なんて言葉がよく使われる)なんか今より活気があったイメージ。
実はみんな、そんな人と人との繋がりが深かったあの時代に憧れを持ってるんじゃないかな?
だとしたら、この年賀状廃止に「そうだそうだ!」なんて言ってられないと思ったところ。
今、SNSを使うならきっとこうする
最後は今、自分がSNSを使うとしたらどうするかを書いてみようと思う。
まず思うのが、今はいろんなSNSの使い方をしている人がいるから、とにかくいろんな人の発信方法に触れて、面白そうなものを真似してみる。
ちなみに僕のスタイルは
- SNSマーケティング
- セルフブランディング
- ペルソナ設定
- 投稿時間
- トレンド
を考えることはそこまで重要視しておらず、フォロワーやいいねの数にもあまり興味がなく、ただそのとき自分が良いなと思ったものを発信する。
とにかく自分が発信を楽しむことに一番重きを置き、ゲーム感覚でいろんなことにトライしてみる。
宣伝やブログの更新情報だけじゃなくて、その人の人がわかる方が面白いと思うし、どうでも良い投稿もするし、失敗談やネガティブツイートもすると思う。あとは動いてる動画、喋ってる声、たまに楽器の音なんかが入れば総合的にその人がどんな人かを相手が想像しやすいように思う。
で、何かをやると決めたら誰に届けるかも含め徹底的に考えて誰よりもやる。
そうした上で、例えば日本で一番吹奏楽のコントラバスに関するノウハウを発信するとかね。
これまで着手したものだと、質問箱で答えてみた、明日のためのレッスンノート、stand.fmでの音声配信とか。
ペルソナ設定、SNSマーケティング
もしレッスンなどのノウハウを発信するのであれば徹底的に他者目線で、ペルソナを考えるとしたら架空の人物よりも過去に出会った人か自分。
SNSマーケティングに関してはよくわからないけど、Twitterでアンケートとってみたり、あとは楽器系のノウハウを発信するなら実際に現役の中高生に質問したり、でもこれはSNSじゃないね。
あとは、自分がやりたいことや発信したいことと世間が求めている需要にどれだけのズレがあるかってところは考える。
発信から活動の幅が広がるまでのプロセス
そんな感じで発信をする中で演奏依頼やレッスン、活動の幅が広がっていくまでのプロセスを考えてみると
- 認知…まず知られること(タイムラインを見る、バズって目に止まる、◯◯な人など)
- 興味…その人が気になる、興味を持つようになる(ブログ、動画にアクセス、DMで質問、相談、LINE公式アカウントを登録してみるなど)
- 信用
- 人気…ファン、好き、応援したい(その人のことが好きになる、応援したい、ファン)
- 相談、依頼(演奏依頼、レッスン、チケット問い合わせなど)
のようになってくる。
興味と人気の間にあるのは信用で、仕事は人と人との繋がりの上にある信用の先にあることを忘れずに。
これだけSNSが発展してる今、SNSの使い方を書くのは難しいね。
このまま締め括ると終わった感じがしないので、もう少しだけ書いてみます。
おわりに
卒業までの3ヶ月でやっておきたいことって書いたところからここまでが長かったので全6回に分けて書いてきました。
僕が相談を受けると答えるのがこの辺りのこと。
まず自分が今年音大を卒業する学年だったら残りの3ヶ月で何をやるかにはじまり、そこからどうやって活動の幅を広げていくかを過去の自分とサシ飲みをしているような気持ちで書きました。
こんなこと書いてるけど、僕もまだまだ夢の途中だし現状に満足なんかできてないので頑張ります。
ここまで読んでくれた方がいたら、ありがとうございました。
もし、この先の音楽活動に悩んでいる人がいて、少しでも背中を押すようなことができたら嬉しいです。
頑張ろうね!