コントラバス奏者、吹奏楽指導者、指揮者の井口信之輔です。
コントラバス奏者としての活動を軸に、全国各地の吹奏楽部やオーケストラ部でコントラバスを教えたり、大学のサークルやアマチュアオーケストラの弦楽器のトレーナーをしたり、さまざまなコンセプトを掲げて活動しているオーケストラや吹奏楽団とタッグを組んで指揮者というポジションから各地の音楽文化発展に努めています。
さて、ブログで楽典や音楽理論の話をわかりやすく解説していくということではじまった楽典講座。
今回は、前回の講座で知った音の名前(音名)にシャープ(♯)やフラット(♭)が付いたときの読み方を覚えていきましょう。
楽典講座を通して知ったことが、日々の音楽活動のプラスになったら嬉しいです。
それでは、井口先生の「宇宙一わかりやすい!」 楽典講座スタートです!
前回の復習
前回の講座では音の名前、つまり音名(おんめい)を覚えていきました。
代表的な4つの国での音の呼び方を知り、音楽の世界でもっとも多く使われているドイツ音名に触れていきました。
ドイツ音名
C(ツェー) D (デー)E (エー)F(エフ)G(ゲー)A(アー )H(ハー )C(ツェー)
ドイツ語ではドのことをCと書いて(ツェー)と呼んで、以降は上に書いた通り。
じっくり復習したい人はこちら
シャープ(♯)やフラット(♭)が付いた音名
前回の講座で覚えたのは、ピアノの白い鍵盤(白鍵)の音でした。
次はシャープ(♯)やフラット(♭)によって音が変化したときの音名を覚えていきましょう。
まずはシャープ(♯)やフラット(♭)の意味と役割を書いていきます。
- シャープ(#)の役割
音が(半音)高くなる
ピアノの白い鍵盤のラの音を基準に考えてみると、音が高くなるので右の黒鍵に進みます。
- フラット(♭)の役割
音が(半音)低くなる
ピアノの白い鍵盤のラの音を基準に考えてみると、音が低くなるので左の黒鍵に進みます。
言葉の後ろのに◯◯が付く
シャープ(♯)やフラット(♭)の意味と役割がわかったら次は音名を覚えていきます。
言葉の後ろのに◯◯が付くということに着目し、ドイツ音名を並べてからシャープ(♯)やフラット(♭)が付いた場合の変化を見ていきましょう。
まずドイツ音名を並べると
C(ツェー) D (デー)E (エー)F(エフ)G(ゲー)A(アー )H(ハー )
ここにシャープ(#)やフラット(♭)が付くと次のように変化します。
- シャープ(#)が付くと言葉の後ろがisに変化
C(ツェー) D (デー)E (エー)F(エフ)G(ゲー)A(アー )H(ハー )
にシャープ(#)が付くと、言葉の後ろが is に変化し
Cis(チス) Dis(ディス)Eis(エイス)Fis(フィス)Gis(ギス)Ais(アイス)His(ヒス )
となります。
- フラット(♭)が付くと言葉の後ろがesに変化
C(ツェー) D (デー)E (エー)F(エフ)G(ゲー)A(アー )H(ハー )
にフラット(♭)が付くと、言葉の後ろが es に変化し
Ces(ツェス) Des (デス)Es (エス)Fes(フェス)Ges(ゲス)As(アス)B(ベー)
となります。
H(ハー/シ )の音はフラットが付くとB(ベー/シ♭)と読みます。
ここまでがドイツ音名にシャープ(♯)やフラット(♭)が付いたときの読み方です。
そしてナチュラル(♮)という記号が付くと変化していた音名は元に戻ることになります。
今回のまとめ
それでは最後に今回のまとめです。
- ドイツ音名を覚えたら(ピアノの白鍵の部分)
- シャープ(♯)やフラット(♭)によって変化した音名を覚える(ピアノの黒鍵の部分)
- ナチュラル(♮)が付いたら変化した音名が元に戻る
この3つを覚えることでドイツ音名が読めるようになります。
あとは「あれ、この音なんて読むんだっけ?」と思ったときに振り返ることを忘れないでください。
楽典は完璧に覚えてから次に進むより、ざっくり覚えて振り返ることが大切です。
次回、井口先生の「宇宙一わかりやすい!」楽典講座は、もう少しドイツ音名について考えていきます。
もうお気づきの人もいるかもしれません。
「あれ?この音って呼び方違うけど同じ音じゃないの?」
という疑問について考えていきます。
それでは、また次回の楽典講座でお会いしましょう!