コントラバス奏者、吹奏楽指導者、指揮者の井口信之輔です。
コントラバス奏者としての活動を軸に、全国各地の吹奏楽部やオーケストラ部でコントラバスを教えたり、大学のサークルやアマチュアオーケストラの弦楽器のトレーナーをしたり、さまざまなコンセプトを掲げて活動しているオーケストラや吹奏楽団とタッグを組んで指揮者というポジションから各地の音楽文化発展に努めています。
さて、ブログで楽典や音楽理論の話をわかりやすく解説していくということではじまった楽典講座。
全6回にわたって音程についての解説を終え、今回から新しいテーマに入っていきます。
新テーマは音階(スケール)です。
音楽をやっていると、いろいろな場面で音階を演奏する機会がありますね。
その音階にはどんな種類があり、特徴があるのかを一緒に学んでいきましょう。
楽典講座を通して知ったことが、日々の音楽活動のプラスになったら嬉しいです。
それでは、井口先生の「宇宙一わかりやすい!」 楽典講座スタートです!
音階について
今回から新しいテーマ、音階について解説をしていきます。
習い事から部活動、サークル、趣味など音楽をやっていると、いろいろな場面で音階を演奏することがあります。
音階って何?って人はドレミファソラシドというドから順番に音を並べたものだと思ってください。
音階とは?
音階とは、一つの音を基準にしてその上に積み木のように音を積み重ねた階段です。
例えばドの音を基準にレミファソラシドと音を順番に並べて上りの階段を作ることもできるし、逆にシラソファミレドと下りの階段を作ることもできます。
音階には一定の規則がある
音階は1オクターヴ(ドからド)の中に7つの音を並べで組み立てていきますが、明るい表情を持った音階、暗い表情を持った音階があり、さらにふたつの性格の異なる音階の中で音の並べ方に一定の規則があります。
音階の規則を理解する
まずは音階の種類や呼び方を学び、ふたつの性格を持つ音階の特徴を理解し、音階がどのように作られるのかという規則を知るところがゴールとなります。
音階の種類:ふたつの音階の特徴を知ろう
音階は
- 明るい響きがする長音階(長調の音階)
- 暗い響きがする短音階(短調の音階)
のふたつに分けられます。
そして音階のはじまりとなる音のことを主音(しゅおん)と呼びます(開始音ともいう)
この主音がドであればドからはじまる音階、ソであればソからはじまる音階となり主音+長音階か短音階で音階の種類を判別します。
明るい響きのする音階
明るい響きのする音階を長音階(ちょうおんかい)と呼びます。
音階を呼ぶときは長調、またはドイツ語のDur(ドゥア)という言葉を使います。
また英語ではMajor(メジャー)と呼び吹奏楽の世界やポップスの分野でよく使われます。
音名にいろいろな国での呼び方があったように音階も同じです。
ドからはじまる音階であればハ長調、C-Dur(ツェードゥア)ということですね。
ざっくりお覚えておけばOK
長音階の特徴の一つは主音と3番目の音(第3音)の音程が長3度の明るい響きになっていること。
この部分は、今の時点ではざっくり覚えておけばOKです。
暗い響きのする音階
次に、暗い響きのする音階です。
暗い響きのする音階を短音階(たんおんかい)と呼びます。
音階を呼ぶときは短調、またはドイツ語のmoll(モール)という言葉を使います。
また英語ではminor(マイナー)と呼び、同じく吹奏楽の世界やポップスの分野でよく使われます。
音名にいろいろな国での呼び方があったように音階も同じです。
ドからはじまる音階であればハ短調、c-moll(ツェーモール)ということですね。
ざっくりお覚えておけばOK
短音階の特徴の一つは主音と3番目の音(第3音)の音程が短3度の暗い響きになっていること。
また、短音階はさらに3つの種類に分けられるということ。
この部分も、今の時点ではざっくり覚えておけばOKです。
まとめ
それでは、今回のまとめです。
音階は一つの音を基準にしてその上に積み木のように音を積み重ねた階段で、主音(開始音)から7つの音を順番に並べて組み立てていく。
そして、明るい響きのする長音階、暗い響きのする短音階に分けられる。
ここまでを頭に入れたら、最後に音階の表記方法を覚えておきましょう。
音階の表記方法
長調の場合は主音(開始音)を大文字で、短調の場合は小文字で表記します。
主音(開始音)C-Dur(長調)
主音(開始音)c-moll(短調)
という感じです。
また、長調と短調は名詞になるためDurとMollが正しい表記と書かれている参考書もありますが、ひとまず大文字、小文字で分けてみてそれからその場に応じた書き方にすれば良いと思います。
今回は長音階、短音階の違いをざっくり理解できたら目標達成です。
ここからさらに、ふたつの性格を持つ音階について考えていきましょう。
次回、井口先生の「宇宙一わかりやすい!」楽典講座は、学ぼう!長調の音階の特徴というテーマで長音階の持つ特徴についてより深く考えていきます。
音名、そして音程で学んだことが出てくるので思い出しながら、新しい知識を身につけていきましょう。
それでは、また次回の楽典講座でお会いしましょう!