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どうしてる?吹奏楽部のレッスンスケジュールをうまく組むコツ。

コントラバス奏者、吹奏楽指導者の井口信之輔です。

クラシック音楽の世界でコントラバスを弾いたり、中学高校の吹奏楽部をはじめとした音楽系部活動でコントラバスを教えたり、取手聖徳女子高等学校音楽科にてコントラバスの講師をしています。

SNSでは日常の出来事をつぶやいたり、自身の活動や吹奏楽におけるコントラバスについてのこと、音楽家とキャリアの話をブログに書いたり発信したりするのが楽しみです。

最近はフリーランスの音楽家とギャラ交渉、金額設定の話が多く読まれています。

さて、今日は仕事に行く途中にふとツイートしたことから思い浮かんだブログのタイトルがあったのでそのことについて書いていこうと思います。

こんなことつぶやいてたら…

こんなタイトルが浮かんできた。

ので記事にしてみます。

フリーランスの永遠の課題、日程調整

今年も吹奏楽コンクールの時期がやって来ようとしています。

吹奏楽の甲子園と言われるように吹奏楽の世界が一番盛り上がる時期でもありますね。

僕たち音楽家も、学校吹奏楽部のレッスン(演奏、音楽指導)を通し吹奏楽部員たちの音楽活動をサポートする機会が一番多い時期。

併せて、コロナ禍も明けてきて各地で演奏会もたくさん開かれるようになりました。

忙しくなってくることはありがたいことだけど、スケジュールをうまく組めるかが心配なんてこともあったりしませんか?僕は毎年この時期うまく予定が組めるかどうかドキドキしています。

同業の仲間でもこの時期に話題に上がる「日程調整どうやってる?」という話、僕なりのスケジュール調整方法を書いてみようと思います。

スケジュール調整「基本の基」

吹奏楽部のレッスンスケジュールをうまく組むコツ、まずは連絡をいただいた学校から。

シンプルにコレです。

まずは連絡をいただいた学校から予定を押さえること。

なんかタイトルがうまく組むコツみたいな感じなので、変化球のようなコツがあるのかと思えばどストレートな答えでした。

まず、これまでもお世話になっている学校であれば、いつも大体どの時期にお声がけをいただけるか過去のやりとり、去年の手帳から想定できるので「そろそろ◯◯高校からレッスンの依頼が来る時期かな?」と仮説を立てることができます。

新規の学校であれば、最初にいつ頃のレッスンを希望されているかヒアリングをするので、そこで大まかな候補日をいただき調整していく形。

ここで平日のレッスンも可能かを含めて相談させていただいています。

なので、まずはお声がけくださった学校から予定を埋めていくというところ。

前後のスケジュールと距離を合わせて考える

まずは連絡をいただいた学校から予定を押さえるというのが僕の大前提ですが、こちらサイドの都合としては前後のスケジュールと併せて、アクセスしやすい日にちで調整する。

とくに演奏活動と音楽指導(レッスン)を両立している場合、リハーサルの後に学校に行ってレッスンというパターンが多いと思うので、レッスンの前にどこにいるのかが重要になってきます。

あと、車で移動をしているのか電車で移動をしているのか。

電車であれば

  • 東京〜千葉など県をまたぐの移動は約1時間
  • 神奈川〜千葉など三県またぎの移動は約2時間

の移動時間を見積もっておき、あとは肌感で微調整。

車移動の場合は、渋滞を予想して移動時間は多めに見積もっておくことも忘れずに。

この辺りを考えてスケジュールを調整しないと、予想もしなかった渋滞などで部活に迷惑をかけてしまうので、こちらの移動スケジュールなども考慮しながら提案していく形です。

どうしてもその日しかダメな場合

移動時間がギリギリだけど、どうしてもその日にしか組めないような場合は事前に交通状況によっては少し遅れる可能性があることを伝えておくなど良し。うっかり伝え忘れてしまうこともあるけど、この一言けっこう大事だと思います。

過去に、「朝6時に福島県を出るのでお昼13時過ぎには到着できると思います。道路状況によっては少し遅れての到着となるかもしれません」というようなメールがありました。どうしても、この日しか空いてなかった日の思い出です。

年間行事予定を入手しておく

これ、メチャクチャおすすめです。

お付き合いの長い学校も、新しくご縁をいただいた学校も多くの場合、学校のホームページに学校の年間行事予定がアップされているので、先に年間の行事予定をリサーチしておいて

  • テスト期間と諸活動停止期間
  • 答案返却と短縮日課
  • 振替休日(体育祭とかの)
  • 県民の日、開校記念日、祝日
  • 最終下校
  • 5時間授業と6時間授業(7限)の日

を調べておく。

で、前後のスケジュールと併せた移動時間や距離、レッスン可能時間の仮説を立てておく。

最近では部活の予定表を写真で送ってくださる先生もいるので、先に調べてこの日に組み込めたら良いなと思う仮説と予定表を照らし合わせて日程調整。

とくに忙しくなってくると

  • 開校記念日、県民の日
  • 答案返却、短縮日課
  • 振替休日

が神様のように感じるときがあります(あぁぁ!この日なら大丈夫だ!)

同じ地域でも学校によって試験期間が違う

これ、うっかり見落としてしまいがちでしたが、同じ市内でも学校によって試験期間が若干違うのでA中学校がテスト期間だけど、B中学校の部活はやってるみたいなこともあります。

なので、年間行事予定は本気でおすすめです。

最終下校と時間割のリサーチ

最近知ったのですが、中学校は地域によって最終下校が違うので平日の放課後50分しか部活ができない地域もあれば、2時間くらいできるところもあったりします。

肌感としては、中学校より高校の方が時間が自由なことが多いです。

元々、部活動のレッスンといえば土日の午前又は午後、一日が主流でしたが、部活動ガイドラインの制定で土日はどちらか1日が休みになってから、平日もレッスン可能となる学校が増えてきました。

とてもありがたいことですが、地域によっては十分な時間が取れない場合もあるので、最終下校と時間割のリサーチをしておくと、平日の日程調整がとてもスムーズになります。

先生も忙しい中やりとりをしてくださるので、なるべくサクッと終わらせたら良いなと思います。

学校に提案するときも「学校のHPを見てみたら、火曜日は5限までの授業なので少し長めにレッスンができるかと思いますがいかがでしょうか?」とか「レッスンは2時間取れたらと思いますが、最終下校は何時となりますか?」とこちらサイドからも具体的な提案ができるし、やりとりもスムーズです。

水曜日は部活が休みな学校が多い

これも多くの学校とやりとりをさせていただく中で感じたことですが、中学高校問わず平日に一日休みを設けている学校は水曜日を休みにしていることが多いです。

水曜日に活動している学校は、水曜日で相談させていただくことが多かったりします。

この辺りも知っておくと、他の仕事との調整がしやすくなります。

土日希望、だけどもう渡せる予定がないときは

休日のレッスンを希望されているけど、もうお渡しできる日にちがないときは…

僕は無理言ってしまいますが「平日2回に分けてレッスンできないか?」という提案をするときがあります。お互い都合がつきどうしてものときだけですが、平日1時間くらいしか部活ができないとレッスンも十分に時間が取れず中途半端になってしまうので、近い日にで2回に分けての提案。

この場合の金額は1日分のレッスン謝礼のみで2回分はいただきません。

数日経って連絡がないときは?

もし、レッスンの候補日を送って数日返信がない場合、どうしていますか?

僕は再度メールを送り、候補日でレッスンは可能かの相談をして行きます。

返信が途切れてしまっても、再度こちらから連絡することは失礼でないので、早いうちにどんどん話を進めるのが良し。忘れてしまってるときもあるし、早めに聞く。

余白はそのままにしておく

これ、手帳に空白があると何か予定を入れてしまいがちですが、余白って大事なんです。

むしろ新しいことは余白から生まれるので、余白を残しておくことは大切。

僕は手帳のマスに予定を書くとき

  • 上段に午前中の予定
  • 中段に午後の予定
  • 下段に夜の予定

を書くので、余白の部分にシャーペンで丸をつけておいて、対応可能な時間と場所を書いておきます。そうすると、急で何か依頼をいただいた際にスムーズに対応できます。

次は聞かない。だけど

最後はちょっとデリケートな部分で一つ大切にしているのが、はじめて行く学校では次を聞かないこと。

レッスンが1回だけなのか、継続して見ていくのかは気になるところですが、こちらから次は聞かないようにしています。良いレッスンだったかどうかを判断するのは生徒、そして顧問の先生。

希望があればまた連絡をいただけるし、元から1回のみだったということも多いし、良くなければ声はかからないので、次は相手からの連絡を待つ。

最初のヒアリングの際に「もし、夏のコンクールに向けて何度かレッスンを検討されていましたら初回のレッスンの後に今後のスケジュールの相談をさせてください」とかお礼のメールの文末に「また今後、ご希望があればいつでもご連絡ください」と一言添えるくらい。

そこで何度かレッスンを検討してるとお話しされていたら、ここではじめて次を聞くか、今後また連絡があるかもしれないというところだけメモしておく。

こっちから「次はいつにしますか?」とかそうした売り込みのようなことはしないように僕はしています。

というのも、マッサージ好きでよくクーポンを使って施術を受けに行くのですが、施術が終わってお会計が済んだ後に「次回の予約どうしますか?」って聞かれると、断りにくいんですよね。

で、また考えますとか言って流れる微妙な空気でお店を出るということを何度か経験したので、断りにくい状況は作らないということを大切にしているつもりです。

おわりに

時代をコロナ前、コロナごと分けてみると部活動のあり方も大きく変わってきました。

部活動ガイドラインの制定が話題になったコロナ前はまだ土日は両日活動して1日練習が一般的でレッスンも休日に2件ずつ入れられるようなスケジュールでしたが、コロナ禍を経て部活動のあり方も変わりつつある今、休日はどちらか1日3時間のみなどかなり時間的な制限が出てきました。

となると、休日のレッスンは土曜日に集中するので何も考えずに予定を入れてしまうと後から依頼をいただいた学校とのスケジュール調整が難しくなってきてしまいます(実体験に基づく)

そして、今年はコロナが明け(というタイミングにしておく)演奏関係の仕事も戻ってくる中でのスケジュール調整になるので、過去2年よりも調整に工夫が必要になってくると感じているので、一つ一つ丁寧にスケジュールの調整ができたらと思います。

昨年度は年間通して約45校、このやり方でスケジュール調整させていただきレッスンを届けてきました。

今年もはじまる夏のコンクール、いろんな学校との出会いが楽しみです。

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イグチシンノスケ

千葉県出身。 船橋市立葛飾中学校管弦楽部にてコントラバスと出会う。 千葉県立市川西高等学校吹奏楽部を経て洗足学園音楽大学へ入学。 2022年春学期東京音楽大学指揮研修講座修了。 在学中より「吹奏楽部におけるコントラバスの現状」に着目し、多くの講習会に講師として参加。大学卒業後はフリーランスのコントラバス奏者としてオーケストラ、吹奏楽、室内楽をはじめ楽器製作ワークショップやレコーディングなど多方面での演奏活動をする傍ら、吹奏楽指導者・アマチュアオーケストラのトレーナーとしても活動しており、中でも吹奏楽におけるコントラバスの指導に力を入れている。 これまでにコントラバスを寺田和正、菅野明彦、黒木岩寿各氏に師事。指揮法を川本統脩、三河正典各氏に師事。よこはま月曜吹奏楽団指揮者。初心者と子どものためのオーケストラpìccolo音楽監督。板橋区演奏家協会理事。取手聖徳女子高等学校音楽科非常勤講師。

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