コントラバス奏者、吹奏楽指導者、指揮者の井口信之輔です。
オーケストラや吹奏楽、室内楽でコントラバスを弾いたり、吹奏楽部やアマチュアオーケストラ、吹奏楽団のパート指導・合奏指導をしたり、指揮者を務めています。
この日記は、コロナ禍に生まれた何もない時間を利用して東京音楽大学の指揮研修講座で指揮を学ぶ僕が、指揮研修生として勉強を重ねていく過程を発信していく日記です。
なぜ、指揮を学びに行っているのかを書いた記事はこちら
春学期も今月でおしまい
4月から東京音楽大学の指揮研修生として指揮を学びはじめ毎週のように大学に通いレッスンを受けていましたが、時間が経つのは本当にあっという間で今月で春学期が終了となります。
レッスン回数を数えてみたら今回までで14回。
毎回たくさんの学びがありました。
この指揮研修生の成長日記は4月から毎週更新しておりますが、最初の頃に夏までの勉強計画というものを作り記事にしていました。
今回は、春に書いた夏までの勉強計画と今の現状について書いていきます。
4月に書いた「夏までの勉強計画」
4月に書いた指揮研修生の成長日記 #3 『今、考えている夏までの勉強過程』に書いた文章を引用しながら今、考えていることを書いていこうと思います。
僕も記事を読み返すことはなかったので、何を書いていたか読むのが楽しみだったりします。
指揮研修生は7月で一旦終了
まずは春学期終了後のことについて。
指揮研修生は、春期・秋期に分かれており、今の計画としては春期のみの予定ですが、既に秋期も通いたい気持ちが高まっています。
東京音大の指揮研修生は春学期・秋学期と分かれており半期ごとに継続するかどうかを決めていきます。
こちらは当初の予定通り継続はせず春学期で受講は終了することにしました。
正直、秋学期も継続して勉強し年間を通して指揮を学びたかったですが、ありがたいことに仕事が忙しくなり仮に継続をしたとしても半分以上レッスンをお休みしないといけないため、一度受講は終了し、来年の春学期に再度受験をして勉強を続けていこうと考えています。
4月と今の働き方の変化
当初、コロナ禍に生まれた何もない時間を利用して指揮を学びに行くというのが一つの目標でした。
4月といえば緊急事態宣言&まん延防止等重点処置が解除されたものの、まだ仕事は戻らず事業復活支援金ももらえずという状況の中、営業をしたり生活の立て直しをしている最中。
当時の記事にはこんなことが書かれていました。
生活をしていく上での仕事をしっかしした上で、大学で学ぶ時間と予算を作るって僕にはまだまだ大変たところがありますが、今年度はコロナ禍2年の経験から軸足をしっかりと固めるという部分を再設計し直しているので、しっかり考えていきたいと思います。
コロナ禍に生まれた何もない時間を利用して指揮を学びに行くといいつつも、いつまでも仕事がもおらない状態であれば自分の事業自体を見直さなければならないですが、まず感染者数の減少と合わせて夏の吹奏楽コンクールに向けたレッスンから徐々に戻ってきて、アウトリーチや学校公演、芸術鑑賞会で演奏することが多い僕の場合は、演奏の仕事が戻ってくるのは夏以降だろうなと仮説を立てていました。
この仮説はほぼその通りになっており、また思ったより早めに演奏関係の仕事もできるようになったので6月からは仕事と勉強の両立がとっても大変でした。
でも、自らが希望して学び行っているので自分にかかる負荷は心地よく、隙間時間や移動時間を見つけてはスコアを開くような生活が続きました。
中でも、今年度はコロナ禍2年の経験から軸足をしっかりと固めるという部分に大きな変化があり、秋から続けてきた営業活動が実を結び、コロナ禍で崩れかけた生活の基盤をなんとか立て直すことができました。
ここは来年の受験にも関わってくるので、まずは一安心。
諦めないでよかった。
夏までに学びたいこと
最後に夏までに学びたいことを書いていました。
当時の記事を読み返すと
ざっくりですが、夏までに勉強したいこととして
- いろんな振り方
- ワルツ
- 吹奏楽作品
というものをイメージしています。
と書いてありました。
指揮のレッスンはJ.シュトラウスの喜歌劇「こうもり」序曲からはじまり、ここでリタルダンド、フェルマータのとり方、テンポの変わり目の振り方やワルツに触れることができました。
そして次にワルトトイフェルの「スケーターズワルツ」でワルツの振り方を学びました。
特に、僕はテンポの変わり目やrit.フェルマータの取り方、小節線を挟んで大きくテンポが変わるような部分の振り方が苦手なのでそういった部分を勉強したい。
なので、まずはヨハン・シュトラウスのオペッレッタ「こうもり」の序曲を見ていただきました。
そして、演奏活動の中で取り組むことが多いワルツの振り方を学びたい。
ここまでは当時の計画に沿って進んでいます。
ワルツを振るのは難しく5月はほぼスケーターズワルツの勉強でした。
ワルツが終わり次に何を学ぶか考えたところで選んだのが、吹奏楽作品でA.リードの「アルメニアンダンス パート1」でした。
以前に吹奏楽コンクールの課題曲にワルツで書かれた作品が上がったとき、サロンオーケストラでワルツを多く弾いてきた経験が生きたとがあり、これはワルツを振れるようになることでコントラバスの演奏にも繋がることがあるのではないかと思ったところ。
そして、最後は吹奏楽の作品を一曲勉強して春期を終えたいと考えていますがどうなるかはわかりません。
そうなんですよね。
以前、吹奏楽コンクールの課題曲にワルツが取り上げられたとき、サロンオーケストラでワルツを弾いている経験が生きたのでワルツの振り方を学びコントラバスの演奏に繋げたいと思っていました。
当初は吹奏楽作品を学び春学期終了と書いていましたが、まだこの時点で6月だったのでアルメニアンダンスを学び、次にマーチの振り方を学びたいと思い、次はスーザの「星条旗よ永遠なれ」を通してマーチの振り方を学びました。
ここで7月に入り、先生から次の曲をとお話をいただき、自分が最も苦手とするゆったりとしたテンポの曲を学ぼと、再びオーケストラの作品でマスカーニの歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲を選びました。
そして今に至り、残りのレッスンでもう一曲勉強できることになったので、最後はベートーヴェンの交響曲第6番「田園」の第一楽章を選びました。
当時と今を比べてみて思うこと
当時の記事を読み返しながら、春からの勉強過程を振り返ってみると当初の計画に沿って進みつつ、想定していた曲数より多くの曲を学ぶことができました。
特にマーチの振り方、オペラの間奏曲を使ったゆったりとした曲を振る機会を作れたのは本当に大きな財産でした。
一曲終えて、次のレッスンまでに楽譜の手配、製本、譜読みをする期間が大変でしたが、この心地よい負荷がきっと成長過程なんだろうなととても充実していました。
当時の記事の最後に吹奏楽指導のシーズンが楽しみと書いてありますが、まさに今こそ吹奏楽指導のシーズン。
正直、めちゃくちゃ楽しいです。
教わったことを指導の現場で試す、アウトプットすることでより理解が深まること、そして顧問の先鋭から指揮のアドバイスを求められたときに答えられる引き出しがあること。
そして、自分の振り方一つでこんなに音が変わるのかというのを実感できること。
特に今年は合奏トレーナーとして関わる学校が多いため、まだ指揮は学びはじめたばかりですがどんどん活用し、アウトプットしていっています。
おわりに
今回は、指揮研修生として学びはじめた頃に書いた勉強計画を振り返りながら、今との照らし合わせそして今後のことを書いてきました。
当時の記事の文末に書いたように、学びも知識も自分の頭の中で留めておかず、どんどん回すというサイクルを繰り返すことで、もっともっと成長できるのではないかと思っています。
ということで、指揮研修生として学ぶのは今月で終了。
まだ、あと少しだけ勉強しに行くので最後まで頑張っていきたいと思います!