コントラバス奏者、吹奏楽指導者、指揮者の井口信之輔です。
クラシック音楽を中心にコントラバス奏者として活動するほか、中学高校の吹奏楽部やオーケストラ部、大学サークルでコントラバスの講師を務めたり、さまざまなコンセプトを掲げて活動している各地のアマチュアオーケストラや吹奏楽団とタッグを組んで、指揮者というポジションから地域の音楽文化発展に力を入れています。
また、茨城県にある聖徳大学附属取手聖徳女子高校の音楽科でコントラバスの講師を務めています。
SNSやブログではフリーランスの音楽家のキャリアの作り方、また活動の幅の広げ方などの発信し、noteではもう少し踏み込んだキャリアの話などを書いたりしています。
地方への出張レッスンの帰りに考えていたこと
年に何度か、関東圏内を離れ遠方の地域へ出張レッスンをしに行く機会があります。
あまりコントラバスのレッスンを受ける機会がない地域で活動している中高生を対象とした講習会が主ですが、過去にはSNSで希望を募り自ら企画して出向く企画型のレッスン、その地域でオンラインレッスンを受けていた生徒さんとその仲間が企画してくれたレッスンなどがありました。
こうして遠方の地域への出張レッスンをしていると、ある共通点が浮かんできました。
今回はこれまでさまざまな形で出張レッスンを行ってきて感じたこと、それに対して指導者が何ができるか?考えていることを書いていきます。
地方への出張レッスンで感じたこと
遠方の地域への出張レッスンをしていて感じたことは
- 楽器を習う機会を求めている人が多い
- 中高生は曲に取り組む比率が高く悩みの多くが基礎基本
- 管楽器の基礎練習をしていることがある
ということでした。 帰りの車、また電車の中でレッスンのことを振り返って辿り着くのはこの辺り。
こうした点に対して指導者や講習会を企画する側は何ができるか?考えてみます。
楽器を習う機会を求めてる人が多い
先日、講師を務めた地域の講習会は募集して1回45分のレッスンが数日でほぼ満員となりました。
ほぼと言うのは朝から夕方まで埋まり帰りの電車ギリギリまでレッスンをしていたとうことです。
電車を遅らせればもう少し枠があったかもしれませんが、会場の都合もあるので夕方まで。
何度か講師を担当しておりましたが、参加したいけど学校の都合、部活の行事で参加できない場合を除き毎回たくさんの中高生がレッスンに来てくれています。
コロナ禍のオンラインレッスンでも、関東圏外からの問い合わせが多く、さまざまな地域に住んでいるアマチュア音楽家の皆さんのレッスンをさせていただきました このように、遠方に住んでいる人は楽器を習う機会を求めている人がとても多いと感じました。
ただ、レッスンの機会って見つけるのが大変だし、個人レッスンだと金額とかも問い合わせくださいと言った曖昧な表記が多いので習いたくてもアクションを起こしにくい点があると感じます。
中高生は曲に取り組む比率が高く悩みの多くが基礎基本
中学生、高校生とのレッスンでは部活で取り組んでいる曲を指導することが多いです。
生徒たち、そして顧問の先生からも曲を見てほしいというリクエストが多く、僕のレッスンスタイルとしても希望する曲を見ていくので、曲のレッスンになることが多いです。
ただ、曲をレッスンしていて感じるのは、悩みの多くはコントラバスの奏法の基礎・基本を習得することで解決すると言うことです。
レッスンでは曲を一部を使って基礎練習に取り組むということをやりますが、長期的に見ると毎日15〜20分でもコントラバスのために書かれた教則本を使った基礎練習の時間を設けることをおすすめします。
レッスンでは以下の基礎練習を提案します
- 開放弦のボウイング練習
- 左手のフォームを覚え音階練習
- コントラバスの教則本を使用してポジションの習得
ただ、どれだけ丁寧にわかりやすい解説がされている教則本でも中高生が独学で理解していくのは難しいと感じることが多いので2〜3ヶ月に1回でもレッスンの機会があれば良いなと思います。
管楽器の基礎練習をしていることがある
僕がよくレッスンで聞く「いつも、どんな基礎練やってる?」
の問いに、結構な確率で帰ってくる返答に
「タンギング練習をやってます」と言うものがあります。
僕もはじめは驚いたのですが、基礎合奏の教則本や学校独自の基礎練習メニューを見せてもらうとコントラバスパートの楽譜がなくチューバやファゴットの楽譜を使用していることや、管楽器と一緒にタンギング練習と書かれた楽譜を演奏していることがありました。
ズバッと言ってしまえばコントラバスにタンギング練習は不要です。
でも、この言い方は相手を傷つけてしまう可能性があるのでなぜ、コントラバスにタンギング練習は不要か?をしっかり説明するということは大切かと思います。
タンギングってざっくり説明すると、管楽器の演奏における舌を使った奏法の総称という感じです。
なので「弦楽器には舌という言葉を弓に変換してみると、タンギング練習の代わりにどんな練習をすれば良いかわかるよね?」と尋ねてみます。
基礎合奏で一緒にタンギング練習をやってる場合は、ボウイングを記入してあげたり管楽器の息使いは弦楽器の弓使いに繋がることがあるという話をして僕だったこう弾くというお手本を見せます。
こうしたことは、パートは自分一人だけ、周りにコントラバスを教えてくれる人がいないという地域で多く見かけます。
こうした問題は大人も知っておく必要があると感じているので、レッスンの後に顧問の先生に現状を伝え、一人一人にあった基礎練習のスタイルを提案しています。
また、基礎合奏の教則本をコントラバスの基礎練習として活用するのも悪くはないですが、やはり本来演奏に必要な技術を身につけるのは難しいので楽器の基礎とバンドの基礎は分けて考えることをおすすめします。
- 基礎合奏で取り組む基礎はバンド全体のサウンド向上のため
- コントラバスの基礎は楽器の奏法の習得と演奏技術向上のため
年に1度、または世代交代をした秋頃に1度でも講習会の機会があれば伝えられる内容です。
おわりに
今回はこれまでさまざまな形で出張レッスンを行ってきて感じたこと、それに対して指導者が何ができるか?考えていることを書いてきました。
まず、楽器を習う機会を求めている人がいるのであれば発信をすること。
そして、中高生の悩みの多くが基礎・基本であれば講習会で伝えられることには限りがあるので、ブログやSNSで情報を得られるように発信をする。
レッスンを通して聞いた中高生からの生の声を元に、どんな練習をすれば良いかを発信する。
というところかなと思います。
ここで書いている発信というのはインターネット上で、SNSを使ってだけでなく現場で会った中高生や顧問の先生、他の楽器の講師の先生も声をあげて発信していくということです。
- オンラインでは必要な情報を置いておく
- オフラインでは必要な情報を伝えていく
これが、僕ら指導者がパートは自分一人だけ、周りにコントラバスを教えてくれる人がいないという地域で活動している中高生に対してできることだと思いました。
さて、ここまで書いたのでレッスンのご案内です。
もし、関東圏外でコントラバスの講習会を希望している方は下記の情報を参考にしてください。
ブログのお問い合わせフォームからご相談承っております。
レッスンを受けたい人、講習会をやりたい先生、楽器店の方など
僕のブログのお問い合わせフォームからメールをいただけたら講習会の企画などご相談承ります。
学校で企画する複数の吹奏楽部を対象としたコントラバスの講習会
レッスン謝礼:手取り3万円〜5万円あたりで調整できたら嬉しいです。
また別途、交通費と場合によっては宿泊費が発生します。
車での移動も可能なので基本的に日帰りで可能かと思いますが、ご相談ください。
部費とは別にレッスン費用など金銭を徴収する場合、保護者の方の同意、理解を得るような段階もあるかと思います。
参加校によって出せる額も変わってくると思うので、お金のことは遠慮なくお話ししてください。
楽器店が企画するコントラバスの講習会
楽器店など企業が講習会を企画する場合、人件費や会社側の取り分が発生してくると思います。
なので、ご相談をいただく際に講習会謝礼の金額をご提示ください。
レッスン用のコントラバスをご用意していただけると嬉しいです。
もしない場合は、生徒と同じ楽器を使ってのレッスンとなります。
コントラバスがなく、これまで講習会ができなかったような場合はレッスン用の楽器をこちらが持参することも可能です。
その場合は車での移動となるので、楽器運搬の費用をご相談させてください。
個人レッスン、楽団のパートレッスンはブログ内の料金を参考にしてください。