【課題曲Ⅳコンサート・マーチ「虹色の未来へ」】パートは自分だけ、周りにコントラバスを教えてくれる人がいない!そんな環境で練習に励むあなたに届けたい「ワンポイント・アドバイス」

パートは自分だけ、周りにコントラバスを教えてくれる人がいないといった環境で練習しているあなたに届けたい、吹奏楽コンクール課題曲2018ワンポイント・アドバイス。

今回取り上げる曲は、課題曲Ⅳコンサート・マーチ「虹色の未来へ」

未来へと向かう華やかなファンファーレで幕を開けるこの曲は、色とりどりで輝かしい未来が待っている奏者を思い描きながら作曲したと書かれています。

課題曲Ⅳコンサート・マーチ「虹色の未来へ」

この曲はコンサート・マーチとして書かれていますので、行進をするためのマーチではなく演奏会用作品として演奏される作品と考えるのが良いかなと思います。

僕はマーチを演奏するコツとは『その伴奏で歩けるか』と書いてきました。

行進曲として演奏されるマーチも、コンサート・マーチも音楽は常に前に進んでいくので『その伴奏で歩けるか』という考え方は大切かと思いますが、そこに『その伴奏でメロディの人たちが心地よく歌えるか』という問いかけをプラスして考えてみると、心地よい伴奏ができると感じています。

冒頭〜Aまで

未来へと向かう上行系のファンファーレで音楽が始まり、2小節目から出てくる動きはハーフポジションで、ボウイングは弓順で演奏できるでしょう。

アップになるフェルマータで弓が足りなくならないように、前の小節のF(ファ)の音を弾くときの弓の使い方を工夫してみましょう。

そして、marc.のニュアンスを揃えるためには一緒に動いている仲間がどのような吹き方をしてるかを感じ取れると良いですね。

テンポが変わり、楽しい音楽の始まりです!

まず、Aの2小節目からの動きをどう弾くか?

  • Es(ミ♭)をD線、次の小節でポジション移動をしてA線のDes(レ♭)を取る
  • Es(ミ♭)からA線で取り、そのまま下行する

楽譜を見て思い浮かぶパターンはおそらくこの2つでしょう。

この場合、Es(ミ♭)をD線、次の小節に進むと同時にでA線へポジション移動をするのは時間も短く難しいので、Es(ミ♭)の音もA線で弾き、そのまま下行していくことをおすすめします。


そして、ボウイングも思い浮かぶパターンは2つ。

どちらもダウンで弾き始め

  • 十六分音符をアップ→ダウンで2つ弾き、次の小節はアップから弓元へ
  • 十六分音符をもう一度ダウン→アップで弾き直す

下行していく音形をハッキリと出すには、十六分音符で弾き直したほうがしっくりくるかもしれません。ボウイングは好みによって分かれるところですが、9小節目の2拍目裏からはダウンで弾くと、そのまま弓順で(B)へ入れます。

ここまで読んで「なるほど!」とか「だよね。」感じた人は次へ。

少しでも疑問に感じた人は、実際にこの2パターンを弾き比べてみてください。

  • 一言メモ

こうした場所は、初心者や独学で練習している人が悩む場面です。いろいろなボウイングやポジションの取り方にチャレンジしてみて、自分の弾きやすい弓使い・指使いを見つけていくのが上達への近道!


(B)〜(D)まで

ここからマーチの歩みをバスパートが作り始めます。

まず、注目したいのは伴奏が四分音符で書かれていること。

  • 四分音符で書かれていて、アクセントやスタッカートは書かれていないぞ
  • マーチの伴奏だから短くすべきなの?
  • 八分音符+響きのようなイメージが良いのかな?

きっと、いろいろと考えることが出てくる場面でしょう。

いろいろと思い浮かんだら、片っぱしから弾いてみよう!

どうだった?

四分音符で書かれているからと長く弾いてしまうと、音楽の流れを引っ張ってしまう可能性が出てきますよね。

例えをあげると、あなたが廊下を歩いているときに、ふざけて足にしがみつき、そのまま引きずられていくお友達のような感じです。

そうはならないように、注意したいところです。


ヒント!スコアを見てみよう

スコアを見てみると、チーム裏打ちは八分音符で書かれており、あるパートにはスタッカートの指示も入っています。

なので、チーム裏打ちにしっかりと拍の頭を伝えられるように意識をした伴奏を弾くには、四分音符をどう扱えば良いか?を考えてみると良いでしょう。

メロディには長いスラーがかけられており、歌がありますね。

拍の頭はしっかりと伝えたいけど、歌心のあるメロディの伴奏。

ここから先は、チーム低音セクションで研究してみてください♪

D〜Gまで

第2マーチのテーマを弾くのは低音セクション。

27小節目の付点のリズムが短くなってしまわないように気をつけたいところです。

付点のボウイングがダウン→ダウンダウン→アップのどちらが弾きやすいかは人によって分かれるところ。そして、左手の形もしっかりと作ってテーマを弾けるように心がけましょう。

大事だぜ!左手の形

弦を押さえる左手の形が作れていれば、Dからの4小節間は一般的なフィンガリングでポジション移動が1回で済みますが、弦を握って押さえてしまっていると音が変わるたびに手を動かさなくてはならないので、とても慌ただしい演奏になってしまいます。

日頃の基礎練習がこういう場面で生きてきます。


(E)〜Trioまで「俺たちに明日はない」

この曲の頭打ちにE線のAs(ラ♭)が出てくるのも難しさの一つです。

コントラバスにとって、E線のAs(ラ♭)は鳴らしにくく音程の取りにくい音であることから、俺たちに明日(As/ラ♭)はないという冗談を言うコントラバス奏者もいます。

これは、さらい尽くしても上手く弾けないときの言い訳として覚えておくと良いでしょう。

とくに40小節目のAs→Es→As→Gの音形はポジション移動と移弦を丁寧に練習です。

46小節目3拍目のEs(ミ♭)はA線で4の指で取ると、G線の同じ場所に次のDes(レ♭)がいます。


(F)〜(G)まで

Trioの3小節目からはpizzとなりますが、ここは伴奏が頭になっているかどうかで大きく印象が変わるところ。早めにスコアをチェックして、チーム裏打ちがどんな動きをしているかを把握しておきましょう!

試しに、利き手をグーにして(F)からのリズムで机を叩いてみてください。

ドン、ドンドン ドン、ドンドンといった感じになると思います。

pizzがこうなってしまうと、音楽の流れを止めてしまうので、1拍目のpizzはテニスボールを打ち返すようなイメージで音を出し、チーム裏打ちが受け持つシンコペーションのリズムと上手くアンサンブルができると良い流れを作ることができるでしょう。


良いセクションはサイゼリヤから生まれる

余談ですが、良いセクション作りにはサイゼリヤです。

この話をするとよく笑われますが、セクションでご飯を食べに行くとチームの絆が深まります。

くだらない話で笑ったり、バカなことをした仲間とは良い演奏がしたくなるもの。

ぜひ、伴奏チームでご飯を食べに行ってみてください。

H〜ラスト

Hは2小節でひとつの言葉、ボウイングもそのように考えると良いでしょう。

67小節目のEs(ミ♭)はA線で取り、ポジションの横の関係を考えるとすぐ隣にDes(レ♭)があることに気がつくでしょう。もちろんD線でEs(ミ♭)を取るのがダメなわけではありませんが、距離があるので、跳躍する間に音がいくつあるかを意識し、音程に注意してください。

69小節目からのボウイングは冒頭と合わせていくと良いでしょう。

90小節目から、最後にもう一度この音形が出てきますが、前と同じくボウイングは冒頭に合わせて考えていきましょう。

最後の小節はダウン→ダウンで締めるとsfzを生かした音が作れるでしょう。

さいごに

冒頭にも書いたように、行進を目的としたマーチではなく、演奏会作品として書かれたコンサート・マーチです。もちろん、練習の中で歩く練習をしてみると効果的でしょう。

  • 行進する目的で書かれたマーチじゃないから〜
  • コンサート・マーチだから〜

と考えずに、思いつく練習はどんどんチャレンジしていくと良いと考えています。

その中で頭に入れておきたいことは『その伴奏でメロディの人たちが心地よく歌えるか』

そして、吹奏楽やオーケストラで演奏されるマーチにたくさん触れることが大切だと思っています。

  • 『行進曲』として書かれたマーチ
  • 『演奏会作品』として書かれたマーチ

この二つを聴き比べてみて、一人一人が比較した結果どんな結論に至ったかという答えを見つけることも、音楽的な成長をもたらしてくれるかもしれません。


この曲の最高音

この曲の最高音は第2と第3の中間ポジションのDes(レ♭)の音です。

46小節目や67小節目で登場する音ですが、その前には必ずEs(ミ♭)の音があります。

このEs(ミ♭)→Des(レ♭)の跳躍は、第2と第3の中間ポジションの音列を理解している人はすぐにどう弾けば良いかわかると思いますが、ポジションの音列が理解できてないと少し悩んでしまうところだと思います。

もし、ここの音程がうまく取れないという人は、一度ポジションの練習をしてみてください。

1週間、1日の練習の中で10分ポジション練習を取り入れるだけで変わってくるでしょう。

コントラバスのポジションを覚えよう!ここでE線とはしばしお別れ?第2と第3の中間ポジション。

今回のワンポイント・アドバイスはここまで。

次回はいよいよ課題曲Ⅴエレウシスの祭儀です。

コントラバスが大活躍する曲、どんなお話をしようかは今考えています。

それではまた!

 

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ABOUTこの記事をかいた人

1987年、千葉県生まれ。 船橋市立葛飾中学校管弦楽部にてコントラバスと出会う。 千葉県立市川西高等学校を経て洗足学園音楽大学へ入学。 在学中より「吹奏楽部におけるコントラバスの現状」に着目し多くの講習会に講師として参加。大学卒業後はフリーランスのコントラバス奏者としてオーケストラ、吹奏楽、室内楽をはじめ楽器製作ワークショップやレコーディングなど多方面での演奏活動をする傍ら、吹奏楽指導者・アマチュアオーケストラのトレーナーとしても活動しており、中でも吹奏楽におけるコントラバスの指導に力を入れている。 これまでにコントラバスを寺田和正、菅野明彦、黒木岩寿各氏に師事、指揮法を川本統脩氏に師事。現在、昭和音楽大学合奏研究員、ブラス・エクシード・トウキョウ メンバー。また、日本アロマ環境協会 アロマテラピーアドバイザーの資格を持つ。