【課題曲Ⅳマーチ「春風の通り道 」】パートは自分だけ、周りに教えてくれる人がいない!悩めるバス弾きに送るワンポイント・アドバイス

悩めるバス弾きに送る課題曲ワンポイント・アドバイスも最後の曲となりました。最後に取り上げるのは課題曲4番 マーチ「春風の通り道」です。

春を思わせる心躍るようなテーマが印象的な曲ですが、これまでの課題曲にも「春」をテーマにしたマーチがいくつかありましたね。

2015年/マーチ「春の道を歩こう」

2005年/マーチ「春風」

1995年「スプリング・マーチ」

2011年の課題曲には「南風のマーチ」なんて作品もありました。

演奏したことのある曲はありましたか?


マーチ「春風の通り道」

まず押さえておきたいポイントとして、コントラバスの楽譜では4小節目に出てくる動機は曲全体に散りばめらてている動機ので、バンド全体でこの動機の統一感を作るためにも前からの流れで弾いてしまわなように気をつけてみてください。

ボウイングは弓順で大丈夫でしょう。2小節目の3拍目裏からの音形は(アップ アップ)で弾くか、3拍目裏をもう一度(ダウン)で弾き直すかのどちらかでしょう。


Allegro con brioな話し

冒頭には Allegro con brio と書かれています。

音楽辞典を引いてみるとアレグロのテンポで、生き生きとと出てきます。

では、イタリアの日常会話ではどういう意味で使われるのかも調べてみましょう。

Allegro は陽気に、明るく。そんな意味を持っているようです。

イタリアでタクシーの運転手さんに「Allegoro!!(急いで!)」と言ったらその人は鼻歌を歌い始めどんどん陽気になっていったというエピソードも存在します。

陽気な気分の時、何か楽しいことが始まる時、自分の気持ちはどうなっていますか?

首都高から見える夜景をバックにドライブする時、朝一で並んだディズニーランドのゲートが開きお目当のファストパスを取りに行くあの高揚感。陽気で楽しい、ワクワク・ドキドキするような心地よい気持ちの中にある「速さ」であって、ただAllegro=速く、快活にということではないと押さえておくと何か役に立つかもしれません。

brio という言葉も「あいつといると楽しいよな(≧∇≦)」とか「それな!ほんと超楽しいわ!」といったような会話で使われているようです。brioに溢れた人、クラスに一人はいませんか?


マーチの歩み

課題曲2番と比べてみるとこの曲はマーチの歩みが四分音符で書かれています。先ほどの話と繋げるとこの曲は勢いやスピード感の溢れたマーチではないので伴奏も八分音符ではなく四分音符で書かれたのではないでしょうか。 Allegro=速いではなく心地よい春の風が吹く道を歩いているようなイメージで、楽譜通りの音価を弾くのではなく少し短めに軽く弾けると良いでしょう。

途中で出てくるテヌートアクセントを見落とさないように、マーチを上手く弾くコツは自分が行進しやすい音価、音形を研究することです。もちろん、他のセクションと合わせていく必要がありますが、試しに友達に足踏みをしてもらい演奏してみましょう。

どうですか? どういう弾き方をした時に歩きやすくて、どうなったら歩きにくくなりましたか?

例えば、四分音符を音の長さを保って弾いたらどうでしょう。足を引きずるような、廊下を歩いている時に友達がふざけて足にしがみついているような感じになると思います。

自分たちが歩きやすい吹き方、弾き方、研究してみてください。


24小節目からのアーティキュレーション

ここは4小節に渡りスラーがかかっています。ここを一弓で弾こうとすると途中で弓が足りなくなってしまうので、ここは1小節ごとに弓を返して良いでしょう。

課題曲クリニックでは弓を返して演奏します。

ここのスラーはアーティキュレーションとして書かれていると考え、弓を返しても音が切れないように滑らかに演奏できるように心がけてみてください。これは日々のボウイング練習が大切です。

アーティキュレーション

音形を整える 音を区切る つなげる 表情をつけ、まとまりを表す

29小節目でarcoに戻った音は(アップ)Dの1小節前八分休符明けの音は(ダウン)で弾き直してDから弓順。途中の八分音符はいくつかパターンがあるので工夫してみましょう。


E~Gまで

Eはpizzの指定があります。pizzは少し大きめに弾いて良いでしょう。指の先で演奏している様子を見かけますが、腹を使って演奏したほうが太くて豊かな音が出ます。

また、pizzもフレーズ感を持って1拍子にならないように演奏できるとなお良しです。

50小節目からはarcoになります。マーチの歩み(頭打ち)は弓元で弾くことが多いですが元すぎないように注意してみましょう。試しに元で弾いていたら53小節目でつまづくと思います。

弓によって多少の差はありますが、真ん中より少し弓の元のあたりがちょうど良いでしょう。


G~ラストまで

Gからは少しボウイングを工夫してみましょう。75小節目は(アップ)で入り76〜77小節は(3・3・3・2・2)の形として考えて良いと思います。77小節目のAsを(アップ アップ)で弾き3拍目から弓順。ritの始まりが(アップ)で弾ければたっぷりritをしても対応できますね。

Hからテンポが戻るのでしっかりテンポを掴んでいきましょう。

82小節、87小節にはこの曲での最高音のDが出てきます。

両小節ともに1拍目を開放弦で弾きその間にDの位置に左手を持っていくと良いでしょう。

4で押さえしまいがちですが1で押さえても大丈夫です。

82小節…G(0)ーD(1)ーB(2)←D線のBーG(0)

87小節…D(0)ーA(1)ーD(1)←AとDはヨコの関係ーD(0)

上記のフィンガリングでゆっくり練習してみよう!

92からのボウイングを工夫して94のCを(ダウン)で弾いてそのあとは弓順。

最後のBは(ダウン ダウン)でくさびのアクセントをしっかり強調しましょう。


マーチ「春風の通り道」まとめ

  • 4小節目に出てくる動機が大切
  • 四分音符で書かれているが、どういったニュアンスで弾くのが良いか考える
  • 24小節目からのスラーは小節ごとに弓を返しても良い(音はなるべく繋がるように)
  • この曲の最高音はD(82、87小節)

春らしい明るくキラキラとしたマーチです。楽しく生き生きと演奏してみよう

ABOUTこの記事をかいた人

1987年、千葉県生まれ。 船橋市立葛飾中学校管弦楽部にてコントラバスと出会う。 千葉県立市川西高等学校を経て洗足学園音楽大学へ入学。 在学中より「吹奏楽部におけるコントラバスの現状」に着目し多くの講習会に講師として参加。大学卒業後はフリーランスのコントラバス奏者としてオーケストラ、吹奏楽、室内楽をはじめ楽器製作ワークショップやレコーディングなど多方面での演奏活動をする傍ら、吹奏楽指導者・アマチュアオーケストラのトレーナーとしても活動しており、中でも吹奏楽におけるコントラバスの指導に力を入れている。 これまでにコントラバスを寺田和正、菅野明彦、黒木岩寿各氏に師事、指揮法を川本統脩氏に師事。現在、昭和音楽大学合奏研究員、ブラス・エクシード・トウキョウ メンバー。また、日本アロマ環境協会 アロマテラピーアドバイザーの資格を持つ。