2020年度全日本吹奏楽コンクール課題曲「コントラバスパート」を徹底分析!「僕らのインベンション」編

吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願ってはじめた「課題曲ワンポイントアドバイス」は毎回4.000文字を超えるボリュームたっぷりな楽曲分析記事となりました。

2020年度全日本吹奏楽コンクール課題曲コントラバスパートの徹底分析。

今回は課題曲Ⅲ「僕らのインベンション」のコントラバスパートを解説していきます。

これまでのように、パートは自分一人だけ、周りにコントラバスを教えてくれる人がいないという人に向けて課題曲の練習ポイントを書いていきにで、練習の参考にしていただけたら嬉しいです。

課題曲Ⅲ「僕らのインベンション」

この曲を取り組む前に知っておきたいメモ

  • コントラバスの最高音はG線のG(第6ポジション)
  • ポジションの横の関係を知る
  • 3の指を使う新しい左手のフォームを覚える
  • ハーモニクスで音を出す方法を覚える

今回はちょっと難しいね。

でも大丈夫、一緒に研究してみよう。

ドキドキの冒頭

冒頭からコントラバスが大活躍するね。

まだコントラバスを弾きはじめたばかりの人にとっては音の取り方がわからないと感じる部分だろうと想像できるし、手の移動が間に合わないかもしれない。

でも、ポジションの関係を覚えると意外と優しい。

ここで先に押さえておきたいポイントを紹介すると

  • 弦を押さえる左手の形
  • 左手の指番号
  • 他の弦で同じ音を探す

の3つになる。

ここで疑問が浮かんだ人は、DMか公式LINEからメッセージいただけたら回答します。


同じ音を他の弦で探す

弦を押さえる左手の形と指番号は、過去にも紹介してきたのでOKとして問題は他の弦で同じ音を探すってところだと思うんだけど、コントラバスは同じ音域の同じ音が2〜3つある。

ちょっと説明が難しいけど、開放弦のレ(D)の音はA線の第2ポジションにもあるよね。

D線のミ(E)の音はA線にもある。

これはコントラバスの運指標に基づいた12のポジションをマスターしていく上で覚えていけばOK。そして課題曲Ⅲではこの知識がとても役に立つ。

まさに冒頭の話。

もう少し紐解いてみよう!


冒頭のpizzの押さえ方を考える

冒頭のpizz、まず頭のド(C)はどこで押さえる?

まずA線で押さえる人が多いと思う、僕はA線で押さえた。

で、次のファ(F)を隣のD線で押さえたら楽だけどそのあとがちょっと大変で、特にオクターヴ上のド(C)の音をG線で押さえて最高音のファ(F)まで飛んでいる人は要注意。

仮に指番号が4-4であれば高確率で音程を外す可能性もある(4-4で半音以上の跳躍してしまうのは吹奏楽あるあるの一つ)

そうなると、なるべく移動しないで押さえられるといいよね。
でもどうだろう、最初のド(C)はA線だしってここで迷う人多いんじゃないかな。

実はこのド(C)の音はE線にもある。
だから、ここはE線のド(C)がどこにあるかを探してみよう。

すると、隣にファ(F)があってきっと指番号は1で押さえているはず。
そのまま4でD線のド、横に移動してG線のファ。

これでどうかな?

E線のこの辺りのポジションはあまり使わないけど、音の並びは覚えておいた方がいいね。
この音がどこのポジションなのかは調べてみよう。

11〜46まで

11小節目からのボウイング、僕は弓順で弾いている。
でも、12〜13小節のアクセントを(ダウン)で弾くために八分音符二つを(アップ→アップ)で弾く方法もある。

少しだけ技術的に難しいかもしれないけど、チャレンジしてみて弾きやすい方を選んでみよう。

14小節目は(アップ)スタート、15小節目はまた迷うところだね。
15小節目の2拍目は弓順でも(アップ→アップ)でも弾きやすい方でOKで、どっちになっても18小節目の2拍目を(ダウン)で弾けたら良いと僕は考える。

21小節目からの拍子の感じ方が少し難しいけど「6/8→3/4」と考えたら分かりやすいと思う。


ボウイング付けに迷う場所

37小節目はボウイングが付けにくい部分で、弓順でも良いし(ダウン→アップ→ダウン)で38小節目の頭も(ダウン)で弾き直したらどうなる?
ちょっと弾きにくい人もいるかもしれないし、僕は弾きやすかった。

39小節目を(ダウン→ダウン)で弾いて40小節目を(アップ)41小節目を(ダウン)で弾く。

どんなボウイングであれ37小節目のクレッシェンド、38小節目のsfアクセントの音が作れたらOKで、42小節目からのリズムは今のところ弓順、43小節目も(ダウン)からスタートし弓順。

ただ、付点の間に休符がないから周りの音の長さと合わせてボウイングを工夫してみよう。

49〜64

しばらくお休み。
休符はしっかり数えておこうね、指を折って数えたってOK。

56小節目はスラーを(ダウン)であとは弓順、これでアクセントが全て(ダウン)なるね。

3/8も弓順で弾いてsfをバッチリ決めよう!ここだけ工夫しても良いかもしれない。
それから「sf」の意味を調べておくのも忘れずに。

64〜の変拍子攻略法

ここから5/8と変拍子になってくる。
変拍子は数えられないって声をよく聞くんだけど、難しくとらえずにちょっと工夫をしてみる。

音符=言葉

これはよくレッスンで話をすることなんだけど、音符を言葉としてとらえてみるといい。

例えば5/8だと拍の感じ方は大きく分けて二つ

  • 2+3(タタ タタタ)
  • 3+2(タタタ タタ)

ここに言葉を当てはめてみる(何でもOK)

  • 2+3(かみ ながや)
  • 3+2(シマン ドル)

5/8拍子はこうして言葉を当てはめると拍を感じやすい。


変拍子は「言葉」を当てはめたり図形を書いて攻略する

「かみ ながや」は僕がコントラバスを教えている平山音楽院の教室がある駅。

身近な駅名を音符に当てはめるのはとってもおすすめ。

シマンドルは世界で最も有名なコントラバスの教則本。

こうして音符に言葉を当てはめると変拍子の苦手意識が減るはずだ。

それから、小節の下に小さく図形を書くのも分かりやすい。
3つは△、2つは//やVなど工夫して書いてみる。

最近、休符を縦線で区切る書き方を見かけるようになったんだけど、これは小節線がどこだかわからなくなるからあまりおすすめはできない。

実際、レッスン中に僕はこれで拍がわからなくなりました。

101〜

101の付点二分音符は(ダウン)からはじまって問題は104小節目。

弓順で弾いてみると最後が(アップ)になってちょっと弾きにくい。
少し工夫をしてみて、僕は104は(アップ)でスタートさせて弓順、105小節目でもう一度(ダウン)で弾いてみた。

みんなはどう考える?

106からは同じ音形が続くけど、今どこを弾いているのか分からなくなる部分でもある。
こうしたときは106と114、そして音の変わった122小節目と各小節の1拍目にボウイングを書いておくと、迷うことがなくなるはず。

126小節目から付点になって134小節目からもボウイングに工夫が必要かもしれないね。

136小節目は(アップ)で入って、慌てずにpizzに持ち替えよう。

137〜3の指を使う新しい左手のフォーム

ここのpizzは音が高いよね。
でも、コツさえ掴んでしまえばきっと大丈夫、

まずこの最高音であるソ(G)の音は何ポジションかわかる?

もし、わからなかったら覚えれば良くてこの音は「第6ポジション」の音。
そして、ここから今まで小指の補助だった3の指、つまり薬指を使うようになってくる。

今までのように(1-2-4)で弦を押さえるのではなく(1-2-3)という番号で押さえる。

そして、手の大きさによって多少の違いはあるけど押さえ方はこんな感じ。

教則本によっても、多少親指の位置とかが違うかもしれないから「これが正解」ではない。

高い音のレとソは隣にあるぞ!

写真で紹介したのが第6ポジションの基本的な押さえ方。

そして!この3の指で押さえるソ(G)の音は、弦を押さえるのではなく軽く触れるだけでも音が出る。いきなり3で押さえるのが大変であればハーモニクス、いわゆる指を軽く触れて音を出すのがおすすめで、そのままD線に移るとレ(D)の音があるから、少し指の形を工夫させて隣同士で音を出すと137は少しだけ楽になるはず。

この辺りは、言葉で説明するのが難しいので公式LINEからメッセージを送っていただけたら一人一人の質問に沿った返答をします。

146〜ラスト

147小節目は(アップ)で弾いて、次に出てくる音の弾き方はわかる?
ここ、よくレッスンで聞かれるポイントで、この斜めに線が入った音符は急速に弓を動かして音を出す「トレモロ」という奏法で弾くところ。

一応、線が3本入ってるから32分音符なんだけど音の数を揃えるのは難しいので速く動かす。

力が入ってしまうと動きが止まってしまうから気をつけたいポイントで、難しい場合は速く動かそうとせずゆっくりからでOK。

指板の切れ目あたりで良い音がする場所を探して弾いてみよう。

僕はよくレッスンで黒板消しを高速で動かしてもらったり、爆速で雑巾掛けをしてもらって動きの感覚を掴んでもらう。

これも、言葉だけだと混乱させてしまう可能性があるので、質問があれば個別にメッセージを送ってください。そして「トレモロ」ができない人はゆっくりから音を刻んでみてください。

153小節目から、まずは弓順で弾いてみて例えば(ダウン→ダウン→アップ ダウン→アップ→アップ)とボウイングを工夫してみるのも良し。

この曲は全体を通して右手の使い方に高い技術が求められる曲かもしれないね。

きっと、ボウイングはいろいろな考え方があるから「〜でなければならない」というような考え方はせず、弾きやすいボウイングを考えてみてください。

僕がおすすめするボウイングの考え方は

  1. まずは全部弓順で弾く
  2. 弓順で弾いて都合の悪い部分をチェック
  3. 弾きやすいように考える

良いボウイングはトライ&エラーの中から生まれると思うので、どんどん工夫してみてください。

公式LINEからメッセージをいただけたら、質問にはお答えします。

課題曲Ⅲ、難しそうだね。

でも大丈夫!いけるよ。


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ABOUTこの記事をかいた人

1987年、千葉県生まれ。 船橋市立葛飾中学校管弦楽部にてコントラバスと出会う。 千葉県立市川西高等学校を経て洗足学園音楽大学へ入学。 在学中より「吹奏楽部におけるコントラバスの現状」に着目し多くの講習会に講師として参加。大学卒業後はフリーランスのコントラバス奏者としてオーケストラ、吹奏楽、室内楽をはじめ楽器製作ワークショップやレコーディングなど多方面での演奏活動をする傍ら、吹奏楽指導者・アマチュアオーケストラのトレーナーとしても活動しており、中でも吹奏楽におけるコントラバスの指導に力を入れている。 これまでにコントラバスを寺田和正、菅野明彦、黒木岩寿各氏に師事、指揮法を川本統脩氏に師事。現在、昭和音楽大学合奏研究員、ブラス・エクシード・トウキョウ メンバー。また、日本アロマ環境協会 アロマテラピーアドバイザーの資格を持つ。