2020年度全日本吹奏楽コンクール課題曲「コントラバスパート」を徹底分析!吹奏楽のための「幻想曲」-アルノルト・シェーンベルク讃編

吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願ってはじめた「課題曲ワンポイントアドバイス」も、いよいよ今回が最後となりました。

ラストは課題曲Ⅴ、吹奏楽のための「幻想曲」-アルノルト・シェーンベルク讃

この曲を演奏するのは高等学校A部門や職場一般、大学部門(だよね?)

今回もパートは自分一人だけ、周りにコントラバスを教えてくれる人がいないという人に向けて課題曲の練習ポイントを書いていきにで、上手くなりたい!という気持ちを胸に一人で独学で頑張ってる人に向けて記事を書いていきます。

この記事が練習の参考になったり、悩みを解決するヒントになったら嬉しいです。

課題曲Ⅴ 吹奏楽のための「幻想曲」-アルノルト・シェーンベルク讃

この曲を取り組む前に知っておきたいメモ

  • 課題曲Ⅴ=難しいという先入観にとらわれない
  • 楽譜に書かれている指示を一つ一つ紐解く
  • カウントは細かく
  • バルトークピッチカートは弦をつまんで弾く

課題曲Ⅴというと難しいというイメージが先行してしまいがちだけど、一つ一つの指示を紐解いていけば大丈夫。

冒頭:フラジオレットを理解せよ

まず冒頭であまり見かけない表記があって、まずはこれを理解すること。

  • flag.

フラジオレット(英語でハーモニクス)弦長の1/2、1/3にあたる場所で弦を押さえずに軽く触れて弾いて倍音を出す奏法。

楽譜に◯が書かれていたら「この音はフラジオで弾いてくださいね」って表記。
他にも表記方法があるけど、この曲には書かれていない表記なのでまたいつか。

  • sul E

E線で弾いてねって意味。
例えば「sul G」って書かれていたらG線で弾いてねってこと。

ここまで解説して疑問が出てきた言葉を調べて、自分の言葉で誰かに伝えられるようにすると良し。僕もよく「弦長ってそう言えばどこからだっけ?」とか「1/2ってどのあたりだっけ?」ってよくパソコンに向かって調べていました。


冒頭の小節は「sul  E」と書かれていてシ(H)の音に◯が付いてる。
ここまでを紐解くと、E線のシの音が鳴る場所で弦を押さえず軽く触れて弾いてねってこと。

ボウイングは(アップ)が弾きやすいかなって思うのと、右手の位置を工夫してみる。
指板から駒寄りまでどのあたりが澄んだ綺麗な音が出るか研究してみよう。

次の小節も同じように考える。
D線のレ(D)が鳴る場所で弦を押さえず軽く触れて弾いてねってこと。

もし、探してみて場所が見つからなかったらメッセージを送ってください。

そして「1 player」って書いてあるから一人で弾いて「all」って書かれているところからは全員で弾く。

1:Bartok pizzって何?

楽譜の中で「Bartok pizz」って書かれていたり◯の上に小さな縦線が入っていたら「バルトークピッチカート」の指示。

弦を指板から垂直にはじく(弓矢を引くイメージ)とバチン!と大きな音がしるんだけど、これがバルトークピッチカート。

僕のやり方は弦をつまんで垂直にはじく。

弦に指を引っ掛けて離したり、手首のスナップを効かせてはじく人もいたり、いろいろな弾(はじ)き方をしている人がいるけど「弦が指板に当たる打撃音+音程」が聞こえるように。

けっこう大きな音がするから周りが驚きます。
でもそれでOK。

テンポが遅いときはカウントを細かく

冒頭をはじめ、ゆったりとしたテンポのときは細かいカウントを忘れずに。

指揮者が4つで数えていたら八分音符で「イチト、ニト、サント、シト」

「1」の2小節目の裏で弓を返す音形とか、しばらく休みが続く「3」あたりも細かくカウントができてたらOK。「3」はどの楽器が入ってくるかを押さえて、しっかりカウント。

pizzはpになっているから頑張りすぎず。

コントラバスのpizzはしっかりと音が抜けて聞こえるから、大きく弾こうと思ってバルトークピッチカートみたいになってしまわないように気をつけてみてくださいね。

8〜ラスト

「8」はオクターヴでミ(E)が続くけど、ここは同じポジションで押さえられる。
これが理解できていたらOK。

もし、わからなかったらコントラバスの運指表に基づいた12のポジションを復習してみよう。

63小節目は第6と第7の中間ポジションのファ♯(Fis)が出てくる。

この辺りになると各指の間隔がめちゃくちゃ狭くなる。
前にある休符を使ってしっかり準備して、ここは(アップ)から始めると後が弾きやすいかもしれないね。

課題曲Ⅴ=難しいという先入観

これは僕も持ってしまうし、確かに課題曲Ⅴは難しい。

でも、楽譜をしっかり読んで一つずつ紐解いていくと「なるほど!」って思うことが多くなってくると思う。

だから、楽譜に書かれた意味を一つ一つインターネット上にあるヒントを片手に自分で調べていけば大丈夫。

もし、自分で調べてわからないことがあれば質問してください。

おわりに

2017年からはじめた吹奏楽コンクール課題曲「ワンポイントアドバイス」

今年は一年ぶりに復活させて更新を続けてきました。

この企画は、遠方に住む吹奏楽部のコントラバス奏者からの質問を受けたときに、もしかしたら同じ悩みを抱えている人が多いのではないかなと思い始めました。

僕がSNSやインターネットを通じて発信を続ける理由は、さまざまな講習会の講師を務めてきた中で見た「パートは自分一人だけ、周りにコントラバスを教えてくれる人がいないという環境でコントラバスを弾いている人たち」の演奏環境を少しでも良いものにしたいという思いです。

とにかくコントラバスは楽器を演奏する環境の差が地域によってありすぎる。

この現状を少しでも変えたく、これからも「吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って」をテーマに発信を続けていきます。

もし一人で、誰にも教えてもらえない環境で練習をしていて「私は下手だな」って思う人がいたら、それは下手なんじゃなくてきっと方法がわからないだけだと思うから、何かわからないことがあれば、いつでもメッセージを送ってくださいね。

画面越しではあるけれど、全力でサポートします。

それでは、また!


お知らせ

僕が主宰するオンラインコミュニティ(公式LINE)
『コントラバス研究室BASSROOM』で中高生限定オンライン雑談会を開催します。

日時は5/6(水曜日)14:00〜約1時間
無料のビデオ通話ツール「Zoom」を利用し開催します!

テーマに沿って僕がひたすら喋って聞くだけでOK。
会話に参加したい人は気軽に話しかけてください。

顔出し不要、聴き専大歓迎。

参加は公式LINE内で発信するメールマガジンで詳細を案内しています。

そして!中高生限定オンライン雑談会はスペシャルゲストにブラス・エクシード・トウキョウのコントラバス奏者、そしてベーシストの後藤桃ちゃんをお迎えしてお送りします。

「吹奏楽×コントラバス」をテーマに二人のバス弾きが対談する企画。

ぜひ、遊びに来てください!

 

ABOUTこの記事をかいた人

1987年、千葉県生まれ。 船橋市立葛飾中学校管弦楽部にてコントラバスと出会う。 千葉県立市川西高等学校を経て洗足学園音楽大学へ入学。 在学中より「吹奏楽部におけるコントラバスの現状」に着目し多くの講習会に講師として参加。大学卒業後はフリーランスのコントラバス奏者としてオーケストラ、吹奏楽、室内楽をはじめ楽器製作ワークショップやレコーディングなど多方面での演奏活動をする傍ら、吹奏楽指導者・アマチュアオーケストラのトレーナーとしても活動しており、中でも吹奏楽におけるコントラバスの指導に力を入れている。 これまでにコントラバスを寺田和正、菅野明彦、黒木岩寿各氏に師事、指揮法を川本統脩氏に師事。現在、昭和音楽大学合奏研究員、ブラス・エクシード・トウキョウ メンバー。また、日本アロマ環境協会 アロマテラピーアドバイザーの資格を持つ。