悩めるバス弾きに届け!パートは自分だけ、周りに教えてくれる人がいない人に送るワンポイント・アドバイス。今回は課題曲Ⅰ 江原大介さんの「スケルツァンド」です。
スケルツァンド/scherzando (伊)
音楽辞典を引いてみると
scherzando (伊)
たわむれるように。軽快に。
元は scherzare で、「遊ぶ」「たわむれる」「じゃれる」「冗談をいう」の意味。
陽気にはしゃいだり、遊んでいるような「軽快さ」が欲しい曲だと思います。
冒頭部分〜Bまで
前半は目まぐるしく拍子が変わりますが、ここで4/4、ここは3/4、2/4でえっとここは6/8…となるとテンポも早く大変なので、フレーズでくくって考えると覚えやすいと思います。
冒頭から数小節を例に出してみると
2小節ー2小節ー3小節ー2小節という感じで分けられると思います。メロデイが分けた小節のアウフタクトからはじまっているところもありますが、上手く追えない人はこうやって譜割りをしてくと覚えやすいでしょう。
冒頭3/4は(ダウン ダウン)、次の小節も(ダウン)から弾き直すとバシッと決まります。
4小節目のG♭→Bはスラーになっていますが(アップ)で弾き始めBを(ダウン)弓元で弾いてもよし、そのまま一弓で弾いてもよし。僕も悩んでいます。
レッスンでもよく相談を受けますが、拍子が上手く取れないときは近くの路線図を使ってみてください。
例えばAから数小節、小田急線ver
4/4(し・ん・じゅ・く)6/8(えびな・えびな)4/4(し・ん・じゅ・く)6/8(えびな・えびな)3/4(ま・ち・だ)6/8(えびな・えびな)2/4(かい・せい)
音符は言葉と考えて、何か好きな食べ物やアイドルの名前、電車の駅名など色々と考えてみると楽しいです。
19小節目は八分音符を(アップ)で弾けるとrit.の音符が弾きやすいと思います。その場合、次の全音符を弾いている中で弓を返してしまえばVivoから弓順で弾けます。
B〜Dまで
25小節目のGの音はD線のGを上手く使うとスラーがスムーズに弾けると思います。D線のGを押さえるときは4の指が良いでしょう。4の指でGを押さえたら、次の小節のDes(A線)をそのまま2の指で押さえることができます。テンポが早いので、無駄な動きがないようにポジションの「ヨコの関係」を頭に入れておこう!
34小節少し音色を変えてみると良いかもしれません、同じ動きをしている仲間は誰かな?スコアを見て確認してみよう。ここもできたらD線のGが良いかもしれませんね。
D以降
ここからpizzの指示があります。楽譜に書かれている強弱記号よりも少し大きめに弾いて良いと思います。pizzは指先ではなく指の腹の部分を使うイメージで、豊かな響きを出してみましょう。ここも、フレーズ感を持って演奏することでpizzに流れが出てくるでしょう。全てが1拍目みたいになってしまわないように注意が必要です。
Eからは指定テンポ152。ここはStrepitosoと書かれているので意味を確認しておこう!
Fからのボウイングに悩んだ人は71小節目を工夫してみよう。
83小節目4拍はグリッサンド。弦を押さえたままAの音からFの音まで滑らせます。弾き始めで開放弦を使えばglissの出だしがハッキリと弾けます。3拍目は開放弦、4拍目でE線のAを押さえてもよし。ここもゆっくり練習してみよう!
その後のボウイングはこれまでを参考に、Iはもう一度(ダウン)スタートが良いでしょう。
スケルツァンドまとめ
この曲は最高音がG線のC(ド)の音です。
基礎合奏、また基礎練習でG-durのスケールを練習することがあったら上のGをD線で押さえる指使いで練習してみてください。最高音のCの場所とヨコの関係を覚えておくと良し。まだコントラバスを弾き始めたばかりの人は教則本にある運指表を使って各弦のどこを押さえたらどの音がするのかを確認しておくと良いかもしれません。
それでは、頑張ってください!
この記事は、課題曲の楽譜をもらったけどパートに一人しかいなくてどう練習をして良いかわからない、と悩んでる人向けに何か力になれたらと書いています。コントラバスに関する質問は、TwitterのDMで受け付けていますのでお気軽にご連絡ください。
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