コントラバス 練習お役立ちアイテム

吹奏楽部のレッスンをしていると、欲しい楽譜が手に入らない、部活が忙しくて松脂を買いに行けないという声が届くことがありました。

他にも遠方に住んでいると、楽器店に行くには親に車で連れて行ってもらう必要があったり、保護者の方が買いに行くということがあるようで、ならばブログ経由で練習に必要な小物を買えるようにしようと、あると嬉しい!コントラバスのお役立ちアイテムを集めました。

これから部活動でコントラバスをはじめる人も持っておきたいアイテムです。

全て実際に使用しているものなので、使った感想を交えながら紹介していきます。

各グッズごとに紹介しているページにはメニューから飛べます!

プロから初心者まで長年にわたり愛される松脂5選

弦楽器は弓に張った毛に松脂を塗って弦を擦り、その摩擦で弦が振動し音が出ます。

コントラバスの太い弦を震わせるためには強い粘度が必要で、コントラバスの演奏には他の弦楽器の松脂(硬くて粉っぽい)より柔らかく作られたコントラバス専用の松脂を使用します。

高い粘着力と明るい音色、初心者にもおすすめな「ポップス」

赤いケースが可愛いポップスは僕もメインの松脂として使用しています。

使った印象メモ

高い粘着力と明るい音色が特徴で、引っ掛かりも良く初心者におすすめ。

とても柔らかい松脂なため、夏場は溶けて変形しやすくなるので注意。

引っ掛かりがよくパワーのある音が出る「コルシュタイン」

コルシュタインは、ハード、ソフト、オールウェザーと3つのタイプがあり違いは粘度です。

ここで紹介するのはオールシーズンを通して使いやすいオールウェザー。

使った印象メモ

引っ掛かりはポップスより滑らかですが、パワーのある音が出ます。

松脂の粉が付きにくく、音量が欲しい場面から弱奏部分までとても弾きやすい印象の松脂です。

シリコンケースに入っているため保管もしやすいのが嬉しいです。

多くの奏者に愛される、最もポピュラーな松脂「カールソン」

「迷ったらこれ!」と言われる程に長年多くの人に愛される松脂がカールソン。

初心者からプロ奏者まで使用者も多い、コントラバスの松脂の定番です。

使った印象メモ

柔らかいとう感想もありますが、コントラバスの松脂の中では硬い分類に入る印象。

発音もしやすくパリッとした音色がします。

ポップスが柔らかすぎて苦手という人にもおすすめ。

カールソンと並び、プロアマ問わず幅広く使用される「ニーマン」

カールソンと同じスウェーデン製で、一説によると中身は同じ?らしいですが真相はわかりません。

吹奏楽からオーケストラまでシーンを問わず使いやすい松脂です。

使った印象メモ

カールソンと並びプロアマ問わず幅広く使用される松脂で、使用感もカールソンに近いです。

硬い分類に入りますが、粘度はあるため塗りすぎてしまうとガリガリとした汚い音になってしまうので、松脂の表面に毛の跡が残る程度に塗っていくのがおすすめです。

松脂アレルギーの人向けに作られた松脂「クラリティ」

クラリティは原料に松や樫の樹液ではなくハイドロ・カーボン(炭化水素)を使用した松脂で、松脂アレルギーを発症してしまう人でも安心して使える松脂です。

使った印象メモ

過去に興味本位で買ったことがあり、そのときの印象は引っ掛かりがよく、ポップスとカールソンを足して割ったような感じでした。

部活動を指導する顧問の先生や先輩は、知識として松脂アレルギーを持っている人向けに開発された松脂があるということは知っておくと良いと考えます。


コントラバスをはじめるにあたって知っておきたい松脂のこと

初心者の頃、松脂は弾く前に塗るもとしか理解していませんでしたが興味本位でいろいろなタイプの松脂を使ってみると、弾きやすさや音色の違いに気がつきました。

弓との相性もあるので、使っての感想には個人差があります。

吹奏楽の世界ではパートで楽器のメーカーを統一するという考え方もありますが、コントラバスに関してはパートで松脂の種類を揃える必要はありません。

奏者一人一人が使いやすい、好みの音色の松脂を使うことが一番で演奏への支障は一切ありません。

クリップタイプと便利機能が搭載されたチューナー2選

演奏前にチューニングから練習中に音程を合わ背など、いろんな場面で活躍するチューナー。

いろいろなメーカーからさまざまなタイプのチューナーが出ていますが楽器に取り付け持ち運びも楽なクリップタイプとメトロノームや基準音が鳴らせる便利機能のついたタイプがおすすめです。

取り付け簡単!持ち運びが楽なクリップチューナー

コントラバスの駒の部分に挟み使用するクリップタイプのチューナーは手ごろな価格。

楽器につけたまま演奏もでき、弓ケースのポケットにも入るサイズなのが嬉しいです。

使った印象メモ

合奏中や大音量の中でも確実に音を拾ってくれるのがありがたく、ちょっと音程が気になるときにサッとチューニングができます。

駒に挟んでいるため松脂の粉が付きやすいので、使用後はタオルで拭き取っておくことを忘れずに。マイクの部分に松脂の粉が付着してしまうと反応が悪くなっていきます。

これぞ定番!メトロノーム機能付きチューナー

部活動から市民楽団まで多くの場面で見かけるお馴染みのチューナー。

いろいろなリズムや拍子に対応したメトロノーム機能や一般的なチューニングの442Hzをはじめとした各周波数基準音を搭載しているので個人練習からパート練習まで幅広いシーンで活用できます。

使った印象メモ

チューナーとメトロノームがセットになったのが嬉しいアイテム。

個人練習では搭載されているマイクで音を拾えばチューニングができますが、人数の多い場面では周りの音にも反応してしまうため専用のマイクを繋がないとチューニングをするのが難しいです。


コントラバスを弾く上で気をつけたいチューナーの話

個人練習からパート練習まで大活躍するチューナーですが、コントラバスを床に置いたり、窓を開けて練習して楽器から離れるときは必ずマイクを楽器から外すこと。

マイクを付けたまま楽器を置こうとしたらチューナーが引っ張られて譜面台から落ちてきたり、窓を開けて練習していたら風で譜面台が倒れチューナーが楽器に直撃して楽器が割れたということがありました。

楽器のそばを離れるときは、楽器より高いところに物を置かない。

これが大切です。

わかりやすく初心者にもやさしい教則本はこれだ!

長年にわたり多くのコントラバス教則本が世に出てきましたが、実際にレッスンでも使用してみて

コントラバスをはじめたばかり

部活動での3年間ずっと使える

パートは自分一人だけ、周りにコントラバスを教えてくれる人がいない

といった環境下の中で練習に励む中高生を想定すると、おすすめの教則本は2冊。

一冊あれば初心者の頃から卒業まで長く使えて後輩指導にも役立ちます。

入門者のためのコントラバス教本 / 鷲見精一

中学生・高校生の為のコントラバスコンテストの主催者でもある鷲見精一さんはオーケストラから吹奏楽までクラシック音楽でコントラバスが必要とされる様々なシーンで活躍されています。

長年の演奏経験、指導経験から生まれた教則本は、現在売られているコントラバスの教則本の中で一番わかりやすく、初心者にやさしい一冊です。

使った印象メモ

基礎知識から基礎練習、より専門的な奏法の知識など5つの段落に分かれ書かれており、奏者として身につけられるかどうかで圧倒的な差が生まれる運指表に基づいたポジションの習得に必要な練習が充実しているところが魅力です。

ページ数も充実しているのでどこから練習を始めれば良いかわからないという人は、教則本内に書かれている入部してからの練習チャートを参考に進めていくと良いでしょう。

おすすめは参考演奏DVD付きです。

朝練コントラバス 毎日の基礎練習30分 / 永島義男

世代を超えて多くの人に愛されてきた朝練シリーズでコントラバスを担当したのは、東京藝樹大学をはじめさまざまな音楽大学で教鞭を取り、同時に演奏家としても活躍されてきた永島義男さん。

朝練の平均時間30分を目安に取り組める基礎練習を盛り込んだ一冊でコントラバスを弾くために知っておきたい知識、基礎練習が学べます。

新版となり写真での解説がイラストとなったり、新たに曲や解説が追記されました。

使った印象メモ

コントラバスを弾くために知っておきたい知識が詰まった教則本で、指を鍛える練習やフィンガリング(指番号)付きの全調スケールは中級、上級者にもおすすめ。

ポジションの解説が

  • 各ポジションの紹介
  • 学んできたポジションまでで弾けるスケール

となっているので、ポジションの練習をしたい人は鷲見精一さんの教則本がおすすめです。

内容は基礎練・練習編と分かれており、練習編は楽譜を見た印象はすぐに弾けるような印象ですが、シマンドルの教則本の練習曲を引用するなどより高い技術を習得したい人向けになっています。

合わせて読みたい、より知識を深めるための一冊

コントラバスの教則本を多く研究してきて、吹奏楽部をはじめとした音楽系部活動でコントラバスをはじめるのであればこの2冊だなという教則本を紹介しました。

合わせて、スクールバックに入るサイズでより知識を深めるためにおすすめな本がこちら。

入門者のためのコントラバス教本の著者、鷲見精一さんの本で教則本よりも文章が多め。

吹奏楽部で聞かれる質問の中でも多いビブラートの掛け方や、合奏で上手く弾くコツなどが書かれた一冊で、読み物としてもおすすめです。

教則本と合わせて持つことで、一つの答えに辿り着くルートは一つではないことがわかります。

基礎合奏の本も自分のが欲しい!

吹奏楽部では合奏をする前にハーモニー練習やリズム練習といった基礎練習を全員でやる基礎合奏の時間を設ける学校が多くあります。

基礎合奏で使用するテキストは学校にあったり、代々パートで使われている本を使うことが多いですが、中には「学校にある本には書き込みがしにくいから自分の本が欲しい」という声もありました。

だけど、基礎合奏の教則本は店頭にないことを多いので手に入りにくいです。

ここでは多くの学校で使われている代表的な基礎合奏教本を取り上げます。

3Dバンドブック

基礎合奏の定番3Dバンドブック、実はコントラバスのパート譜がありません。

なのでチューバやファゴットパートの楽譜を使い練習に参加しています。

僕はチューバの楽譜を研究していたのでここではチューバパートの紹介します。

使った印象メモ

コントラバスの最低音(E線のE=低いミの音)より下の音が出てくるので、オクターブを上げて弾くなど曲によって臨機応変に対応していくことが必要です。

リップスラーやアンブシュアの練習は不要、コントラバスの教則本ではないこと、フィンガリングとボウイングが書かれていないので個人練習にはおすすめできません。

各調3番の練習曲を二分音符で弾き、音を出すタイミングをズラして三声を作る、5番の練習曲でボウイングを付ける練習をするなど経験者であれば楽譜を工夫しながら練習ができます。

JBCバンドスタディ

最近、多くの学校で見かけるようになった基礎合奏の教則本。

各パートの楽譜があるためコントラバスパートもあり、楽器の知識や基礎練習が書かれています。

使った印象メモ

コントラバスの教則本としての役目を果たしつつ基礎合奏教本として書かれている一冊でボウイングの記入があるのが初心者に優しいです。

個人で取り組むと進め方が難しい印象ですが、僕が初心者講習会で伝える内容は12〜13ページ、1ページに書かれています。

12〜13ページを理解し練習し、1ページに戻りスケール2、スケール3を押さえたらコントラバスの教則本を開いてみることをおすすめします。


楽器の基礎とバンドの基礎

吹奏楽部では基礎合奏のテキストや各学校が独自に取り組む基礎合奏の楽譜で基礎練習をしている人を見かけますが

  • 基礎合奏はバンドの技術向上のため
  • 基礎練習は楽器の演奏技術向上のため

と考えてみると、楽器の基礎はそれぞれの楽器の教則本を使って取り組み、演奏に必要な技術を身につけた上で基礎合奏のテキストを開いた方が上達が早く書かれている内容への理解度も深まります。

楽器紹介からソロコンテストまで使えるコントラバスのソロ曲集

これまでコントラバスはソロを弾きたいと思っても、楽譜がないといった問題に直面することが多くありましたが、近年コントラバスで演奏するために編曲された曲集を見かけるようになりました。

中には参考伴奏CDが付いているので、音源と合わせながらソロを弾くこともできます。

楽器紹介からソロコンテストまでこれ一冊!

楽器紹介で何か弾いて!や校内のソロコンテスト、そしてコントラバスコンテストまで幅広く使え、たくさんの名曲に触れることができる曲集を紹介します。

使った印象メモ

コントラバス奏者が編曲したこともあって、指番号やボウイングも書かれておりとても弾きやすいです。このボウイングが正解ではなく参考として自分の解釈を作っていくと良いでしょう。

曲ごとに難易度が書かれているので、自分のレベルにあった曲を選びやすいです。

おすすめの弦は?コントラバスの弦について

吹奏楽部のレッスンで、特に顧問の先生から質問が多いのは「おすすめの弦はありますか?」ということ。弦は楽器との相性もあるので張ってみないとわからないというのが本音ですが、多くの部活動で見かける、また実際にレッスンで紹介している弦は以下の2種類。

弦は高価ですが、消耗品なので長年使用していると硬くなり押さえにくく、音量も出なくなりチューニングも狂いやすくなってくるので定期的に交換することをおすすめします。

往年の定番!ピラストロ社のフレクソコア

コントラバスの弦で一番おすすめなのはピラストロ社のフレクソコア。

使った印象メモ

コントラバスらしい太くて柔らかい音色が特徴で直線的な響きがして、学校備品としてある楽器との相性も良いように思います。

理想は年に一度の弦交換ですが、予算の関係で難しいこともあって長持ちする弦が良いと思うのであればフレクソコアはおすすめです。

幅広い世代に人気なトマスティーク社のベルカント

近年、部活動でもよく見かけプロ奏者の間でも評判の良いベルカントという弦。

使った印象メモ

テンションが低く押さえやすいので初心者でも無理なく押さえられるような印象で、横に広がるような響きがします。音色は明るめですが、低音域のパワーがもう少し欲しいところ。


弦を買うときはソロ弦に注意!

コントラバスはオーケストラチューニングと呼ばれる弦と合わせて、ソロを弾くときに使われるソロチューニング用の弦が売られています。

弦の細さや音が変わってくるので、弦を買う際は充分注意してください。

各弦の音が低い音から(E-A-D-G)となっているオーケストラチューニングの弦を使用します。

あると嬉しい(上手くなる?)アイテム2選!

最後はあると嬉しいアイテム2選の紹介です。

上手くなる?というのは冗談のように聞こえますが、本当です。

楽譜への書き込みは濃い鉛筆で、目安は4B

吹奏楽の世界だとあまり知られていませんが、楽譜に書き込みをするときは濃い鉛筆を使います。

理由はいくつかありますが、見やすいことと楽譜が傷つきにくいこと。

硬い芯やシャーペンで書いてしまうと文字が薄くなってしまうので、見ているようで見えてないということが多々ありました。

使った印象メモ

レッスンでは、楽譜には必要な情報をわかりやすく濃く書くことが大切と伝えています。

実際に濃い鉛筆で書き込みをした楽譜で弾いてもらうと、圧倒的にうっかりミスが減ってきます。

上手くなる?というのはここで、しなくても良いようなミスを減らすことにも繋がっています。

音楽用語と合わせて知っておきたいイタリアの日常会話

楽譜に書かれてる音楽用語が日常でどのように使われているかわかりますか?

イタリアの日常会話から学ぶ音楽用語は音楽辞典に載っている意味とは違った一面を持っています。

音楽用語としても意味と合わせて日常会話でどのように使われているかを知ると、表現の幅を広がっていくのではないでしょうか。

使った印象メモ

「なるほど!」がたっぷり詰まった読み応えのある一冊。

個人レッスンや合奏指導など、音楽を教える側としても学びが多い一冊です。

おわりに

吹奏楽部の中高生や保護者の方の声を形にしてみようと、あると嬉しい!コントラバスのお役立ちアイテムを紹介してきました。

ここで紹介しているアイテムは、全て実際に使っているものです。

吹奏楽部をはじめとした音楽系部活動でコントラバスをはじめた人や趣味で演奏しはじめた人、忙しくて楽器屋さんへ行けないという人など、いろいろな人がこのページを役に立てていただけたら嬉しいです。

吹奏楽における、コントラバスヘの理解と発展を願って。