日記

「フリーランスで活動している音楽家のみなさん、音楽の仕事で毎月いくら稼いでますか?」とX(Twitter)でアンケートをとってみた結果。

コントラバス奏者、吹奏楽指導者、指揮者の井口信之輔です。

先日、X(Twitter)のタイムラインに音楽アーティストと収入に関する興味深いアンケートが流れてきたので、対象となる数字を眺めながら「これ、クラシック音楽の世界だとどんな感じなんだろう」と考えていました。

そして、そのまま勢いでフリーランスで活動している音楽家のみなさん、毎月の音楽の仕事でいくら稼いでますか?といった感じのかなり踏み込んだ感じのアンケートを作って投稿しました。

翌朝くらいにちょっとドキドキしていましたが、たくさんの方が回答してくださり最終的に197票集まり結果が出ました。

今回はその結果についてまとめていこうと思います。

アンケートにご協力くださった皆さまありがとうございました!

フリーランスの音楽家が「音楽の仕事」でいただく平均月収は?

アンケートは

フリーランスで活動している音楽家の皆さん、音楽の仕事でいただく平均月収は?

という感じで選択肢を4つ用意し期限は2日で投稿しました。

また、このアンケートをとるにあたってリアルな数字が可視化されてアーティスト支援が広がるといいなと思ったので、そうした一言を添えています。

フリーランスで活動している音楽家が、音楽の仕事でいただく平均月収

2日間に渡るアンケートの結果は以下のようになりました。

 

次に回答結果と自分の考察と併せて見ていきたいと思います。

平均月収:10万円以下 43.1%

まず一番回答数が多かった、毎月の平均月収10万円以下のゾーン。

43.1%という回答率だったので、およそ半分の人が音楽の仕事で得る収入が10万円以下という結果になりました。

今回かなりざっくりしたアンケートなので、いわゆる音楽大学を卒業したばかりでアルバイトと並行してフリーランスとして音楽活動を続けている人だけでなく、ライフステージが変わる中で音楽の仕事を稼働できる範囲で続けている人の回答なども含まれているのかもしれないと感じました。

平均月収:10万円以上、20万円未満 21.3%

続いて、毎月平均して10万円以上〜20万円未満の収入がある層。

これは僕がそうだったのですが、音楽の仕事で毎月10万円を稼げるようになると自信がついてきます。世間一般的には少ない数字かもしれませんが、自分の名前や腕ではじめてたどり着いた10万円という数字は本当に嬉しいです。

この層で20万円に近くなるとアルバイトを回数を減らすか、生活環境によってはアルバイトを辞めるという選択肢が視野に入ってくるラインだと思います。

平均月収:20万円以上、30万円未満 15.2%

20万円以上〜30万円未満という層は15.2%という結果になりました。

ここはちょっと驚いたところで、20万円未満の層の次に多い結果になると思っていたら、一番少ない層となりました。

住む地域によって変わってくるとは思いますが、音楽の仕事一本で生活していけるラインとして考えて良いのではないかと思います。

この層が少ないということは、ここにたどり着くのが一つ大きな壁なのかもしれません。

平均月収:30万円以上 20.3%

今回のアンケートで3番目にランクインしたのが毎月の収入が30万円以上ある層です。

一番少ない層かと思っていたら、毎月平均して10万円以上〜20万円未満の収入がある層の次となり、20万円以上〜30万円未満という層とは約5%の差で多い結果となりました。

フリーランスの中でも固定収入がある層が多いような印象でしたが、どうなのかが気になります。

個人で音楽教室を主宰しており多くの生徒さんが習いに来ている人、大学や高校で講師をやっている人、また自分のスキルを掛け合わせて活動を展開している人、SNS・YouTube・ライブ配信などオンラインでの活動を充実させている人で数字を持っている人もこの層にいるのかな?と感じました。

収入の分散化でリスクを回避、スキルの掛け算で活動の幅を広げる

ここまでいろいろと書いてきたので自分のことも書き残しておこうと思います。

僕はこのアンケートの中では3番目となる平均月収:30万円以上の層で仕事をさせていただいています。

ここの層に到達したのは、収入の分散化とスキルの掛け算で活動の幅を広げたことでした。

  • 収入の分散化

収入源を一つに絞らず複数に分けることでリスクを減らすこと

  • スキルの掛け算

専攻楽器の技術を足し算で積み重ね、好きや得意、興味関心のある分野、やってみたら他人から喜ばれたことなどを掛け合わせて活動の幅を広げていくこと。

収入の分散化とスキルの掛け算で得られるメリット

収入を分散化させることで仕事がキャンセルになったときのリスクを回避でき、スキルの掛け算で活動の幅を広げることで、同業他者との競争(パイの奪い合い)への参加を極力避けることができると考えています。

おわりに

勢いで作って投稿したアンケートがここまで広がるとは思ってもいなかったので驚きましたが、同じ音楽の世界で活動されている人と意見交換する機会が生まれたり、リアルな数字を見たことでこの数字をどう伸ばせば良いかを考えるきっかけになったり、また今回の数字を見てアーティスト支援の輪が広がったりすれば良いな、なんて考えたりしていました。

音楽の仕事って人と人との繋がりの先にあるものだと思うので、一つ一つの縁を大切にしていきたいですね。

音楽の世界に明るい未来が訪れることを願って。


お知らせ

noteというクリエイターが文章やマンガ、写真、音声を投稿することができ、ユーザーはそのコンテンツを楽しんで応援できるメディアプラットフォームでフリーランス音楽家サバイバル論というマガジンを発信しています。

それほどでもない成績で音楽大学を卒業し、フリーランスの音楽家として活動している僕が【音楽一本で食べていけるようになって結婚して家庭を持つ】と言う目標を達成するまでに実践してきたことをテーマにこれまでの体験談を書いています。

かなり踏み込んだ話は有料で、飲み会でするような話は無料で読めるようになっているのでぜひ読んでみてください。

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イグチシンノスケ

千葉県出身。 船橋市立葛飾中学校管弦楽部にてコントラバスと出会う。 千葉県立市川西高等学校吹奏楽部を経て洗足学園音楽大学へ入学。 2022年春学期東京音楽大学指揮研修講座修了。 在学中より「吹奏楽部におけるコントラバスの現状」に着目し、多くの講習会に講師として参加。大学卒業後はフリーランスのコントラバス奏者としてオーケストラ、吹奏楽、室内楽をはじめ楽器製作ワークショップやレコーディングなど多方面での演奏活動をする傍ら、吹奏楽指導者・アマチュアオーケストラのトレーナーとしても活動しており、中でも吹奏楽におけるコントラバスの指導に力を入れている。 これまでにコントラバスを寺田和正、菅野明彦、黒木岩寿各氏に師事。指揮法を川本統脩、三河正典各氏に師事。よこはま月曜吹奏楽団指揮者。初心者と子どものためのオーケストラpìccolo音楽監督。板橋区演奏家協会理事。取手聖徳女子高等学校音楽科非常勤講師。

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