明日のためのレッスンノート

高い音域の音を押さえるために知っておきたい左手の形と基礎・基本。コントラバスの運指表に基づいた12のポジションより「第6ポジション」

明日のためのレッスンノート(vol.21)

吹奏楽におけるコントラバスへの理解と発展を願って毎週更新『明日のためのレッスンノート』

昨年から一緒に勉強をしてきた「コントラバスの運指表に基づいた12のポジション」も、残すはあと3つとなりました。

今週から、これまで覚えてきた左手の形とは少し違った押え方を覚えていきます。

慣れるまで少し時間がかかるかもしれませんが、左手の基礎を学んだ頃を思い出し練習を重ねていってください。

明日のためのレッスンノートでは、毎週ポジションを1つずつクリアしていくことを目標とし、全部で12のポジションをマスターしていきます。

今週もまた、音の階段をひとつ登って新しいポジション『第6のポジション』へと進みます。

ポジションを順番に覚え、知識として頭に入れ、練習を重ねて、より良いバスを弾けるようになってくださいね。

コントラバスの12のポジション〜第6ポジションとは?

コントラバスの運指表に基づいた12のポジション。

今回マスターするポジションは「第6ポジション」と呼ばれています。

まずは、第6ポジションの音列を覚えていきましょう。

  • まめ知識

D、A、E各線の音列はG、D、A各線の第3ポジションと同じです。

吹奏楽作品で主に使用するのはG線(たまにD線)で、A線とE線はほとんど使用することはありません。

  • G線(ソ)…→ファ(ミ♯)→ソ♭(ファ♯)→ソ(ファx)
  • D線(レ)…ド(シ♯)→レ♭(ド♯)→レ(ドx)
  • A線(ラ)…ソ(ファx)→ラ♭(ソ♯)→ラ(ソx)
  • E線(ミ)…レ(ドx)→ミ♭(レ♯)→ミ(レx)

※ xはダブルシャープとしています。

第6ポジション

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はじめて登場!小指の補助として使われていた3の指

これまで、コントラバスの弦を押さえるためには「人差し指(1)中指(2)小指(4)の指を使い、3は小指の補助」として使われてきました。

これまでの形(ハーフポジション〜第5と第6の中間ポジション)

  • 1の指(人差し指)は1本で押さえるから1
  • 2の指(中指)は2本で押さえるから2
  • 4の指(小指)は4本で押さえるから4(3の指は小指の補助として使う)

そして、キツネの手遊びをイメージしたように、親指は(1)の指と(2)の指の間にくるようにセットし、ギターのフレットを左手で作ることが大切でした。

ポジションが進むにつれ、隣り合った音の幅が狭くなり「第5ポジション〜第5と第6の中間ポジション」辺りになると、親指の向かいには(1)の指が来るようになり、弦を押さえる指はほとんど密着するようになりました。

すべての基礎となるハーフポジションから追ってみると、少しづつ弦を押さえる左手の形が少しづつ変化していることに気がつくことでしょう。

そして、ここまでの音域は一般的に「ローポジション」と呼ばれています。

これからの左手の形(第6ポジション〜)

これまでの左手の形で「第6ポジション」の音を弾いてみると、少し押さえにくいことに気がつくと思います。特に小指でG線のソ(G)を押さえるのは大変ではないでしょうか?

そのため「第6ポジション」からは親指の位置もこれまでとは違い「ネックの付け根、または側面に位置する」ようになり、これまで小指の補助としていた「薬指(3の指)」を使っていきます。

手が小さい人は、親指がネックの側面に位置しても大丈夫です。

楽器の大きさ、肩(楽器の側面)の張り具合によっても親指の位置は多少変わるので、どの辺りにセットすると押さえやすいかを研究してみよう!

弦に対して横に押さえてきた左手は斜めに押さえることになり、これまで離れないように注意していた中指(2)と薬指(3)はここで離れることになります。

はじめは、この(2)と(3)の指がなかなか離れませんが、練習を重ねて各指が独立できるようにしましょう。

これからの音域で(3)の指を使う左手の形は一般的に「ハイポジション」と呼ばれています。

※G線のオクターヴ上のG(ソ)の音より上をハイポジションと称することもあります。

慣れるまでが大変だけど、指先を寝かさないよに気をつけよう!

1-2-3の指の形を作り始めた頃は、うまく押さえられず指の先が寝てしまうことがあります。

左手の形を覚え始めたとき、少しづつ弦を押さえる力がついてきたように、1-2-3の形も少しづつ指先が固くなり押さえられるようになってきます。

また、爪が長すぎると弦が押さえられないので、適度な長さに切っておくと良いでしょう。

爪が割れてしまうこともあるので注意が必要です。

※写真の指は深爪になってしまっています。

爪を切りすぎると、指先に力が入りにくくなるとネイルを専門としてる方に言われました。

それ以降、深爪には注意し少し爪を伸ばすようになりました。

確かに、弦が押さえやすくなった傾向にあります。

爪の切りすぎには注意しよう!

ポジションを覚える流れはこれまでと同じ!

ポジションの覚え方はこれまでと同じです。

各弦での音の並びを確実に覚えていき、全長スケールの楽譜を使って自分が弾けるポジションのスケールを見つけ、積極的に取り組んでいってください。

おわりに

明日のためのレッスンノート、今週はコントラバスの運指表に基づいた12のポジションより『第6ポジション』の解説をしてきました。

今週は高い音域を押さえる左手のフォームを一緒に勉強してきました。

学年がひとつ上がる前に、コントラバスの運指表に基づいた12のポジションを一緒に覚えていきましょう。

次回『明日のためのレッスンノート』は「第6と第7の中間ポジション」へと進んでいきます。

これまでとは違う指の形に少し戸惑うこともありますが、すべては日々の積み重ねです。

無理をせず、自分のペースでコツコツと取り組んでいってください。

また、来週も一緒に頑張っていきましょう!


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イグチシンノスケ

千葉県出身。 船橋市立葛飾中学校管弦楽部にてコントラバスと出会う。 千葉県立市川西高等学校吹奏楽部を経て洗足学園音楽大学へ入学。 2022年春学期東京音楽大学指揮研修講座修了。 在学中より「吹奏楽部におけるコントラバスの現状」に着目し、多くの講習会に講師として参加。大学卒業後はフリーランスのコントラバス奏者としてオーケストラ、吹奏楽、室内楽をはじめ楽器製作ワークショップやレコーディングなど多方面での演奏活動をする傍ら、吹奏楽指導者・アマチュアオーケストラのトレーナーとしても活動しており、中でも吹奏楽におけるコントラバスの指導に力を入れている。 これまでにコントラバスを寺田和正、菅野明彦、黒木岩寿各氏に師事。指揮法を川本統脩、三河正典各氏に師事。よこはま月曜吹奏楽団指揮者。初心者と子どものためのオーケストラpìccolo音楽監督。板橋区演奏家協会理事。取手聖徳女子高等学校音楽科非常勤講師。

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