日記

#キャリアのしくじり。仕事が欲しくて営業営業!売り込み売り込み!と鼻息を荒くしていた卒業一年目のしくじり話

こんにちは。コントラバス奏者、吹奏楽指導者、指揮者の井口信之輔です。

クラシック音楽を中心にコントラバス奏者として活動するほか、中学高校の吹奏楽部やオーケストラ部、大学サークルでコントラバスの講師を務めたり、アマチュア楽団の指揮・指導にあたったり、茨城県にある取手聖徳女子高校の音楽科でコントラバスの講師を務めています。

SNSやブログではフリーランスの音楽家のキャリアの作り方、また活動の幅の広げ方などの発信しています。

Voicyのハッシュタグ企画に記事で参加してみる

いつも移動中に、Voicy(ボイシー)という音声配信アプリでいろいろな人の番組を聴いています。

起業家の方々やクリエイター、またクラシックの音楽家などたくさんの人が音声配信をしているアプリなのですが、今日はそんなVoicyが行っている「トークテーマ企画」で面白そうなお題(ハッシュタグ)があったので、ブログで参加してみようと思います。

気になったお題(ハッシュタグ)は#キャリアのしくじりだったのですが、真っ先に思い当たることが浮かんだので書いてみます。

フリーランス1年目に営業と自己紹介を勘違いしていた話

キャリアのしくじりなんて思い返せばたくさんあるけど、よく覚えているのが営業と自己紹介を勘違いしていたこと。

いわゆる音大を卒業したら自分で営業して売り込んで、仕事をとっていくぞ!と鼻息荒く意気込んでいたけれども打席に立てば空振り三振、次こそはと思ってもまた三振。

こんなにたくさん名刺を配り歩いているのになぜ仕事が来ない。

そんな時期がありました。

結論から言うと、そのときの自分は営業と自己紹介を勘違いしていたのです。

そのときのエピソードを一つ書いてみようと思います。

駆け出しの頃、日本吹奏楽指導者クリニックへ売り込みに行った話

毎年、5月になると静岡県浜松市で日本吹奏楽指導者クリニックといわれる国内最大規模の吹奏楽指導に関わる人を対象としたイベントが開催されます。

公式のホームページにも吹奏楽指導者や教育関係者を対象とした日本最大の総合吹奏楽研修会と書かれているように学校で吹奏楽部の顧問の先生をやられていたり、指導者として各地を飛び回っている人、また吹奏楽指導を勉強したいアマチュア音楽家の方など本当にたくさんの人が集まります。

当時、音大を卒業しコントラバス奏者として活動していくことを夢見ながら大好きな吹奏楽指導にも関わりたいと思っていた僕は、まずは自分を知ってもらおうと掛け持ちしてた朝と深夜のアルバイトで稼いだお金でこのクリニックに参加しようも決めました。

そして、名刺をたくさん用意して配りあるけばきっと仕事がくると思っていました。

ここで名刺を配れば夏の吹奏楽コンクールの時期は大忙しに違いない(当時の心の声)

もし、過去の自分とサシ飲みをする機会があったら「あのね、」と切り出したくなります。

営業という名の自己紹介

クリニックに到着し、まずは講座に参加し勉強し、ホテルに戻り準備完了。

大量の名刺を用意して鏡の前で「よし!」なんか意気込んでいざ、大交流会へ。

各地域ごとのブースが設けられ交流会が開かれると聞いていたのでここで売り込もうと意気込んでいました。

会場に着いた僕は、名刺を持ち歩いて相手が誰かと話しているなどお構いなしに名刺を渡して「機会があったらお願いします」と言いい名刺を配り歩いていました。

まるでマニュアルがあるかのように「コントラバスを弾いてます井口です!もし何か機会があったらよろしくお願いします。」名刺はどんどんなくなりついには全て配りきった。

先生方は、もちろん話を聞いてくださる。

これだけ配れば夏はきっと忙しくなるぞと本当に信じてて、交流会での営業(相手の都合も考えず一方的に名刺を渡して自己紹介しただけの営業)を終えて節約をしてチケットを手にした夜行バスで帰宅。

まだ真っ白な手帳を眺めながらその年の夏の依頼を心待ちにしていました。

でも、その年の夏に仕事はひとつも来ませんでした。

よく考えてみたら僕がやってるのは一方通行の自己紹介で営業でも売り込みでもなかったんですね。

いきなり来て名刺を出して「機会があれば」なんて相手に失礼極まりないし、そして何者かもわからない、ヘラヘラとやって来てコントラバス弾いてますとか吹奏楽指導やりたくてと名刺を渡す得体の知れないフリーランスに機会なんてあるはずがありません。

この失敗、失礼なことをしてしまったけど考えを改める良い機会となりました。

営業、売り込みがプレゼンという考えに変わったこと

卒業1年目に自己流の営業、売り込み方法で大失敗にしてからいろんな本を読み、営業、売り込みという意識がプレゼンという考え方に変わっていきました。

この考えにたどり着いたのはだいぶ先ですが、今も根っこにある考えです。

と言うことで、プレゼンの練習をするために神社に通っていた時期がありました。

神社でプレゼンしてみる

過去の自分は、例えばそうした交流会の場で名刺を配って「普段はどんな活動をされているんですか?」と聞いてくださったり、演奏会の打ち上げの飲み会の席とかで「今、何やってるの?」と聞かれたとき以下のように答えていました。

「えーっと、オケとかブラスとかで弾いたり…あとは吹奏楽の指導をしたり、いろいろやってます。あ、でもたまにバイトとかしながら…」

これだと、相手には何やっているか伝わりませんよね。

オケって何?オーケストラの略というはわかるかもしれませんが、吹奏楽をブラスっていうことって世間的に知られてる?その世界の言葉で話してないかとツッコミどころ満載です。

まずはそこをちゃんと伝えられるようにしようと痛感した。

今でも曖昧な返答をしてしまうことはありますが、誰かのラジオで耳にした「神社でプレゼンをする」というアイディアを取り入れて仕事に行く前に神社に行くようにしました。

神社へ行けばお参りをして何かしらお願い事をします。

そのお願い事をする時間は長くても1分くらいだと思うので、この1分をお願い事をする時間ではなく自分をプレゼンする時間にしてみるのです。

頭の中で自分が何者かを喋るって難しい。

1分でいきなり自分のことを話すのは本当に難しく、一度やってみるといかに自分が自分のことを伝えられていないかよくわかる機会となりました。

プレゼンをして会話の導線を作る

神社へ通い、自分が何者かを伝える練習をする。

コントラバス奏者として活動していること、演奏家としてはオーケストラや吹奏楽、そして室内楽のような小さなアンサンブルで学校や各地の施設を回っていること。

指導者としては吹奏楽におけるコントラバスの指導に力を入れており、また弦楽器奏者であることを強みに「弦楽器奏者の視点から見たバンド指導」というテーマで吹奏楽指導をしていること。

そして神奈川県の音楽教室に勤めていること、指揮活動をしていること、千葉県で個人レッスンをしていること、茨城県の音楽高校で講師をしていること、アマチュアオーケストラのトレーナーや弦楽器セクションの基礎合奏をいう今までにない試みをしていること、ブログやSNSを駆使して出張レッスンをやっていたことなど、その場の雰囲気や相手のフィールドに合わせて自分の中の会話の引き出しからどんな話を選ぶかを考えたりしています。

それから、ブログや各種SNSで発信をしているので名刺にブログのQLコードを貼って、名刺を手に取ってくれた方が自分のページにアクセスしやすいような導線を作るようにしました。

名刺を交換させていただいたあと、相手が後日名刺を手に取って見てくれたときにすぐ自分のページへ飛べるような導線を作っておいた方が、名前を入力して検索するような手間を省けるし、相手の時間を奪わなくて済むという発想からです。

「普段はどんな活動をされているんですか?」と聞いてださったり、演奏会の打ち上げの飲み会の席とかで「今、何やってるの?」と聞かれたとき、多少のぎこちなさを交えながら今は返答しているのですが、営業、売り込みではなく自分をプレゼンすると意識するようになってからレッスンや演奏のご依頼をいただくことが多くなりました。

おわりに

自分が何者か、今どんなことをしているかを伝えるって難しいですよね。

こうして書いてはいますが、自分自身もまだまだ試行錯誤しています。

最近、こんなポストをしました。

最近、改めて打ち上げや飲み会に顔を出す大切さを感じているのですが、ここで大事なのは相手の話を聞くことで例えばアマチュア楽団の飲み会なんてアイディアの宝なんです。

「プロはどうやって練習するのか?」とか「譜読みが早くなるコツは?」と尋ねられたり、「いまさら聞きにくいけど指揮ってどうやって見てますか?」などなど、やっぱりリアルな悩みってこそ指導のヒントになるんですよね。

ちなみに思いを語るというのは自分が何をやりたいかを語るってことです。

やっぱり夢を語るって楽しいじゃないですか。

営業!とか売り込み!って思わない方が不思議とご縁が生まれたりするんですよね。

ということで、Voicyが行っている「トークテーマ企画」で面白そうなお題(ハッシュタグ)#キャリアのしくじりがあったので、勝手にブログで参加していました。

それでは、また!

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イグチシンノスケ

千葉県出身。 船橋市立葛飾中学校管弦楽部にてコントラバスと出会う。 千葉県立市川西高等学校吹奏楽部を経て洗足学園音楽大学へ入学。 2022年春学期東京音楽大学指揮研修講座修了。 在学中より「吹奏楽部におけるコントラバスの現状」に着目し、多くの講習会に講師として参加。大学卒業後はフリーランスのコントラバス奏者としてオーケストラ、吹奏楽、室内楽をはじめ楽器製作ワークショップやレコーディングなど多方面での演奏活動をする傍ら、吹奏楽指導者・アマチュアオーケストラのトレーナーとしても活動しており、中でも吹奏楽におけるコントラバスの指導に力を入れている。 これまでにコントラバスを寺田和正、菅野明彦、黒木岩寿各氏に師事。指揮法を川本統脩、三河正典各氏に師事。よこはま月曜吹奏楽団指揮者。初心者と子どものためのオーケストラpìccolo音楽監督。板橋区演奏家協会理事。取手聖徳女子高等学校音楽科非常勤講師。

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