明日のためのレッスンノート(vol.2)
こんにちは。コントラバス奏者の井口信之輔です。
先週からはじまった『明日のためのレッスンノート』
初回は、これだけは知っておきたい!楽器のお手入れ方法をお伝えしました。
演奏が終わった後の楽器のケアは、きちんとできていましたか?
もし、今までちゃんと出来てなかったなと思った人は、ぜひこれを機に習慣付けていってください。
さて、今回は『音が小さいと悩む人に送る、松脂(まつやに)の塗り方講座』をお届けします。
夏のコンクールシーズンに吹奏楽部のレッスンへ行くと「音が小さいと言われます」という相談を受けることが多くありました。
「音が小さいと言われます」
まずは、ここから思い浮かぶ原因を考えてみましょう。
- 楽器・弓の問題(弦や毛が古い、楽器のメンテナンスが不十分)
- 奏法の問題
- 松脂がしっかり塗られていないまま弾いている
楽器や奏法の問題はどうでしょうか?
楽器の状態を見てもらいメンテナンスをする時間、自分の癖に気づき、練習し改善していく必要があるなど中期〜長期的な時間が必要となります。
それでは、松脂はしっかりと塗れているでしょうか?
松脂の塗り方を解説している教則本も少ないので、自己流でやっている人も多いはず。
でも、松脂の塗り方であれば、すぐに見直すことができますよね。
レッスンで「音が小さい」と悩む子に松脂を塗ってもらうと、松脂がしっかり塗られていないという傾向にあります。
今回には、レッスンの現場で見た松脂の塗り方に動画と解説を加えて紹介していきます。
心当たりのある人はぜひ試してください。
そして、何か変化があれば、その変化を教えてくれたら嬉しいです。
それでは、今日よりもちょっと良い明日に向けて『レッスンノート』を開いていきましょう。
レッスンの現場で見た、松脂の塗り方
多くの学校へレッスンへ行き、色々な松脂の塗り方を見てきました。
弓の毛にきちんと松脂を塗ることができていたら良いのですが、これまでレッスンで見てきた松脂の塗り方を、3つのパターンに分けて解説します。
ムラができてしまったり、しっかりと弓の毛に松脂が塗れていないと良い音は出せません。
もし、今まで自己流でやっていたという人は松脂の塗り方を一緒に覚えていきましょう!
ムラができてしまう松脂の塗り方
硬く粉っぽい松脂を使うヴァイオリンなどは、このような塗り方をする場合もありますが、コントラバスの松脂は粘着性があり柔らかいので、こうした塗り方をするとムラができてしまいます。
松脂を滑らせているだけの塗り方
はじめから弓の毛に松脂を滑らせているだけだと、途中で松脂が左右に動いてしまったり、きちんと毛の表面に松脂がついていないことがあります。
※薄く塗りたい時はこういった方法もあります
松脂に、毛の跡がついていますか?
松脂をしっかりと押さえて一直線に滑らせる塗り方
上手く塗るコツは、少し圧力を加えて、弓の毛の根元か先から一直線に滑らせることです。
松脂の表面に弓毛の跡がついていたら、しっかりと松脂を塗ることができたと言えるでしょう。
動画のように松脂を動かす人、弓を動かす人がいます。
※何回か動画を撮ったため、この時は「松脂を塗りすぎています」
はじめに楽器を弾いてみて、松脂は必要があれば2〜3回ほど塗ることをオススメします。
コントラバス専用の松脂を使おう!
コントラバスの松脂は、ヴァイオリンやチェロが使う硬くて粉っぽい松脂に比べて、柔らかく粘着性があります。
レッスンへ行くと、たまにヴァイオリンやチェロ用の松脂を使ってる学校がありますが、ぜひコントラバス用の松脂を使ってみてください。
一般的に広く知られており、音大生やプロの音楽家の方も使っているコントラバス用の松脂は、以下の4種類です。
この他にも、コントラバス用の松脂は売られていますが、この4種類の松脂であれば身近な楽器店でも購入できるのでオススメです。
今日のまとめ
今回は『音が小さいと悩む人に送る、松脂の塗り方講座』をお届けしました。
- 「音が小さいと言われる」という原因の一つに松脂の塗り方がある
- 心当たりのある人は、松脂の塗り方を見直してみよう!
- 松脂を塗る時は、少し圧力を加えて、弓の毛の根元か先から一直線に滑らせる
- 松脂に、弓の毛の跡が薄っすらと付いているかを確認してみる
以上が今回のまとめです。
そして、前回のレッスンノートでお話をしたように、演奏後には弦についた松脂を拭き取っておきましょう。
特に、夏場など暑い時期には、付着した松脂が溶けて楽器がベタベタになってしまうので、気をつけてくださいね。
次回『明日のためのレッスンノート』は
そのロングトーンって本当に必要?
吹奏楽部でコントラバスを弾くために、知っておきたい基礎練習
です。
次回からは音を出していきましょう!