明日のためのレッスンノート

コントラバスの基礎練習が楽しくなる!リズム遊びのはなし

明日のためのレッスンノート(vol.5)

こんにちは。コントラバス奏者の井口信之輔です。

『明日のためのレッスンノート』先週はちょっと一息ついて、プロのコントラバス奏者はリハーサルに何を持ってくるのか?

というテーマでレッスンノートを書いてきました。

みなさんが、いつも練習に持ってくる持ち物と何か違いはありましたか?

このブログを読んで、早速ポーチをポチッと購入した人もいたようです!

https://twitter.com/jansei2326/status/915901752498569217

ぜひ、使った感想を教えてくださいね。

さて、また今週から一緒にレッスンを進めていきましょう!

コントラバスの基礎練習が楽しくなる!リズム遊びのはなし

開放弦のボウイング練習をするときに、メトロノームをどうやって使っていますか?

多くの学校に行って聞くのは「テンポ60でやってます」

この「テンポ60」で練習することは大切ですが、せっかく現代のメトロノームはいろいろなリズムが出せるのですから、使わないなんてもったいない!

前回のレッスンで公開した楽譜を使って練習できる内容なので、プリントして使ってくれている人はぜひチャレンジしてください。

それでは、今日よりもちょっと良い明日に向けて『レッスンノート』を開いていきましょう。

テンポと速度記号の話

演奏する曲のはじめには曲の速さを示す速度記号(メトロノーム記号)あるいは、速度標語が書かれていますね。

テンポは曲の速さで、その曲がどれくらいの速さなのかを表しています。

たとえば、四分音符=60と書かれていたら

拍子の基本としている音符(四分音符)を1分間に60回鳴らす速さですよ!という意味。

すでにわかっている人は良し。

今、心の中で「へぇ〜」と思った人はこれを機に覚えておこう!

来年、パートに初心者の後輩が入ったときに役に立ちます。

まずはテンポ60で練習してみる

それでは、前回の楽譜をお持ちの方は用意して、もし持ってないという人は、これから解説していくので頭の中で想像しながら進めていきましょう。

  1. メトロノームのテンポを60にセットする←時計の秒針もテンポ60です。
  2. そして、D線の開放弦(レの音がする弦、2番線とも言いますね)を弾く準備。
  3. 音符は全音符としてダウン→アップ→ダウン〜と繰り返す練習。

まずはここまで。

このときに

  • 弓の持ち方はできているか
  • 弓と弦は直角になっているか(弓の先が下がっていないか)
  • 弓の元から先まで同じスピードで使えているか

を、これまでの復習を兼ねて確認しておこう!

※手元に楽譜がある人は、左上の4小節間を繰り返してください。

さて、ここまでは多くの学校でもすでに取り組んでいる練習でしょう。

次は、メトロノームのリズムを変えて練習してみてください。

リズム遊びの基礎編と応用編

まずはこちら、はじめてのリズム遊び。

  • 四分音符=テンポ60

一番オーソドックスなカウントですね。まずはここからスタート。


  • 八分音符カウントで練習

四分音符のカウントで弓が全部使いきれないという人に、八分音符でカウントを出すとすんなりと全弓が使えるようになる傾向になります。

マーチの練習でも用意られますが、まずはこのリズムからチャレンジしていきましょう。


  • 三連符や十六分音符のカウントでの練習

他にも、6/8拍子や8/12拍子など吹奏楽作品でよく出てくるリズムが苦手な人は、三連符でカウントして練習すると良し。他にも十六分音符でカウントして練習するなどして、自分の身体の中でさまざまなリズムを刻めるようにしていくと良いでしょう。

アクセントの位置を移動させていくリズム遊び(応用編)

ここからは、リズム遊び応用編です。

今回も僕が吹奏楽部のレッスンで使用している教則本

吹奏楽部でコントラバスを弾くために知っておきたい、いくつかのこと

の楽譜を使って解説していきます。

リズム遊び

※こちらも、ダウンロード可能なので、ぜひお役立てください。

楽譜の二段目、八分音符のアクセントが移動しているのがわかりますか?

まずは、メトロノームをセットして鳴らしてじっと集中。

「ピッコ、ピッコ」と鳴っているメトロノームが「コッピ、コッピ」と聞こえてきませんか?

つまり、表拍にあったアクセントが裏拍に移動したわけです(こんな感じ)

こうしたメトロノームの使い方を、前回のボウイング練習に取り入れたらリズム感を育てるトレーニングにもなりますね。

八分音符ができたら、次は十六分音符、三連符とチャレンジしていってください。

誰かと一緒にアンサンブルをしているようなイメージを持って練習する

このときに、メトロノームのアクセントを移動させて練習するという感覚ではなく、自分の好きなドラマーが、隣でいろいろなリズムを叩いて一緒にアンサンブルをしているイメージで練習すると、より効果的でしょう。

友達や、憧れの先輩、仲の良い後輩なんかでも良いです。

メトロノーム「に」合わせる(片思い)

のではなく

メトロノーム「と」合わせる(両思い)

基礎練習では、この感覚を持っておくと良いでしょう。

さいごに

『明日のためのレッスンノート』コントラバスの基礎練習が楽しくなる!リズム遊びのはなし、いかがでしたでしょうか?

メトロノームの使い方を工夫して、日々の基礎練習に取り組めば、より中身のある練習ができるのではないでしょうか。

この練習を続けていくことによって、今どういうカウントをすれば良いかを判断できる力が身についてくるのではないかと思っています。

そして、最後に、同世代の音楽家でありマリンバ・打楽器奏者、作編曲・浄書・ガムラン演奏と舞踊な幅広いジャンルで活躍されている吉岡理菜さん(@YoshiokaEp_perc )も、アクセントの位置をずらす練習をTwitterにアップしていたので、こちらを紹介して今日のレッスンを終わりにします。

さすが、プロの打楽器奏者!こちらも参考になりますね。

 

さて!次回『明日のためのレッスンノート』は

ギターのフレットは自分で作る!コントラバスを弾くために、知っておきたい左手のはなし

部活動におけるコントラバスは、ここを覚えるかどうかで一気に差がつきます。

はじめは大変ですが、コツを覚えていけば大丈夫。

来週も、頑張っていきましょう!

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イグチシンノスケ

千葉県出身。 船橋市立葛飾中学校管弦楽部にてコントラバスと出会う。 千葉県立市川西高等学校吹奏楽部を経て洗足学園音楽大学へ入学。 2022年春学期東京音楽大学指揮研修講座修了。 在学中より「吹奏楽部におけるコントラバスの現状」に着目し、多くの講習会に講師として参加。大学卒業後はフリーランスのコントラバス奏者としてオーケストラ、吹奏楽、室内楽をはじめ楽器製作ワークショップやレコーディングなど多方面での演奏活動をする傍ら、吹奏楽指導者・アマチュアオーケストラのトレーナーとしても活動しており、中でも吹奏楽におけるコントラバスの指導に力を入れている。 これまでにコントラバスを寺田和正、菅野明彦、黒木岩寿各氏に師事。指揮法を川本統脩、三河正典各氏に師事。よこはま月曜吹奏楽団指揮者。初心者と子どものためのオーケストラpìccolo音楽監督。板橋区演奏家協会理事。取手聖徳女子高等学校音楽科非常勤講師。

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