コントラバス奏者、吹奏楽指導者、指揮者の井口信之輔です。
クラシック音楽を中心にコントラバス奏者として活動するほか、中学高校の吹奏楽部やオーケストラ部、大学サークルでコントラバスの講師を務めたり、さまざまなコンセプトを掲げて活動している各地のアマチュアオーケストラや吹奏楽団とタッグを組んで、指揮者というポジションから地域の音楽文化発展に力を入れています。
また、茨城県にある聖徳大学附属取手聖徳女子高校の音楽科でコントラバスの講師を務めています。
SNSやブログではフリーランスの音楽家のキャリアの作り方、また活動の幅の広げ方などの発信し、noteではもう少し踏み込んだキャリアの話などを書いたりしています。
Amazonでコントラバスの弓が1万3千円で売ってた
先日、Amazonでコントラバス関連のものを見ていたら、弓がびっくりするような値段で売られていました。
12,995円!
えっ!?となりました。
ちなみに、中学高校吹奏楽部の準備室に置いてあるような学校用の楽器カタログだとコントラバスの弓は約4万円前後から売られていることが多く、弓を選定して紹介するときも4万円から10万円くらいまでの中で探すので12,995円という数字には驚きました。
となると、ちょっと気になってきますよね。
なので、買ってみました。
VINGOBOW:モデル100BGB
今回、購入したのはVINGOBOWというメーカーの弓で、カーボンファイバー(炭素繊維)で作られたタイプの弓です。
はじめて見た名前のメーカーなのですが、調べてみると中国で作られている弓だそうです。
Amazonで注文したのですが、白毛か黒毛どちらか好きな毛の色を選べるとのことで、黒毛で注文しました。
4/4、3/4などいくつかのサイズがありましたが、サイズの違いは長さと重さです。
弓でそうしたサイズの記載はこれまで見たことなかったですが、買ったのは4/4だったと思います。
詳しくはAmazonの商品ページに載っています。
弓が届いた!
弓は注文して3日で届きました。
大きめの宅配ボックスに入るサイズの段ボールで届きます。
開けてみると、このようなプチプチのケースに入っています。
いわゆる簡易的なソフトケースです。
裏面にはVINGOBOWについてのことが英語で書かれていました。
弓のいろいろな部分を見てみる
弓が届いたので、各パーツなどを細かく見ていきました。
棹(スティック)の形状は丸形で、持ち手となるフロッシュ(毛箱)は木製(おそらくエボニー)です。
銀線(巻き線)が巻かれている上に透明なビニールが巻かれていたのですが、新品の弓なので銀線の保護ビニールかと思って外してしまいました。
すると、銀線に少しベタつきが残ってしまったのとサムグリップ(革)の端が少し緩んでしまったので気になる方は外さないほうが良いと思います(演奏への支障はありません)
毛はしっかりと張られており、持ち手の部分を分解するとこんな感じ。
スクリュー(ネジ)を回し毛を緩めていくとフロッシュが外れます。
普段は目につかない部分ですが、とてもキレイです。
一つ気になったのがスクリュー(ネジ)とスティック(棹)の間に隙間があったこと。
演奏に支障はありませんが、スクリューを回して毛を張っても隙間は残りました。
ヘッド(弓の先端)の部分はこんな感じ。
弓に詳しい人だと「あれ?」と感じるところがあるかもしれません。
よく見ると、チップの部分は白く塗装されています。
弓の先端を保護するチップは牛骨、象牙、またリーズナブルな弓ではプラスチックが使われていますがこの弓は白く塗られてチップ風になっています。
よく、先端をぶつけてチップを割ってしまったということもあるので、ある意味安心です。
こちらも演奏に影響はありません。
最後に重さを測ってみたら135グラムでした。
コントラバスの弓(ドイツ式)は135グラム前後、もう少し細かくいうと132〜142グラムの弓が多いので平均的な重量だと思います。
はじめて持ったときの感想はずっしりくる感じでした。
重心をフロッシュ寄りに感じたこと、いつも自分が使っている弓がもう少し軽いのでこのような感想になりました。
何人かにも弾いてもらいましたが「軽い!」という人もいました。
いつも使っている弓と比較しての感想にもなるので、弾いた感想というのはさまざまです。
弾いてみた感想
弓が届き、オーケストラや弦楽合奏のリハーサル、個人練習で使いはじめて3日が経ちました。
結論から言うと、めちゃくちゃコストパフォーマンスの良い弓でした。
松脂も馴染んできて日を追うごとに弾きやすくなり、良い買い物ができたと満足しています。
1万3千円の弓弾いてみてる pic.twitter.com/3uUZ4bzvet
— 井口信之輔|コントラバス吹奏楽指導 (@igu_shin) August 18, 2024
弾いた感想としては、大きくてハッキリとした音が出る弓でオーケストラや吹奏楽、またコルレーニョ(弓のスティックの部分を弦に当てて音を出す奏法)を多用する曲、野外でのコンサートなどさまざまなシーンに対応できる弓だと思います。
初日はいつもより重い弓をガッツリ弾いたからか腕に疲れを感じたこと、また繊細なpや弱奏のときの音色のコントロールに難しさを感じることがありました。
一度、自分好みに毛替えをしてみるとこの辺りの感覚は変わるかもしれません。
こんな人におすすめ!
そこまで予算をかけずに弓をもう一本欲しいと思っている人(セカンドボウ、サブ弓)
毛替えをしている間に使える弓が欲しい人
部活動やサークルなど限られた予算で弓を探している人
ヴィブラフォンなど打楽器の特殊奏法でコントラバスの弓が必要な人
この記事を読んで興味を持った人
こういう人にはおすすめできません
通販で楽器や弓を買うのに抵抗がある人
弓はじっくり試奏(試し弾き)しながら選びたい人
おわりに
Amazonでコントラバスの弓が1万3千円で売ってたので買ってみたというタイトルで、弓が届いて箱を開けたときから何日か演奏して感じたことをまとめてきました。
実際、アマチュア音楽家の方、高校生、そしてプロのコントラバス奏者の方に弾いてもらって感想を聞いたところ「これ良いね!」と言ってくれたり、なんとその場でポチってた人がいました。
ネット通販の安い楽器を表現するときにおもちゃみたいなものと言う言葉がありますが、おもちゃなんかではなく普通に使える弓でした。
ここまで弓を使った感想を書いてきたので最後に一つだけ大切なことを書いて終わりにします。
弦楽器の弓というのは一見どれも同じように見えますが、同じ価格の同じモデルでも一本一本に個体差があり持ったときのバランス、演奏しやすさ、音色が違ってきます。
実は木製の弓(一般的な木の弓)も売っており、価格ももう少し安かったのではじめは木の弓を買おうとしましたが、天然の木材は生き物であってより個体差が大きいことをこれまで選定してきた弓で感じているので、木の弓に対して個体差の生まれにくい傾向にあるカーボン製の弓にしました。
ネット通販で楽器や弓を買うときは上記のようなことを覚えていくとより楽しく買い物ができると思います。
Amazonでコントラバスの弓が1万3千円で売ってたので買ってみた
いかがだったでしょうか?
X(Twitter)でも結構、反響があったので気になる方はぜひチェックしてみてください。