コントラバス奏者、指導者の井口信之輔です。
クラシック音楽の世界でコントラバスを弾いたり、中学高校の吹奏楽部をはじめとした音楽系部活動でコントラバスを教えたり、取手聖徳女子高等学校音楽科にてコントラバスの講師をしています。
先日、『note』というプラットフィームにて有料の記事を販売しました。
『note』は、つくる、つながる、とどける。をテーマにクリエイターが文章やマンガ、写真、音声を投稿することができ、ユーザーはそのコンテンツを楽しんで応援できるメディアプラットフォームで、僕は優しいインターネットと表現しています。
何を書いたかというと、音楽の世界、またSNS界隈では定期的に話題に上がり議論が繰り返される音楽家とお金の話。
フリーランスで活動する音楽家のギャラ交渉(出演料・レッスン謝礼)と金額設定のはなし。実体験に基づく数字を交えて本音を語る。と言うタイトルで僕が思う本音を綴ってきました。
お金の話がタブー視されがちな現代の日本では、かなり踏み込んだところまで書いているので、その部分を有料として販売する形を取りました。
踏み込んだと言うけれど、クローズドな部分で誰かを名指ししているわけでもなく、誰かを批判しているわけでもなく、具体的な金額を交えながら実体験に基づいた自分が過去に行動してきたものを書いてきたと言うところです。
一週間はお金やキャリアの話を深掘りしてみる
noteを販売するにあたり、執筆にかけた時間は3日でしたが企画を立てて構成を考えている中で、ここ数年でも一番、お金やキャリアのことについて考えてたかもしれません。
実際、この記事を書く前と今では自分の中でも、お金やキャリアに対する意識に変化がありました。
noteは定価3,500円で販売し、販売から一週間は1,980円で売ることにしたのですが、せっかくなのでこの一週間は自分もお金やキャリアのことについて、考えてきたことをしっかりアウトプットしていこうと思います。
大人がお金の話を積極的にしないのは◯◯だから
なんか、YouTubeのタイトルみたいな感じになりました。
noteでは、現代の日本ではお金の話はするべきではないと考えられることが多いと書いてきました。
ただ、それだけでなく大人がお金の話を積極的にしないのは、上に書いたお金に対する固定観念の他にも思いつく節があるので、そこを書いてみようと思います。
タイトルにはる大人がお金の話を積極的にしないのは◯◯だからの部分です。
それは
- お金の勉強をする機会がなかった(少ない)
- 人を雇うという経験がない
この二つです。
まず、学校でお金の勉強、またお金の教育を受けた機会があったかというと僕はなかったのですが、皆さんはどうだったでしょうか?
今でこそ、高校から家庭科の授業で金融教育、資産形成の授業がはじまったみたいですが、小学校から中学、高校、大学や専門学校を経て社会人になるまでお金のことを学ぶ機会が圧倒的に少なかったことが一つの要因だと考えています。
そしてもう一つは人を雇う(仕事を生み出し依頼する)という経験をする人が少ないということ。
結局は、人が悪い(ヒューマンエラー)ではなく仕組みが悪い(システムエラー)
多くの人は社会人になると就職をし、企業と雇用契約を結び雇われることで仕事をし、会社から給与が支払われます。
求人票にはすでに給与の目安が記載され、例えばアルバイトの面接などでも基本的にすでに決まった金額があり、多くの場合その金額が提示された資料があった上でお金の話をする機会が生まれる。
それに対して、ゼロから仕事を生み出し予算を立て、人に仕事を依頼し提供された価値の対価としてお金を払うという経験をする機会がほとんどないということが、大人が積極的にお金の話をしない、またはお金の話をしないといけないと思っていても忘れてしまうような要因の一つなのかと思います。
仕事を依頼することはあっても、自ら予算を組み支払う謝礼の額を決め、金額の提示も自らやるというところの経験が少ないというところ。
実際、こちらから聞いてみると「そうだ!すみません忘れてました」となることがとにかく多いので、お金の話がタブー視される、汚い、いやらしいと思われる以外にも、経済の仕組みや基本的なお金の知識が独学状態のまま社会人になった人が多い、現代社会の仕組みにも問題があるように感じます。
なので、お金の話をしない人が悪い!というより、お金を学ぶ機会がないまま大人になってしまう仕組みを見直すところからはじめるのが良いんじゃないかと思います。
僕も、「ギャラもらってないな〜ちょっと言いにくいな」と思うことが多かったですが、最近はどんどん聞くようにしています。
「すみません、今日の分って後日、振り込みとなりますか?」
とか
「忘れないうちに領収書のサインをしてしまっても良いですか?」
とか
お金とかギャラって言いにくい場合は、こんな感じで言ってみると良いと思います。
フリーランスで活動する音楽家のギャラ交渉(出演料・レッスン謝礼)と金額設定のはなし。たくさんの人に読まれています。2万文字を超える記事ですが、音楽で生計を立てていくために知っておきたいお金の話や自らの実体験に基づくサバイバル論を書きました。
知識があれば、諦めなくてよかった夢があったはず。
折り合いをつけなくて済んだことがあったはず。
どこかで悩む、誰かの背中を押すきっかけになれば嬉しいです。