コントラバス奏者、吹奏楽指導者、指揮者の井口信之輔です。
先日、とある吹奏楽部の生徒から「音楽のプロになるってどういうことですか?」と質問があり、お話をしていました。
進路を考えたときに音楽の世界に興味を持ったようで、質問をしてきてくれました。とっても良い質問だなと思いながら、僕が感じたままのことをお話しました。
音楽のプロになるってどういうこと?
音楽のプロになるということは、音楽の専門家になり、その知識と経験、技術を誰かに提供しお金を稼ぎ生活をしていくこと。ざっくりいうと音楽という分野を職業にするということですね。
楽器を演奏すること、音楽を教えること、そして音楽を作ることなど音楽の仕事というジャンルの中でたくさんの分野に枝分かれしていきますが、吹奏楽部という場所であれば、以下の3つがとっても身近にあると思います。
- 演奏家
- 指導者
- 作編曲家
演奏家は楽器を演奏する人たち、指導者は音楽を教える人たち、そして作曲家や編曲家は音楽を作る人。
音楽を仕事にしたいと思った人の進路
音楽を仕事にしたいと思ったら、音楽系の学校へ進学し専門的な教育を受ける人が多いと思います。音楽高校、音楽科のある高校、そして一般的に広く知られているのは音大と呼ばれる音楽関係の大学。
いわゆる音大生になってプロを目指す流れ。
で、この先が進路の分岐点で今回はプロになるというところを考えてみる。
僕が最近お話しするのは
- 厳しい世界
- 食べていけるのは一握り
とよくこの世界を進路に考える人が言われることを僕なりに紐解いてみたこと。
才能だけ、夢を追う気持ちだけで勝負しない
多くの人が目にする音楽の世界は華やかで、たくさんの才能を持った人がいる。
メディアは夢への過程をストーリーとして描き、そこに憧れを持ち「いつか自分も」と夢を追いかける。
自分には才能があると信じ、才能で勝負する姿や夢を追い求める姿は美しいしかっこいい、そしてなんかとっても輝いて見える。
それはとっても良いことだし、応援する側の人間としてはその姿を応援したい。
だけれども、才能を信じることや夢を追いかけるという気持ちだけでは乗り越えられない壁というのがあって、絶対に見落としちゃいけない大切なことがあって、ここを乗り越えるために必要なのが世の中の仕組みを理解すること。
- 日本ではタブー視されがちなお金のことを学ぶこと
- 資本主義社会を理解すること
- 芸術の世界からは敬遠されがちなビジネスを学ぶこと
ここを押さえておくのがとっても大切。
中高生であれば、まずは社会の授業をしっかり受けておくのがおすすめ。
もちろん才能はあったほうが良いし、世の中の価値観をかけ離れた気合いと根性、誰よりもやるような血が馴染むような努力は大切で、これらはこの世界で生きる上でのドレスコード。
だけれども、それだけでは限界があって、上記のような努力と合わせてお金の知識を身に付け、世間の需要と供給のバランスを知った上で自分が何を提供できるかを考えられる人っていうのが一握りというところにたどり着きます。
で、こういうことは大学で教えてくれない!
と言ってしまいがちですが、フリーランスで生きていくと覚悟を決めたら自分の身は自分で守ことが大切なので、教えを待たずに自分で学びにいくこと。
意識高い言葉で言うとビジネス戦闘力があるかどうかってところです。
音楽を進路に考えたとき、この辺りを知っておくと良いんじゃないかなと思います。
ということで、頑張っていきましょう!